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くじ引き転生  作者: ブラックシュミット
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本当に長らくお待たせしました



吸血鬼レフとの突然の再会から始まった色々なごたごたも一段落し、柔らかな日差しが差し込む気持ちの良い昼下がり。

「クソッタレ!こんな少ないヒントで分かるわけないだろがああ!」

俺は薄暗いアダザーナの図書館でそんな悲痛な叫びをあげていた。

「連夜~…………私もう疲れました…………」

俺と同じく本を読んでいたクレアもそう呟いて机に突っ伏す、かれこれ二時間は面白くもない本を読んでいたのでこうなるのも仕方ない。

レフからあんまり役に立たないヒントを貰い数日後、俺たちは少ないヒントを頼りにギルドを回ったり、こうして図書館に通って写真に書いてあったヒントに該当する場所を探していたりしていたのだが………この世界に対する知識もない上にこれだけのヒントで分かるわけもなく、毎日数時間本を読んでは頭を抱えつつ帰るという日々を繰り返していた。

「おい、うるせえぞ」

「あ、す、すみません……」

思わず声を出したせいで本を読んでいた他の人から注意されてしまい慌てて謝る。

くそ…………アルティア達に頼めれば楽なのだが、理由を訪ねられては上手く言い訳できる気もしないし、かといって明らかにこの世界でない風景が写っているあの写真を見せるわけにもいかない。普通の紙か何かにでも書いててくれればまだ見せやすいものを…………まさか、これもあの神様の嫌がらせなのか?

「ふわぁ…………のうレンヤ、余はそろそろ飽きてきたぞ。

良いのか?このまま放っておけば余はとんでもないことをするぞ?本当に良いのか?」

俺たちが本にかかりきりで相手をしていないからか、物騒なことを口走り始めたレフが外へ出ようと俺の服を引っ張っている。

俺は無駄とは思いつつも暇をもて余してらっしゃる吸血鬼様に伺ってみる。

「暇なら手伝って下さると早くお相手できるのですが?

というか、お前ならどこのことを指してるか分かってるんじゃないか?」

「ふうむ、残念じゃが余は人間の街や伝承等には興味ないしのう」

それはそれは、使えねえ………。

「そもそもお主が勇気を出してあ奴等に本当のことを話せば良かろう?」

「ぐっ…………お前は吸血鬼だから分からないかもしれんがな、自分は実は異世界から来ました、なんて言う人間は世間一般じゃ良くて“変人”か“頭のおかしい奴”だって思われるんだぞ?

そもそも信じてもらえるか…………」

アルティア達の様子を見る限り「異世界人は殺すべし!慈悲はない!」的なことにはならなさそうだが、頭のおかしい奴扱いされる可能性は十分ある。

それにアルティア達が気にしなくても周りは違うかもしれない、国から来た偉い人に捕まったり、下手すると怪しげな研究の実験体にされる可能性もあるし………と、もちろんレフは知る由もないのだがラノベでありがちな展開を思い浮かべる俺。

