18 裏
作者「久々の投稿だぜイエーイ!」
レンヤ「久々の投稿だぜイエーイじゃねえよ!少しは悪びれろよ!」
作者「いや、忘れてた訳じゃないんだよ?ただ、そう....F○OとかF○14とか色々と忙しくてね....」
レンヤ「ゲームが多少変わっただけでやってること前と一緒じゃねえか!?」
作者「しかし安心してほしい!実はラストまでの構想もぼんやりと頭の中に描いている!だから完結はさせるつもりだ!」
レンヤ「......ちなみに今はそのラストまでのどの辺りなんだ?」
作者「え?........FG○で言うと冬木市にレイシフトした辺り....か、クリアした辺り....かな?」
レンヤ「完結まで何年かかんだボケがあああああ!!」
フレーシアと二人、マスターへの復讐を誓った次の日、僕たちはクレアの情報を貰うべくスカウトギルドにまたまた訪れていた。
当初は依頼してパパッと見つけて貰って、帰る手段を探そうかと思っていたのにこんなに来ることになるなんてなぁ…………お陰で色んな人達と知り合えたしこれはこれで良かったけど。
「ふわ~~あ。もう、クロミネ達が騒ぐからあんまり眠れなかったよー」
「ご、ごめんね、ウサリィちゃん…………」
「悪いのは悪のりしたマスターだからカノンは気にしなくて良いんだよ、フレーシアさんが後できっちり制裁してくれるからね」
「クロミネ…………眼が怖いよ………?」
悪ふざけと言っても限度がある、マスターには相応の罰というものが必要だろう、フレーシアも同意してくれたし、あまり若者をからかうとどうなるか教えてあげた方がマスターのためにもなるだろう。
そんなことを考えながらスカウトギルドへの道を歩く、だいぶこの街の地理も覚えてきたもので、少なくともスカウトギルドへの道のりは間違えることはなくなった。
慣れた足取りでスカウトギルドに着くと早速、ベルさんが出迎えてくれた。
「クロミネ様、昨日は申し訳ございませんでした」
昨日の件を詫びるベルさんに僕は慌てて
「い、いえ、悪いのはマスターですから。ベルさんもお気になさらず」
「そう言っていただけると…………カノンにも申し訳ないことをしてしまいました」
「………い、いえ………!」
ベルさんに頭を下げられたカノンはどうして良いか分からない様子で困惑している。
ベルさんは僕らに一通り謝った後、いつもの冷静な感じで今日の予定を話し始める。
「それでは依頼を受けていたクレア様の捜索ですが、もうすぐ担当の者が帰ってきますのでこちらで少しお待ちください」
ベルさんの案内で僕らは応接用の椅子に座り待つことになった。
と言ってもカノンは「………少し………お手伝いしてきますね」と言ってギルドの中へ行ったしウサリィは飛びながらあちこち見回ってるので座ってるのは僕一人だが。ベルさんはさっさと受付の方に戻ってしまい、やることもないので適当にこの世界の新聞でも読んで暇を潰していると
「おはようですわ」
「おはようございます」
フレーシアがギルドにやって来た。ベルさんと挨拶を交わしつつ、フレーシアは座っている僕を見ると「昨日はごめんなさいですわ」と謝ってから「マスターへのお仕置きは任せなさい」とナイフをチラつかせながらギルドの中へと入っていった。
あの様子ならきっとマスターにキツいお灸を据えてくれるだろう、少し同情するが自業自得なので気にしないことにした。
フレーシアと挨拶して数分後、ウサリィが見回るのにも飽きたのか僕の頭に乗りくつろぎ始めた。
また少しすると
「………」
「おはようございます」
ヴァルトが無言で入ってきた。挨拶をするベルさんに無言で会釈しギルドへと入る。
座っている僕らの前を通るが特に何も言うことはなく、そのまま通りすぎていった。
「………相変わらず無口な人だなー」
「無口というかやっぱ無愛想だよね」
ウサリィと二人、そんなことを話しているとカノンが戻ってきた。
「お帰り、お仕事は終わった?」
「………その………大体のお仕事はもう皆さんが受けていたので…………」
