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11話 「ネフィルの功績」


トート「ネフィルの動向は追わせているか?我が僕、マモンよ」


マモン「はは!イェル様が光に包まれし矢に魂を吹き込み、杖に変えた時より承ったお言葉、記憶にございます。」


彼等は祭りの後の牛車に乗り、多くの従者を引き連れて帰る途中であった。上空にはソラとエラが翼を広げて、人々のなれ果てである危険な動物がいるか見張りをしながら、耳に栓をされた馬車の中でマモンとトートは密会をしている。


トート「オフェルの名前がネフィルとなったと考えられる…その最期の言葉。その意味、“甲羅の多層的な一面に私はなり得るだろう”あの狼男がオフェルの成れの果てである可能性がある故に、あのような武術を見せたのだな?」


マモン「おっしゃる通りです」


周囲の従者は翼で鎧を形成し、襲いかかる動物を槍で突いて、蔦や草食動物へ変えてしまう。この世界には肉食動物も普通に多い。彼等肉食動物は草食動物を食べては叫び、体を腐敗させ、2年ほどでそれを繰り返した後、体から泥が落ちて、石へと変わるのだ。それを養分に木や植物が育つ。従者の槍は肉食動物を“最後の晩餐が如く満腹”を与える伝達物を矢先にしており、王に近寄るのを防いでいるのだ。


トート「貴殿はあの、武勲に賞賛を与えるべきだと考えるか?」


マモン「私はトート様の期待に応えるのみです。仰せのままに」


トート「ソラ様が仰られた。あの者を観察し、邪魔にならない程度に協力せよと、その意図は何だと考える?私も考えかねているのだ。」


王であるトートはマモンを試すような姿勢で問いかける。


マモン「私としては、あくまで、可能性ですが、ネフィルは元はといえば守護者であり、勇者様であった存在ですし、当然のことかと…」


王は微笑み、マモンの肩を叩き、答える。


トート「試して悪かったな。私も同じ考えを持っている。その目本気だな。ただ、私も少し違う気掛かりがあってな?彼の醜い姿に私は驚きを隠せなかったのだよ。」


マモンは驚いた表情をする。


トート「かつて、大昔の神話を知っておるか?植物の神、シュブルスについての話だ」


マモン「存じ上げております。この大地に降りたった大狂乱の魔物に水の都を明け渡し、大地に魔物と神が融合してシュブルスが誕生した。あの神話の。」


トート「似ているのだよ。シュブルスと、オフェル、いや、ネフィルが…ハハハ。この話は内密でな。話を口外するなら、問答無用でマガ鍋に放り込むからな」


マモン「はは!」


マモンは黒い装飾の金であしらわれた車輪の模様のマントを振るわせながら、頭を下げ一礼をし、馬車が止まってから、降りて、後方の列の馬車に乗り換える。


ネフィルは自身の翼を折りたたみ、深くお辞儀をして、大衆に対して感謝の演説をする。


「我が国の発展のため、私はまた、肉を食すことができることが光栄です。獣人は力が強い故に、多くが生活の活力としての英傑であり、一人一人が大事な文明の為の繋がりであります。どうぞ私の仲間をよろしくお願いします。」


彼は流暢に丁寧に話し、肉を食したあとも、豪快で丁寧だった。


が、しかし、ギークとユミは相変わらず、フォークとナイフで肉を植物化させてからちゃんと食べるが、何も変化がなく、周囲からヤジと冗談を飛ばされる。

「おい!ギークさんまたかよ!ハハハ!」


「ユミさん!うさぎの耳でもいいから、生えて!!獣人になってもいいのよ!」


ギークとユミは頭を下げながら、同時に言葉を放つ。

ギーク、ユミ「英雄さんたち、ごめんなちゃい」


他の人々は王が帰宅した後も、酒や屋台での談笑を楽しんだ後、いつもより遅く起きることができる夜の夢の中に入るために家に帰るのであった。


ギークとユミはマーチェと、グレン、グーを自身の常民区の宿まで案内する。


ギーク「では、こちらが通路になりましてーってユミ!少し寝ぼけすぎ!」


ギークはユミの肩を優しく揺する。


ユミ「だってぇ!辛いことがあったら寝るに限るでしょ?寝たら、天使さんが、故郷の安らぎを運んできてくれるんだからマジで!」


ユミは冗談っぽい感覚で言うが、事実だ。


マーチェ「夜更けの道案内ご苦労様です。すみませんが、うちのグレッグドが…その、気を使わせてしまって申し訳ない。」

グレッグドはグレンとグーの姿を見て涙を浮かべそれが頬をつたっていた。彼はただの馬のようだった。嬉し涙か、それか複雑な心境を彼に浮かべる。馬の獣人だからだ。

グー「まぁ、気になさんなって!しかし、ギークさん!素晴らしい剣技だった。槍の腕の程も良いのでしょう?私にも稽古してくださいよ」


ギーク「火の聖域の役割が成すことも素晴らしいが、私の剣技も一流!ってこともあるかもしれませんが、名前を変えたらしいですね。グーさん。元はデザンさんでしたよね。あの剣技に特別なことを仕込ませてもらったので、感想が聞きたいです。」


グー「確かに、我が商人である主、マーチェの扱う火の元は一級品!元は体の安らぎと、宇宙より来訪する魔物を撃ち落とす矢の原料として使われるだけあるからな!ありがたいお言葉だ。ギーク殿。私は人間のままで分断されたが、何故か力がみなぎってくる感覚がある。あの剣技に、やはり秘密が?」

火の聖域は兵器製作や、温泉のような効能をもたらす炎の暖炉に集まる生業と文化がある。


ギーク「いつか、稽古でお教えしますよ~グレンさんはどうですか?」

ユミ「いつか!私達も火の聖域で、暖炉に暖まりたいなぁ!」


軽くギークは返し、ユミも和かに返す。しかし、視線はグレッグドを気遣って、和やかさを演じていた。


グレン「私も同じ意見ですねー」


2人の身体への異変は好転を示していた。ギークとユミは4人を宿へ案内した後、グレッグドの耳と頭を撫でて、家に帰る。その途中で最近見た英雄っぽい影が前を通る。2人は一瞬少し驚くが、声は穏やかだった。


ネフィル「おや!ギークさんとユミさんではありませんか?祭りの時の…」


ギーク「あー!ネフィルさん!夜更けにお仕事ですか!」


ネフィル「私も、祭りの前に残した頼まれごとがありまして、花や草木の世話です。見ての通り、こちら右手に桶ですよ。あ、ギークさん。明日の昼間から宴をやるので、是非よろしくお願いします。グレンさんとグーさんもお誘いしてます。」


ネフィルは相変わらず、優しい口調でギーク夫妻と接する。


ギーク「ええ、楽しみにしてます」


ネフィル「ありがとうございます。では…」


ギークはネフィルに会釈し、ユミは軽く手を振って別れる。


ユミ「やっぱり、あそこまで人ができてると逆に怖いなぁ…でも、宴自体、酒を飲めるから最高だよね~ギーク!前日だけど、酒樽空けない?」


ギーク「もちろん」


ギークは気になっていた。彼、ネフィルの翼が礼儀正し過ぎたことを…

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