そんな俺をレフはどうでも良さそうな顔で見ていたが

「ふむ、それはそれとして余は暇じゃ。

このまま余の相手をしないと言うなら………そうじゃの、適当にそこら辺の奴でも捕まえて血を吸うとしようかの~」

「おまっ!?洒落にならんぞそれはっ!?」

本格的に物騒なことを口走ったレフを止めようと慌てて怒鳴りながら立ち上がると

「洒落にならんのはてめえらだこらあ!!出てけ!!」

「あっ、ちょ、ちが、今のはこいつが………!!」

「ちょ!?何で私まで追い出されるのですかっ!?」

ついに近くにいた人がキレて、俺とクレアは揃って図書館から追い出されてしまった。

「ふふふ…………こうなっては仕方あるまい。

さあ、余の相手をするが良い」

「お前…………!!」

流石の俺もこれには思わずレフに怒鳴ろうとするが

「ふふ、まあそういきり立つな。

あれ以上あそこで探していてもお主らの探している物は見つられんぞ?時間の無駄じゃ」

俺の怒りなど微塵も気にしていないレフが呟いた言葉に思わず聞き返す。

「時間の無駄じゃ………って、やっぱりお前、知ってるんじゃないか!」

「落ち着け、余はその場所のことは知らん。

じゃが一つだけ言っておくがあそこにはお主らの求める情報はないぞ?じゃから無駄だと言ったのじゃ」

「??クレア、この吸血幼女何言ってるのかさっぱり分からないんだが」

「むっ、無礼な奴め。

余はこれでも人間どもより遥かに長生きなのじゃぞ?」

「見た目がお子様だから良いんだよ。

で、どういう意味なんだ?さっきのは」

「なに、このままではお主らが相手してくれんのでな。ちょいとサーチ魔法をかけて調べてみたのじゃ。

余はこういう魔法は苦手なのでな、大まかにしか分からなかったがお主らの求める情報はなかったぞ」

レフのその言葉を聞いてあそこで何日も通ってたのが無駄だったと知って徒労感に襲われると同時ふと疑問に思い尋ねる。

「ちなみにそれいつから分かってたんだ?」

「お主らがあそこに通い始めて最初の日じゃ」

「うおい!?じゃあお前は俺らが無駄なことを知ってて黙ってたのか!?教えてくれよ!」

「くく、それじゃそれ。その顔が見たかったから暇ではあったが黙っておったのじゃ。

これで余の我慢も報われるというものよ」

「俺たちの努力は報われてないんですが!?」

俺の抗議の声にもレフは笑うだけで特に気にした様子もない。

そんなレフをを見てそういえば元々俺についてきてるのも“面白そうだから”という理由だったのを思い出す。しかもどうもこいつは、俺が持ち前の運の悪さで次々と困った出来事になる様子を見て楽しんでいるみたいなのだ。

こいつに怒っても無駄か………それにあんまり言ってこいつが機嫌を損ねたら俺なんて蚊の如く殺されるかもしれないから下手に文句言うのも怖い。

「はあ…………行くぞクレア。

ここは追い出されたしもう疲れたしギルドに帰って寝よう」

「そうですね、そろそろお昼ご飯ですしアルティアさん達を誘ってご飯にしましょう」

クレアがそう言うとレフもふと思いついたかのような顔で

「余も腹は減らんが久々に血を吸いたいのー。滅多に吸えない神龍の血とか…………ちらっ」

などとクレアを物欲しそうな目で見始めたため、以前の苦い記憶が甦ったのかクレアが怯え始める。

「れ、連夜!は、早く行きましょう!今すぐに!」

「わ、分かったから引っ張んな!あとレフ、無駄にクレアをビビらせんな!面倒くさいから!」

ビビって俺を盾にしつつぐいぐい引っ張るクレアを落ち着かせ、そんなクレアをニヤニヤと笑いながら見ているレフを叱りつつギルドに向かって歩く。…………何で俺は父親のようなことを自分より遥かに歳上で格上の相手に言ってるんだろうな、あ、何かさらに疲れが増した気がする。

まあ良い、それは今更だ、それはそれとして確かにそろそろ昼時だな、アルティアは仕事が一段落したのか、ギルドにいる時間も増えたし、ミリィも毎日ぼーと過ごしているだけだからいるだろう、レイアも修行をしているが、ご飯時にはクレアと会うために必ず帰ってくるので全員恐らくいることになる、ついでに門番でいるはずだからガルネシアさんもいたら誘っても良いかもしれない…………アルティア、レイア、ガルネシアさんがいれば誰かは奢ってくれるだろうし……………何故か俺の金は貯めてても何かしらの理由で消えるからな、奢ってもらえるに越したことはない、それにタダ飯より美味いものはないしな。

そんなことを考えながらギルドに戻ると珍しくガルネシアさんがいなかった。いつもは門番として立ってはいるがガルネシアさんもギルドのトップクラスの戦士だ、何か依頼でも入ったのだろうか。