「あー…………それは残念だったね」
「…………一緒に待たせてもらっても………良いですか………?」
「もちろん」
カノンは僕の隣にちょこんと座り一緒にギルドの人が帰ってくるのを待つ。
黙って新聞を読んでるのも気まずいので新聞を読みながら適当に気になった話題を話す。
「ふむふむ、ガルドーラで軍の物資が大量盗難………闘技場で全勝無敗の男、その一太刀は山をも真っ二つにする…………凄い人がいるもんだなぁ」
「大げさじゃないの?」
「………いえ、私も詳しくは知らないですが…………固有特技を持っている方らしいです………」
「強いんだろうなぁ。一度手合わせしてみたいな」
「クロミネって結構好戦的だよね」
「いや、強い相手と戦いたいのは戦士の性みたいなものだから…………」
と言いつつもウサリィの言葉に割りとショックを受ける僕。師匠のことを戦闘狂だの修行バカだの呼べなくなってしまう………発言には気をつけよう。
「あとは…………ん?レンテ様を崇める温泉の街で一体何が?道が沼のように変貌!犯人は凶悪そうな顔の男………騎士による逮捕劇………」
「何それー?」
「何か別の街での事件みたいだよ、ほら」
大体読み終わったのでウサリィが読めるように目の前のテーブルに広げる。
ウサリィは新聞の近くに寄り、熱心に読み始めた。
「そういえばウサリィ字読めるの?」
「そのまま読めるのは一部だけだよー。今は解読魔法で何となく読んでるの」
そういえばメニューも読んでたな、と思い出す僕。感心すると同時に一部って自分の好きな食べ物だけじゃないか?と少しの疑いも持ったり。
「それにしても道を沼のようにって....何のためにそんなことをしたんだろう?何の理由があったにしろ住民は迷惑しただろうな....」
ただの嫌がらせなのかは分からないが何にせよ捕まって良かった。願わくば改心してまた同じことを繰り返さないことを願うばかりだ。凶悪そうなとか書いてたけどどんな顔なんだろう、写真が乗ってなかったから何とも言えないが。
新聞はウサリィが読み始め、カノンは元からあまり話すタイプでもなく、僕は僕で新聞がなくなって話す話題もなく若干、手持ち無沙汰にベルさんの入れてくれたお茶をすすり待ってると
「.....お待たせしました。担当の者が戻りました」
と、ベルさんが一人の男の人を伴って僕らの方へ近づいてきた。ベルさんは僕らに一礼した後、また元の受付へと戻った。
男の人は僕らと対面の椅子に座ると紙を一枚手渡しながら話し始める。
「初めまして、担当のヴィトンと申します。ご依頼はクレア様の捜索、ということでしたね」
「はい、そうです」
ヴィトンさんの質問に答えながら紙を受け取る、ウサリィも新聞を読むのをやめ手渡された紙に近づく。
「結論から申しますと、クレア、という名前の方はこの街にも何名かおります。ですが、そちらの条件....白髪、赤い眼、という特徴に絞ったところ当てはまる方が一人おりました」
ヴィトンの言葉を聞きながら紙を見ると
「魔法使いギルド所属、そしてこの間の龍討伐において各ギルドのメンバー、そして街をお救いになった“ドラゴンスレイヤー”クレア様、その方で間違いないかと---」
「ぶはっ!?」
ヴィトンさんを馬鹿にしてる訳では決してないが、あのクレアが“ドラゴンスレイヤー”とか呼ばれてるのを聞いて思わず噴き出してしまった。
いけない、ヴィトンさんはもちろん、カノンとウサリィまでもが怪訝な顔をしている、真面目に聞かないと。
「あの....どうされましたか?」
「い、いえ、すみません。ちょっとむせて...」
「はあ、続けてよろしいでしょうか?」
「ど、どうぞ」
「条件に当てはまる方は“ドラゴンスレイヤー”のクレア様以外にはおられませんでした。一応、他の方の住所も載せておりますがほぼ間違いないと思います」
......耐えろ、耐えるんだ、この笑いは今度あいつに会った時にこのネタでからかう時用に取っておくんだ....!!
