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月日は流れる
家にいた妻に半泣きになりながら河童を目撃したことを伝える。全く相手にされなかったが後から私が嘘をつかない人だと知っていた妻は信じてくれた。それ以来あの水の境界は避けて行かないようにした。
月日が経ちいつしかあの水路は、蓋で封印され人間が安全に歩けるように姿を変え、田園もなくなり古代の微生物が含まれたアスファルトで固められていた。
さらに月日は流れ、車椅子生活になった私はあの出来事を懐かしみ、何故か河童の心模様に想いを馳せ、すみかが消失する歯痒さや、分かり合えない人間に怒っていたのか、はたまた弱っていく難病の私を悟り、無益に殺してもどうしようも痛い目にあうと長く、生きた記憶を思い返したのか。河童を思い返して、あの水の境界だった場所を散歩する日々を送っている。