ギルドに入ると予想通りアルティア、ミリィ、レイア三人ともいた、アルティアとレイアは俺と入ってきたレフを見ると警戒するように顔を少し険しくする。

うーん、いい加減打ち解けて…………とはいかないか、一度「血を吸いたいから」とかいう理由で襲われてるしな………まあ俺は「いらないから殺す」とかいう理由で殺されそうになったけどな。

その点ミリィはレフとも臆せず接してる………というか、いつもぼーとしていて何も考えず接してるようにも見える、大物なのかただ単にマイペースなのかこいつについては判断しづらい。

レフに警戒心を抱いてる二人はとりあえず無視して空いている席に座る、それにこれでも最初に比べればマシになった方だ、レフが約束通り何もしないならその内打ち解けていくだろう………たぶん。

クレアも座り、ちょうどレフとアルティア達の間になった、意識したのか分からんがとりあえず良い位置だ、流石にまだ隣同士は気まずいだろう。

「さ、さあて、腹も減ったしそろそろ何か食おうぜ」

「………そうね、今日は何にしようかしら」

「私は午後からも修行をする予定だからな、ボリュームのある物を食べて備えるとしよう」

「…………さっぱりした物を食べる」

「私はこれとこれと…………」

「おい、お前は二品だけだ、ほっといたら全部頼むだろ」

「ええっ!?そんなぁ…………」

「ふふ、何なら余が代わりに払っても良いぞ?その代わり、少しだけ血をーー」

「確かに食べ過ぎは良くないですね!二品で我慢します!」

「クク、残念じゃ」

「つーかお前金持ってんの?」

「ああ、人間どもをちょいと脅して、な」

「「なっ…………!!」」

レフの言葉に顔をさらに険しくし立ち上がったアルティアとレイアを笑いながら見てレフは一言。

「冗談じゃ」

「「………………」」

「クク、そう怖い顔をするでない。

この金はここの領主………いや、今は代理じゃったか、が約束を守る代わりにと渡してくれるものじゃ、ほれ、証拠もあるぞ」

レフは一枚の紙を取り出して見せる、そこには領主代理………あのバカ息子の名前と、約束を守る限りこの街での生活を保障する、という内容が書かれてあった。

というかあのバカ息子の名前、サミールっていうのか…………初めて知ったわ。

俺がどうでも良いことに驚いてるとアルティアとレイアは何とか気持ちを落ち着かせて席に座ったようだ…………まあ、レフを睨みつつではあるが。

「おい、あまり波風立てるようなことするなよ…………」

「フフ、いやなに、ちょっとしたジョークというやつじゃ、人間は仲の良い者同士じゃとよくジョークを言い合ったりするのじゃろう?」

「お前のさっきの言葉はジョークじゃ済まねえぞ………」

「ふむ、そうなのか?

なら次は気を付けるとしよう」

「それ以前にあなたと仲良くなった覚えはないわよ」

「嫌われたものじゃのう、余は欲望に忠実なだけで吸血鬼としては割りと人間は好きじゃぞ?お主等を襲った時ぐらいしか人間に襲いかかってないしの」

「え?そう、なの………?」

その言葉はアルティア達も驚きだったのか険しい顔を少し和らげ驚きの表情を浮かべている。

「うむ、そもそも余は生きるだけなら吸血する必要はないしの。

まあ大きな力を使ったりすると必要になるが、余がそこまでの力を使う相手はそうおらん。そもそもあそこに済む前は人の街から遠く離れた余の城に住んでいたしの」

と、そこでレフは一度言葉を切り

「それに余は誇り高き伯爵家、ここにいる奴等のようなそこらの一般人の血を吸って何とする、余に相応しい血というのはそれ相応の」

「ちょ、レフさん?そこらの一般人の方達が凄い目で睨み付けてるのでその辺に………」

ギルドの方達のそこらの一般人様達が睨みつけてくるので俺が止めるとレフは今気づいたかのように「む、そうか」と一旦言葉を切り

「まあともかくじゃ、余は人間の血は吸っておらんし、これからも目をつけた者以外は吸う気はない、あ、お主等が吸わせてくれるというならいつでも歓迎じゃがーー」

「断るわ」

「断る」

「………嫌」

「い、嫌です!いい、痛くはないですけど吸われてる間、むず痒いというか、体中がくすぐられてるというか………と、とにかく、あれは嫌です!恥ずかしいです!」

アルティア達は即答し、この中で唯一吸われたクレアは自分の体験談も交えて拒否する。

俺はというと、クレアのその言葉で、あの時のクレアの普段からは想像できないその、何というか、端的に言ってエロい声を思い出し、それを周りに悟られないように無表情を装う。