「“ドラゴンスレイヤー”クレア様は現在、魔法使いギルドの部屋を借りて生活されていることが主だと言うことです」
「主、というのは?」
「魔法使いギルドのナンバーワン、世界に数人しかいないSS級魔法使いアルティア様の家も借りられてるようですね」
アルティア.....って娘はたぶん、金髪の小さい娘だろう。カノン達も言っていたが本当に凄い人なんだなぁ。
「以上が調査の結果となります、何か質問などございますか?」
「充分です、ありがとうございました」
他のクレアって名前の人も一応眼を通すが魔法使いギルドのクレアがやはり僕の探してるクレアだろう、なら次に行く場所は決まったということだ。
紙に書いてある魔法使いギルドの場所を確認しているとヴィトンさんが席を立ってないことに気づく。どころか僕をじーと見つめている。
「あの....何か?」
「ああ、いえ、その.....クロミネ様はクレア様のお知り合いだと聞いたのですが」
「はい」
ヴィトンさんはどこか躊躇った様子だ、何だろう?
「依頼主にこんなことを聞くのを何ですが一応確認を....クレア様はクロミネ様の恋人か何かなのですか?」
「違います」
僕は即答した。
しかしヴィトンさんは疑いの眼差しを向け
「.....そういえばカノンも随分懐いてますよね?クレア様の容姿もカノンに近い感じですし....」
「違います」
「もしかしてロリコ」
「違うって言ってるじゃないですか!?」
クレアは主な印象はトラブルメーカー、せいぜいが妹みたいな位置付けでそういった感情は全くもって抱いたことはない!!
「ギルドの信頼にも関わるのでそういう案件はなるべく避けたいのですが....」
「だから違いますって....ちょ、ウサリィ?何で段々と疑わしい眼になっていくの?」
「クロミネさん....私、信じています...」
「カノン、そう言いながらちょっと僕に対して構えてるのどうして!?」
「そういえば特に疑問に思わなかったけど何回も依頼するぐらい真剣に探してるもんね。もしかして...」
「違うって!というか二人には理由話したよね!?」
「嘘という可能性も....」
「ないから!」
否定しながらウサリィがニヤニヤと笑っているのに気づく。どう見ても分かっててからかってるのだろう、まったく.....。
「ともかく、クレアは魔法使いギルドですね?」
「ええ、先方には私の方から伝言をしておきましょう。今みたいなやり取りを繰り返したくはないでしょうしね」
ヴィトンさんは笑いながら立ち上がった、自分から吹っ掛けてきてこの言い様、この人も結構良い性格をしているみたいだ。
では、と言いヴィトンさんは出て行った。さて、と。
「じゃあ僕らも行こうか」
「う、うん」
「は、はい」
僕が立ち上がりギルドから出ようとすると二人は若干緊張した面持ちで付いてくる。いよいよ、神龍であるクレアに会うから緊張しているのだろう。そんなに緊張しなくてもなぁ....どうせ会ったら十秒で崩れるだろうし。あ、そういえばフレーシア達も会いたいと言っていたけど.....とりあえずクレアに会ってフレーシア達にはその後で会わせよう。
そんなことを思いつつ魔法使いギルドへの道を進む。ここからそう遠くないみたいだしすぐにつくだろう。途中で、クレアがお世話になってるだろうしお土産の一つでも買っていこう。
カノンやウサリィに相談し、無難に食べ物の詰め合わせをお土産に選んだり、ウサリィがまた食べ物をねだってきたのを適当にあしらいつつ、僕らはついに魔法使いギルドへとやって来た。ここまで長かったな.....しかし今思えば、カノンが最初に話してた龍を撃退したクレアが本当に僕の探してたクレアだったんだな....。龍を殴り飛ばしたとかの話はスカウトギルドに聞いたところ、出所が曖昧とかで尾ひれがついていた可能性が高いって話だし.....随分と遠回りをしたもんだ。
魔法使いギルドはスカウトギルドより大きく、その規模を伺わせる。この世界での最高峰の魔法使いの一人が所属しているらしいしそれも納得だ。
ギルドの前にはトカゲが二足歩行しているような人が立っていてギルドに近づいてきた僕らを警戒した眼でジロッと睨んできた。身長が軽く二メートルはあるし、顔は厳ついしで中々の迫力がある。
「リザードマンだね。魔法使いギルドに所属してるなんて珍しいね」
「そうなの?」
「リザードマンは種族的に魔力がそこまで秀でてないから」
ウサリィと小声で話す。僕の(ゲーム知識での)イメージとあまり違いないようだ。
「誰だお前らは?ここは許可されてないと入れねえぞ」
「スカウトギルドから連絡が入ってませんか?」
「ん?.....ああ、そういえば。
ちょっと待てよ」
リザードマンは懐から紙を取り出し僕らを見ながら
「えーと妖精と、獣人の女の子....剣を持った地味で冴えなそうな男......」
「ちょ、それ書いたの誰!?」
「特徴に一致する三人組だな、よし通れ」
「よーし!行くよ~!」
「.......(ペコッ)」
「待って!それ誰から聞いたのか詳しく.....!!」
「クロミネ!早くしないと迷惑でしょ!」
「ぐっ.......!!ウサリィに言われるとは......!!」
釈然としない気持ちを抑えギルドへと入る。後でスカウトギルドへ抗議しに行こう....。
中に入るとそこは酒場のようで、様々な種族の人達が飲んだり食べたりしていた。一見、普通の酒場にも見えるが......
