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魔女の待ち人  作者: 周
本編
23/39

不可侵な領域

いつもとちょっと書き方が違うかも……です。


幼女趣味疑惑は払拭されたものの、当日は一緒に寝る・寝ないで一悶着あり、結局は一週間の睡眠不足にDが負ける形で押し切った。翌朝、目覚めたDはアルバートに寝る時以外は半径1m以内に踏み込まないよう通達、その絶対領域とも言うべき間合いは珍しく翌週まで引き摺り、狭い小屋内における微妙な距離は保たれた。ベッドを除いた場所では。

意外な頑なさを見せたDであったが、200年以上一人暮らしをしていた為か、もともと後を引かない性格からか、はたまた絶対領域を樹立し遵守させ満足してからさらに一週間が空いて記憶が薄れたのか……事の発端の翌々週には沈静化し通常適正距離に戻っていた。



そんな春も間近のある日の休息日、二人は居間で銘々に寛いでいた。

長椅子に腰かけて読書に耽っていたDが足を引き寄せて、膝に本を乗せる。が、座りが悪いのか本を読んだままコテリと横になり、仰向けになり、腹ばいになり……落ち着かずにいた。すると、ひょいと抱き上げられ、長椅子に斜めに掛けたアルバートの上に乗せられる。

アルバートは上半身と腿と腕を駆使してDの体をやんわりと支え、座らせた。

そこまでの扱いを受けても本の世界に耽溺したままなのが可笑しくて、からかい交じりに訊いてみる。


「座り心地は如何ですか?」

「うむ。悪くない」


返って来たのは上の空の返事。

よほど具合が良いのか、それからは身じろぎもせずに濫読した。


本から無事に生還したのは、日も傾きそろそろ夕食時かという頃。

顔を上げ首を回し大きく溜息を吐いたDの耳裏に、ふっと笑った息が掛かる。

視線を巡らし、意外な近さでアルバートの黒い瞳と合い、軽くたじろぐ。その体は何故か非常に安定しており、不審に思って開いたままだった本を閉じて確認すれば、拘束付き人間椅子にちょこんと収まっている事に初めて気付いた。


円い森に響き渡る魔女の悲鳴。


羞恥に悶えたDに理不尽なお仕置きをされ、再び絶対領域が設けられた事は言うまでも無い。


誤字・脱字・意味の読み取りずらい表現など、ございましたらお知らせいただけると助かります。

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