………いや、耳と目は塞ぐとは言ったけどさ、あんな声聞こえてきたら男として聞きたくなるだろ?普段はあんなでもクレアは見た目はめちゃくちゃ可愛いんだからさ、だからこれはしょうがないんだようん。

などと誰に言ってるのか分からない言い訳をしていると、クレアが「…………連夜から何かいやらしい視線を感じます」と俺を睨みながら呟き、それを聞いたレイアが刀の柄に手を伸ばし「斬りましょうか?」と低い声で言ったため俺は慌てて

「そ、それよりほら、何にするか決まったか?なら注文しようぜ。すみません、注文お願いします!」と店員を呼び皆を促した、店員を呼べば注文せざるを得ないからな。

俺の目論み通り皆が注文をし始めたため、レイアも殺気を一先ず収め注文するーー「後でギルド裏だな」とか怖いことをぼそっと呟かれたがーークレアは飯を前にして忘れたのか、それ以上は言わず注文を済ませる。

事の発端のレフはというと血が欲しい、というのはいつものようにあまり本気でもなかったのか、しれっと「なら余はアサルトホーンのステーキでも頼もうかの、あ、レアでな」と注文するのだった………なら最初からそうしとけよと俺が睨むもレフはというとそんな俺を見て楽しそうに笑ってやがるのだった。

ーーーーーーーーーーーーー



各々頼んだ料理をつつきながら適当に雑談する。

「そういえばアルティア、依頼の方は落ち着いたのか?」

「ええ、大体の指名依頼は終わらせたわ。

全く、次から次へと頼んでくるんだから」

アルティアはそう愚痴るが、嫌なら断っても良いはずなのに律儀に全部こなしてるのは何だかんだでアルティアの性格というか、困ってる人を放っておけない性質なのだろう、初対面の俺たちも理由も聞かずに助けてくれたしな、アルティアが助けてくれなければこうして飯を食ってることもできなかったどころか、俺とクレアがモンスターの飯になってたかもしれないし。

まあそれを言うと照れ隠しに魔法撃たれるかもしれないので黙っとくが。優しいのは優しいんだがすぐに魔法を出すところは何とかして欲しい、しかも俺限定で。

ともあれ、アルティアもいつも通り暇になると言うことだ、機嫌が良かったら俺の金稼ぎに付き合ってもらおう、手持ちは少なくないが何せ、俺とクレアだけじゃ依頼を受けられないからな(戦力的に)。

そんなことを考えてるとレイアがクレアの方を見ながら

「たまにはクレア殿も私と一緒に依頼に行ってみませんか?

クレア殿の武を近くで見たいです」

「むぐっ!?」

と、突然言ったものだから、クレアが食べていた物を詰まらせる。

「く、クレア殿!?」

「ちょ、大丈夫クレアちゃん!?」

レイアが慌て、アルティアが魔法をかけるとクレアはげほごほ言いながらも何とか死なずに済んだようだ。

「申し訳ありません!私のせいで!かくなる上は自刃してお詫びを……………!!」

「い、いえ、大丈夫です!ちょっとビックリしただけですから!」

と、レイアを止めつつクレアは冷や汗をかきながら俺をチラッと見る。

俺も内心(ついに来たかこの時が…………!!)とだらだら冷や汗をかきつつ必死にうまい言い訳を探していた。

レイアはクレアが単身龍退治したものと思い込んでいて、自分でも倒せなかった龍を倒したクレアを心底尊敬している。

だが実際は神龍であるクレアに龍の方が身を引いてくれたというのが真相で、こいつは元はどうか知らないが、今は俺と似たり寄ったりのステータスしかない、当然、戦いなどできない。