「(全員僕らが入ってきたと同時に然り気無く杖に手をかけたな.....)」
ということは全員、魔法使いということだ。しかし、依頼にやって来る人は普通にいるだろうに、さっきの門番の人と言い少々過敏すぎじゃないか?最近何かあったのか?
少し疑問に思いつつも酒場のカウンターに向かう。某狩り人ゲームとかと似たような感じだしたぶんこっちだろう。
ちなみにウサリィは初めて来る場所に好奇心丸出しな眼であちこちをキョロキョロと見回してたり、カノンは若干萎縮してるようだ、性格が出てるなーと思いながらカウンターに着くと、大人びた柔らかい雰囲気の女性がいた。女性は僕らに気づくと声をかけてくる。
「あら、いらっしゃい。連絡は受けてるわよ。えーとクロミネ君にウサリィちゃん、カノンちゃんね」
「はい。ここにクレアがいると聞いたんですが.....」
「ごめんなさいね。クレアちゃん今ちょっと出掛けてて......。すぐ戻ると思うから待っててもらっても良いかしら?」
「大丈夫です」
僕らはカウンターの席に座りクレアを待つことにした。黙って座ってるのも何なので、僕は水、ウサリィとカノンには果実ジュースを頼む。カノンは水で良いと遠慮していたが。
「あらあら、貴方若いのに随分と女の子の扱いを分かってるのねぇ。これが天然タラシって奴かしら」
「何のことですか......」
「うふふ、レンヤ君もこのぐらい気が利いてたらねえ」
クレアと一緒に渡った人の名前が出て、スカウトギルドを疑っていた訳ではないがこれで確信する、なら後は待つだけだ。
二人には注文通り果実ジュースが、僕には注文した水ではなく何故か紅茶が来た。
お姉さんを見るとウインクして
「格好良い男の子にサービスよ♪」
と言った。僕は「ありがとうございます」と言い紅茶をすすりつつ、若干ドキドキしている心臓を必死に抑える。今のは反則だろ.....。
「クロミネってロリコンじゃなかったんだ.....」
「......やっぱり大人の方が良いのかな......?」
「もしかして女の人だったら誰でも......」
カノンとウサリィが小声でこそこそ話してるが僕の耳にはばっちり聞こえてますよ二人とも。
気にしないようにしつつ、ギルドを眺めながらクレアを待ってるとお姉さんが
「ねえ、ちょうど私からも貴方に聞きたいことがあったのよね」
といきなり言い出した。あれ?この人とは初対面のはずだけど.....。
カノンとウサリィを見るも二人も特に心当たりないようだ。それはそうだ、この人とは今日ここで会ったばかり、僕らは特に目立った行動もしてない、はず.....いや、若干心当たりあるけど、そこまで名が知れてるって訳でもない。そんな僕らに聞きたいことって.....?
