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心残りー水の境界ー  作者: san


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夜更けの帰宅

仕事を終え、ローカル電車を障害の症状が徐々に見え始めた身体でふらつきながら下車。


すっかり夜が更ける冬。午前中からこの地域では珍しく雪が降り、解けた辺りには静寂な田園風景。無人駅から家に向かう道には私しか下車した人はおらず白い息を吹きながら南方面にある家路をガタガタな足取りで歩く。

***×

その方向を見た時、田園の水路に一人背を丸めて頭から水をかぶっている。私は戦慄を覚えた。


凍りつく雪解けの季節に何故あのような行動を。異常者であることを認識した。錯乱した感情を押し込めてもう一度目をこらした。


さらに混乱することに至る。


その者は人型ではあるが頭には白い皿、全身が緑、クチバシはトンガリ、背中には平たい甲羅。


背は低いが大人の異形に満ちた顔! しかも怒りに満ちていた!河童だ!


あの先を超え左に曲がればすぐ家に着くが、あの水路の分岐点でひたすら頭のてっぺんからしきりに水をかぶっている河童!


こんな奴と出くわした私は幸運ではない恐怖しかなく、凍てつくおもりがつき始めた身体と思考を張り巡らせ策を練り出した。


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