A-018.0528.0600 いつもの朝
いつも通り、目が覚める。
背伸びをし、形見のペンダントを着け、洗面台に向かう。
洗顔を終え、丁寧に水気を取る。
髪をすいて、約一か月ぶりにセーラー服に袖を通した。
「アスカちゃーん。準備できたー?」
比女さんが声をかけてくれる。
「はい」
「じゃ、朝ごはん行こっかー」
食堂へ行くと、コーヒーと焼けたパンの香りが漂っていた。
ぱらぱらと人が集まっていたけれど、鮫浦副隊長の姿はない。
「おはようございます」
「おはようございまーす」
「魚石ちゃん最後なんだろ?六結さんの手料理はちゃんと食ってけな」
「はい!」
「アスカちゃんだけ、なにおかわりしても良いって」
「本当ですか!嬉しいです!」
比女さんと一緒に六結さんから朝ごはんの乗ったプレートを受け取る。
生ハム入りの色味豊かなたっぷりサラダと、湯気も眩しいふわふわオムレツ。じんわりバターが溶けたこんがりトースト、優しい甘さが引き立つコーンスープ。
六結さんのごはんは、どれもおいしかった。この一か月、地下東京では到底食べられない天然物のフルコースだったと言える。
「いただきます」
この味はきっと、忘れない。
寮棟の自室に戻り、荷物をまとめる。
「忘れ物……なし」
仮入隊の期限。今日はわたしが地下に帰る日だ。
藤子は昨日、地下へ帰った。
「じゃあ、また学校でね!アスカちゃん!」
手を振る彼女を、今回はわたしが見送った。
家に帰れば、家族が心配して待っているだろう。きっと一悶着が待っている。
藤子との関係性はなにも変わっていない。大事な友達。学校で会っても、これまで通りの挨拶するだろう。
でも、心の距離は以前よりもずっと近く。
お疲れ様です。
平和な回です。地上東京は打撃を受けた直後ですけれど。
更新は一週間後、1月30日の予定です。
よろしくお願いします。
アスカが仮入隊してから、一か月が経ちました。




