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スラムの孤児は慎ましく生きたい~大賢者の遺産を継いだけど、救世主にはなりません~  作者: 鳥助
第四章

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36.犯人を捕まえろ

 翌日、犯人を捕まえるため、私たちは作戦を実行した。まず、何食わぬ顔でダンジョンに入り、初心者の森に入って行く。


 メンバーはもちろん、いつものメンバーだけ。同ギルドの大人の力は借りない。だって、そうしたら犯人がおびき出せないかもしれないから。だから、私たちだけでやるしかなかった。


 初心者の森に広がって、いつも通りに採取と魔物討伐を行う。普通を装うための下準備だ。


 犯人は私たちが採取した素材や魔石を狙っているから、襲ってくるなら夕方間近になってからだ。その時間まで私たちはいつも通りに過ごした。


 そして、夕方間近になると、私は探索魔法で森の様子を探る。今から森に入ってくる冒険者がいないか確認するためだ。


 もし、今は入ってくる冒険者がいれば、それは犯人で間違いない。逃さないように、徹底的に調べ上げた。


「リマ、どう? 誰かいる?」


「まだいないみたいだけど……あっ!」


 探索魔法をかけていると、反応があった。森の入り口から十人程度の冒険者入ってきた。どうやら、犯人と思われる冒険者を釣れたみたいだ。


 私は思念魔法でメンバーに意思を伝える。


(今、森に犯人と思われる冒険者が入ってきました。各自、所定の位置についてください)


 そう伝えると、探索魔法に反応があった。ばらばらに散らばっていた子供たちが距離を縮め始める。誰が襲われてもいいように、すぐに駆けつけれるようにするためだ。


 私も犯人の動向を伺いながら、みんなとの距離を詰めた。そして、犯人と思われる反応が一グループに急接近しているのが分かった。それはメイルスとピエネッタのグループだった。


(メイルスとピエネッタの所に犯人が近づいていきます。接触まであと数分です)


 それから、他のグループに具体的な位置を知らせ、距離を縮めさせる。すると、二人に接敵する直前には、周囲に子供冒険者のグループが取り囲む状態になった。


 これで、あとは現場を取り押さえるだけだ。私は急いで、二人の下へと向かっていった。


 そして、二人が犯人たちと接触する。二つのグループが立ち止まり、動かなくなった。周囲にいる子供たちのグループが至近距離まで詰めてきた。


 しばらく膠着状態だったが、ピクリと犯人たちが動き出すと、一斉に子供冒険者のグループが襲い掛かった。


 どうやら、決定的な場面になったみたいだ。その場所はごちゃごちゃになって、探索魔法でもよく分からない状況になっている。


 私は急いで現場に駆けつけた。近づくと、争う声が聞こえてきた。木々を抜け、その場にようやくたどり着いた。


「くそっ! こいつら!」


「切り殺すぞ!」


「やっちまおう!」


 犯人たちが襲い掛かってくる、子供たちに向かって剣を抜き去った。


「危ない!」


 だけど、魔法は打てない。子供冒険者に当たるからだ。こんな時は、どうしたら!


「リマ! 付与魔法があるよ! それで、子供たちを強化するんだ!」


「分かった!」


 付与魔法を頭に思い浮かべると、記憶が溢れ出してきた。使い方は――。


「みんなに魔法をかけます!」


 魔力を高め、付与魔法を発動させた。体が強化され、身体能力が上がる魔法だ。それを、子供冒険者全員にかけた。


 すると――。


「すげぇ! 体がめちゃくちゃ動く!」


「凄く強くなった!」


「これだったら、いける!」


 子供冒険者の動きが機敏になった。大人顔負けのスピードを出し、大人の力にも負けないパワーだ。


 子供冒険者が一斉に飛び掛かると、犯人たちは押され始めた。


「なんだ、これ!? こいつら、強いぞ!」


「くそっ! どうにかしろ!」


「魔法だ! 魔法を使え!」


 その言葉に一人の犯人が杖を構えた。詠唱を始め、魔法を放つ気だ。このままだと子供冒険者に直撃してしまう。


 何か、良い魔法は……結界の魔法? よし、この魔法を――!


 魔力を高め、結界の魔法を発動させる。発動させる場所は――詠唱している犯人の周り。


 すると、詠唱をしている犯人は結界の中に閉じ込められた。その瞬間、中で魔法が放たれる。


 凄まじい風が吹き荒れ、結界の中にいた犯人は切り刻まれ、その場に力なく倒れ込んだ。


「みんな、今です!」


 声を上げると、強化された子供冒険者が一斉に犯人に飛び掛かる。人数はこちらが多いため、手の数が足りない犯人たちはタコ殴りにされている。


 その攻勢を止められなかった犯人は立っていられず、地面に倒れ伏した。そこへ子供冒険者の強烈な一撃が入り、犯人たちは完全に沈黙した。


「よし! 犯人をやっつけたぞ!」


「やったー!」


「俺たちでも出来るんだな!」


 動かなくなった犯人を見て、子供冒険者は喜びの声を上げた。みんなで手を重ね合わせて、勝利を祝っている。私もその輪に加わり、みんなから感謝された。


「リマの魔法、すげーな! お陰で助かったよ!」


「南ギルド一の魔法使いだよね!」


「リマがいてくれて良かったー!」


 そんな声が聞こえてきて、なんだか恥ずかしくなってしまった。一人で照れていると、メイルスが犯人に近づく。


「犯人の顔を晒そう」


 そう言って、覆面を取ると――。


「あっ、こいつ!」


 メイルスの声はまるで知っているかのようなものだった。気になって顔を覗いてみると――以前、ギルドに強引に勧誘してきた冒険者だった。

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― 新着の感想 ―
 まあ、そうなるよなと。犯人はコイツらだよな。  これはもう、ギルド潰しをしようとしたって大袈裟にして、初心者狩りしてたやつらの所属ギルドに多大な賠償金をふんだくって、その上でやつらのギルドは他ギル…
犯人「お前らこんな事してただで済むと思ってるのか!」 リマ「やっぱり証拠隠滅が必要?さすがに人消すのはなー。そうだ北のギルドを消そう!」
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