僕らが疑問に思っている間にもお姉さんはにこやかな顔のまま
「それはね.....何故私の邪魔をしたのか?ということだ」
「えっ......?ぐっ......!?」
突然変わった雰囲気を疑問に思う暇もなく、突然、体を重いものに巻きつけられたかのような感覚と共に一瞬意識が途切れ、次の瞬間には僕らは見知らぬ土地にいた。
「なあっ......!!?か、カノン!?ウサリィ!?」
「い、いるよ~。何なの今の.....」
「ううっ.....あ、頭がふらふらします.....」
カノンとウサリィも無事なようだ。そのことに一先ず安堵しつつも前を向くと---僕は絶句した。
そこには----炎のように真っ赤な長い髪をたなびかせ、神々しい鎧に身を包んだ....そう、この世界の神、レンテがいた。
レンテは厳しい顔で僕を睨み付ける。
「どうした?私の問いに答えないか?何故私の邪魔をした」
邪魔をした.....?な、何のことだろう。それに今の女の人は?ギルドは?
色々と聞きたいことがあるが何故かレンテは見ただけで分かる、物凄く怒っている。そんな悠長なことを聞いている場合ではなさそうだ。
「じゃ、邪魔って.....何のことですか」
「とぼけるな。貴様らは私が作った神殿に行き、そこのガーディアンを倒し私の計画を邪魔しただろう」
神殿、と聞いて真っ先に思い浮かんだのは、あの龍魔法対策が施されていた石像があった場所だ。
「アレは.....貴女が.....?」
「そうだ。本来はクレアに挑ませるつもりだったのだが.....まったく......私の楽しみを邪魔するとはその命、焼き尽くしても足りぬ罪と知れ!」
ゴウッ!!!とレンテから凄まじい熱量の炎が撒き散らされる。攻撃ではない、ただ、レンテの炎が感情により高ぶり活性化しているだけだ。だが.....ただ、それだけの炎でさえ高ランク竜のブレスにさえ匹敵する熱量をひしひしと感じる。後ろにいるカノンとウサリィが震えながらお互いに抱き合っている。無理もない、この世界で最強の存在とも言える存在が怒り剥き出しで荒れ狂ってるのだ。かくいう僕もさっきから恐怖を抑えるので必死だ。
何だ....何でこんなに怒ってるんだ?あの石像とクレアに何の関係が......まさか。
「もしかして......修行、なんですか?クレアをこの世界に飛ばしたのも、能力を封印してアイテムを集めるように言ったのも....クレアの神としての修行なんですか?」
「........」
「それなら邪魔したことは謝ります!協力できることなら協力もします!だから.....」
レンテは......僕の言葉に顔を向け
「修行?なんだそれは?」
「え?」
何を言っているのか分からない、という顔で僕の予想を否定した。
ち、違うのか.....龍魔法対策をした石像と戦わせるのとか、性格的にそういうことだと思ったのだが......。
「で、では、クレアをこの世界に飛ばしたり、能力を封印したり、そのアイテムを探し回らせてるのはいったい何故.....?」
「ふん、答える義理はない.....が貴様がいかに私の崇高な目的を邪魔したのか、それを分からせねばなるまい」
レンテは一呼吸置き
「良いか。私はな......クレアが好きなんだ」
.........................................は?
何を言われたのか理解できず思わずカノンとウサリィを見る。
カノンとウサリィはぶんぶんと首を振る。いや、分からないよね?
しかし、レンテは熱を帯びた口調で
「そう、あいつはとても可愛らしい。初めて私の元へ挨拶に来た時も緊張と私がわざと剣呑な雰囲気を放っていたから泣きそうな顔でな、噛み噛みで“よろしくお願いします”を言い終わるまで実に36秒かかり、その後は土産を渡して4秒で逃げ帰った」
時間まで覚えてる!?
「私はな、あいつがおろおろしてたり泣きそうな顔をしていると凄く......ぞくぞくするんだ。ああ、もっと苛めたい......とな。
異世界に飛ばしたのも能力を封印したのもそう!あいつが困るのを見て楽しむためだ」
「変態だあああああああ!?」
そんな理由!?そんな理由でクレアを異世界に飛ばして能力封印してあちこち探し回らせてるの!?
