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最終話

「それではお父様、お母様、行ってまいります。アナは必ずや勝って、この国に更なる繁栄を約束しましょう」


 アナスタシアは覇気に満ち溢れた顔つきで、戦場での勝利を誓います。

 彼女の年齢は十六歳。しかしながら、その若さにも拘らず一個大隊を与えられ武勲をあげていました。

 その秘密は“勇者の血”の覚醒――アナスタシアの年齢が上がると共に彼女は神通力とも言える力を手に入れます。

 そして十四歳になる頃、アルフォンス様がベゼルーク国王に属国の統治を任された機会に自ら武人になることを志願しました。

 アルフォンス様の力になりたいと言い出したのです。


「お父様とお母様が本当の子供でない私のことを赤子の頃よりずっと守ってきて下さったことは存じています。私はその恩返しがしたいのです」


 アナスタシアは幼い頃から自分が私の実の娘ではないことを知っていたと告白しました。

 そして、自分の本当の両親が自分を捨てて殺そうとしていたことも全部理解していたそうです。


「アイリーンとロバートの話も自分で調べました。お父様もお母様も自分たちにそれほどの仕打ちをした人たちの娘である私をずっと今日まで愛情を持って接してくれたこと、いつも感謝してました。だから私が生まれてきたことに意味を見出す為にもこの力を活かしたいのです」


 彼女はアイリーンとロバートのしたことについても調べていたみたいです。

 私たち二人とも可愛い娘としてしか見ていなかったのですが、それがアナスタシアにとっては堪らないと感じている部分もあったみたいでした。


 それから二年――アナスタシアは幾度も戦場にて武勲を量産して英雄となります。

 デルバニア王家の秘宝――“勇者の血”の生まれながらにしての覚醒者。

 そんな彼女にとって戦場は一番自分の力を発揮出来る場所でした――。

 

「アナも一人前に成長してくれた。あの日、私は結婚式場で婚約者に駆け落ちされて、全てを憎みたくなりましたが、同じ悲しみを持つあなたを見て何とか修羅に落ちずに済みました。改めて礼を言います。私の妻になってくれてありがとう」


「本当に改まってどうしたのですか? 私こそアルフォンス様に出会えてから、自らを高める道を見つけられましたし、だからこそロバートやアイリーンからアナを守れたのだと思います。こうして今、幸せに暮らせているのも全てあなたのおかげです」


「お互いに一筋縄ではいかない人生でしたね。アナの成長を見てそれを再び実感したものですから」


 ワインを取り出したアルフォンス様は私のグラスにそれを注ぎます。

 どんなに心が闇に落ちようとも、光を指し示してくれる人が一人でも居てくれれば救われる。  

 私はそれを知ることとなりました。アルフォンス様は、アナスタシアと私の光でした。

 

 今日の私がいるのはそんな光を信じて歩み続けた結果なのだと、それだけは確かだと言えるのです――。



王女と駆け落ちした元旦那が二年後に帰ってきた~謝罪すると思いきや、聖女になったお前と三人で僕らの赤ん坊を育てたい?こんなに馬鹿だったかしら


 ~完~

◆最終話まで読んで頂いてありがとうございます◆

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※最後にお願いがあります!

現在、新連載を開始しておりまして、

【穢れた血だと追放された魔力無限の精霊魔術士〜「魔力を分けて欲しい」と頭を下げても、もう遅い。ホワイトな王立ギルドでSランク待遇を受けてるので】

というタイトルで、聖女になれなかった主人公が新たな才能と新たな仲間に恵まれて活躍するという内容でやっています。 

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