41/71
4-10
“ついに平成のゾディアック・キラーの正体が明らかに”
駅の売店に並ぶ朝刊、その見出しには各紙示し合わせたかのように同じ文言が並ぶ。
「良かったわねえ、これでやっとこの辺も平和になるわ~」
缶コーヒーをレジに置くと、聞いてもいないのに店員のおばさんがそう微笑んだ。
新聞なんて嘘ばっかりだよなんて言えない。おばさんの嬉しそうな顔が壊れてしまうところは見たくないから。
「あと、六人……その時、この紙面も真実になるのかな」
とにかく、しばらくは動きやすくなりそうだ。そこに関しては私にとっても嬉しいニュースといえるかな。
そろそろ帰ろう。夜更かしを繰り返す生活を続けているせいなのか、すっかり日の光に弱くなってしまった。なんだか吸血鬼みたいだ。
「――“鬼”か。そう、鬼になってしまったのかもしれないね」