僕は心底クレアに同情した。
「それを貴様は......!!苦労して倒した石像から出てきた写真が自分の過去の恥ずかしい写真----それを見てのあいつの反応を想像しながら私の楽しみにしていた瞬間を奪ったのだ!!わざわざ過去を司る神に頼んで撮ってきたのに何故貴様が恥ずかしがる姿を見なければならん!!」
「知らねえよそんなこと!?」
思わず昔の口調に戻ってしまった。だがそれも致し方ない、未だかつてこれほどくだらない理由であんなことをする神(人)がいただろうか?
カノンとウサリィはもう理解が追いついてない様子だ、二人は完全に巻き込まれた形になる.....本当に申し訳ない.......。
レンテはと言うと話していて怒りが更にこみ上げてきたのか
「貴様は邪魔だ......この世界から消してやる.....。
もちろん、私の楽しみを奪った罪をたっぷりと教えてからな!」
レンテは燃え盛る剣を召喚し右手に掴む。神なんてのは大体自分勝手で我儘なものだがこの人はその中でもとびきりそうらしい。
だが理由がふざけているにしろ何にしろ......この人は紛れもない神だ、そんな存在が怒りのまま襲いかかってくるというのは冗談ではなく現実だ。
「カノン、ウサリィ!できる限り離れて.....!!」
「ふん、私の目的は貴様だ。
私の世界の住人を傷つけるわけないだろう」
レンテはパチンと指を鳴らした。すると地面から炎が巻き上がりカノンとウサリィを包み込んだ。
「か、カノン!ウサリィ!!」
「だ、大丈夫!」
「私も.....何ともないです!」
「騒ぐな、私の炎で膜を作っただけだ。私の炎と同じだからな、私の炎が当たっても吸収されるだけ、あの二人に害に及ぼすことはない。私の目的は.....貴様だけだ!」
レンテが炎の剣を振るう、ただそれだけで目の前が龍のブレスにも匹敵する高温の炎で埋め尽くされその炎は僕を焼かんと迫る。
「.....っ!!風龍の加護よ!!」
俺は素早く龍魔法を発動、炎の射程から逃れる。
相手は神、しかも神の中でも武闘派で知られる存在、出し惜しみをしている場合ではない.....いかに理由がくだらないとはいえ。
炎の射程から逃れた俺にさらにレンテは炎の剣を振りかぶる。
「燃やせ!イグニス!」
「盾龍の加護よ!」
炎の剣から放たれた炎を咄嗟に魔法の盾で受け止めるが
「ぐっ.....!?受け止めきれないだと.....!?」
龍魔法を持ってしても防御できず、炎の勢いが弱まった隙に地面を蹴って空中へと逃れる。
「我が荒れ狂う炎を食らうが良い。
エンシェントフレイムストーム」
レンテが呟くと同時、レンテの周りを荒れ狂っていた炎が巨大な竜巻となって空中で身動きのできない俺に迫る。
「クロミネ!逃げてーーーー!!」
「クロミネさん......!!」
こちらの様子が見えているのか、ウサリィとカノンが叫ぶ。しかし、炎の竜巻は身動きのできない俺を呑み込み----
「---龍装騎兵!
盾龍の加護よ!斬龍の加護よ!」
---刹那、俺は腕を龍の腕と化し強化をかけ爪を振るい、炎の竜巻を斬り裂いた。
「ほう、自らの体の一部を龍へと変化させたのか。それに.....見えるぞ、さっきより貴様の中の龍の血が活性化している。ただ、力が強くなっただけではあるまい?」
「......答える義理はねえ!」
流石は神と言うべきか、この状態になった俺を見てもまったく怯むことはなく冷静に分析している。
「風龍の加護よ!雷龍の加護よ!暴龍の加護よ!」
剣に雷を纏わせながら眼にも止まらぬ早さで接近、龍魔法で強化した龍の腕で剣を振るいレンテを斬りつけようとするが
ギインッ!!
レンテは苦もなく片手で受け止め、さらに涼しい顔で押し返し始めた。
「どうした?その程度か?」
「くそっ.....!!どんだけ化け物だよあんた.......!!」
「貴様も相当な修羅場を潜ってきたようだが、私は---神だからな。
エンシェントフレイムバースト」
「---っ!!爆龍の息吹よ!」
ドガアアンッ!!とレンテをも巻き込み爆発が俺を襲う。俺は咄嗟に自ら爆発魔法を使い吹き飛び、完全に巻き込まれる前に回避する。地面を転がり衝撃を殺す俺をレンテは何事もなかったかのように佇みながら捉え
「イグニス、罪人を射抜け」
そう呟くと剣の形をしていた炎が弓へと変わる。
そしてレンテは弓を引き絞り
「これはかわせるか?」
放つ。その瞬間、炎の矢が幾千もの数放たれ、吹き飛ばされた衝撃からまだ立ち直ってない俺へ殺到する。
「ぐっ....うおおおおおおおおっ!!!龍装騎兵!!」
俺はもう片方の手を龍の腕へと変化させ、剣を持ってない方の手で地面に突き刺し勢いを殺す。
間髪入れず立ち上がり
「迅龍の加護よ!剣龍の加護よ!」
体と剣にそれぞれ龍魔法で強化をかけ、迫る炎の矢を次々と打ち落とし、逸らし、叩き斬っていく。
「ほう、凌いだか。だが....これはどうだ!」
レンテは弓を今度は杖へと変化させ、炎を収束、発射する。
巨大な火球は迎撃直後で身動きのできない俺を焼き尽くさんと迫る。龍魔法の迎撃も防御も間に合わない----!!
「---時龍の権能よ!」
「なに.....?」
レンテは初めて驚いたように少し眉を動かした。俺は絶対に間に合わないはずのタイミングで、まるでビデオの早送りのように一瞬で体勢を整え火球を斬り裂いた。
「はあ.....はあ......」
「貴様が扱える龍魔法はせいぜい攻撃か強化ぐらいだと思っていたが......まさか龍の権能まで使えるとはな」
「これでも....まだ.....成長して.....ますから」
「ふん、だが......」
ヒュッ
レンテは炎を短剣にして飛ばしてきた。
俺は避けることもできずに短剣が肩に突き刺さり、さらに短剣がジュウッ!!と刺さった場所から傷口を焼いた。
「ぐああああっ!!」
「この程度の攻撃も避けられないぐらいに消耗しているな。
そろそろ終わりにしてやろう。イグニス」
「くっ.....!!風龍の---」
レンテは再び炎の剣を出すとゆっくりと俺の方へ近づいてくる。
俺は肩を焼かれながらも動かない体に鞭打って逃げようとするが
「逃がさん」
レンテが俺に手を突き出すと炎の鎖が全身に巻きつき俺の動きを封じる。それだけではなく巻きついた鎖は短剣と同じようにジュウッ!と触れた箇所を焼いていく。
「ぐっ......あっ......!」
「叫び声すら出ないか。神に逆らった愚かな所業を少しは悔いたか?」
昔.....同じような台詞を聞いたことがあるな....あの時もこんな絶望的な状況だったっけ.....と薄れゆく意識の中、思いながらも僕は笑みを作る。他人からは口元が少し動いただけに見えただろうが。
「.....生憎.......僕は.....神と名乗る奴に.......逆らうのが好きでね......」
「....ふん。龍の力さえ使えなくなってよく吠えるものだ。
せめてもの慈悲、苦しまないよう一瞬で焼き尽くしてやる」
レンテが炎を剣に集め始める。アレが放たれれば宣言通り僕は一瞬で焼き尽くされ苦しみを感じることもないだろう。
「クロミネ!クロミネぇ!!」
「クロミネさん!!逃げて.....!!逃げてください.....!!」
ウサリィとカノンが必死になって叫んでいる。
二人には本当に僕に付き合わせて大変なことに巻き込んでしまった。だが、レンテは二人は傷つけるつもりはない、と言っていた、だから.....不思議と心残りはない。
あるとすれば.......
「皆......ミラ......千歳......ごめん.....。もう.....帰れそうにない.....」
「燃えろ」
レンテが炎を放つ。燃え盛る炎は僕の身を焼き尽くさんと荒々しく猛りながら徐々に迫る。僕はそれを身動きもできず、肩に刺さった短剣と身を縛る鎖に焼かれながら見ることしかできなかった。
「クロミネぇ!!」
「クロミネさん!!」
ウサリィとカノンの叫びをかき消すように----僕の身は炎に包まれた。
------END------