戦ったら当然そのことがバレるので、今まで何だかんだ言い訳を考えつつクレアが戦えないことを隠してきたのだが…………。

最初はともかく、今はレイアは騙されたからといってクレアや俺に害をなすような性格ではないと思っているが、尊敬していたクレアが実はただの雑魚だと知ったら………こいつの場合、クレアへの異常な崇拝ぶりを見ると自殺でもするんじゃないかと思って、今度は逆の意味で心配になる。

というわけでクレアを戦いの場に出すわけにはいかない俺は何とか上手い言い訳を考えてみる。

「そ、そうだクレア!お前この前欲しいのがあるとか言ってたよな!今日は暇だから付き合ってやるぞ!」

「ほ、本当ですか!わ、わー、助かります!ちょうど欲しいものがあったんですよ!」

そんな俺とクレアをレイアは厳しい視線で見つめ、アルティアは怪訝な顔をしている。

「クレア殿…………何か買いたいものがあるならば依頼後にでも私が持ちましょう、そこの男よりは何倍も役に立ちます。

それとも………私ではいけない理由でもあるのでしょうか?」

「そ、それは…………」

そこでチラッと俺を見るなよ!?意味ありげに見えるだろうが!

そして案の定というかレイアの視線が俺を向く。

「また貴様か…………どうも私とクレア殿を一緒にしたくないようだが何か理由でもあるのか?」

「い、いや?そ、そんなことはないぞ?」

「ならば今日はクレア殿は私と一緒に出る、ということで良いな?クレア殿、お手を煩わらせる代わりに今日は私が何でも言うことを聞きますのでどうか、一時お付き合いください」

「い、いえ、その、無理して私に付き合わなくても」

「無理などとんでもありません!むしろクレア殿の武を拝見でき、その後クレア殿と一緒に買い物ができるなどごほうーーいえ、とにかく私はむしろ歓迎ですとも!」

「あ、う………そ、そう言って頂けるのは嬉しいですけど…………」

ヤバイ、薄々レイアもおかしいと感じてきたのか、今日は頑なだ。これは俺が何かを言っても逆効果だろう。

助けを求めて周りを見回すも恐らく事情を知っているレフはニヤニヤしながらステーキをパクつき、唯一事情を明かしたミリィは助け船を出す様子もなく、食べてるのか寝てるのか分からない感じでぼーと黙々と食べ進めている。くっ………あんまり期待はしていなかったが援護は見込めないか………。

横で食べてるアルティアも「私も行こうかしら」等と呟いているしこの状況を覆すのは最早俺には………

そう絶望しかけた時

「あ、アルティア!レイアさんにクレアちゃんも!ちょうど良かったわ!」

「か、カティ?どうしたのそんなに慌てて………」

ギルドのナイスバディーの大人なお姉さん、カティさんが慌てた様子で駆け寄ってきた。

いつも落ち着いているカティさんがこんなに慌てている姿を見るのはこのギルドに入ってからあまり見たことがない。

そう前に見たのはちょうど龍騒ぎの時だったかな、今思うともうあれから結構経ったのかという気持ちとよく俺生きてたな、とあの時のことを思い出し今でも震えが来る。

カティさんは深呼吸を何回し、息を整えてから「これ、貴方達三人への指定依頼よ」

と言い依頼書を渡してきた。

アルティアが受け取り、レイアとクレアも依頼書を確認すると三人とも目が驚愕に見開いた。

三人の反応から尋常ではない事態を察した俺はカティさんに「何があったんですか?」と尋ねる。

カティさんは「これはまだ機密事項だから他の人には話さないでね」と前置きした上で周りに聞こえないよう声を絞って依頼の内容を話す。

「ここから近い街なんだけどそこの近くの森に龍が確認されたわ。

それだけなら良かったんだけど、先日、街に物資を運んでいた商隊が襲われてほとんど壊滅、死者はいなかったそうだけど、物資のほとんどが龍に奪われたわ。

街から救援要請を受けた国から、一番近くにあるアダザーナから龍に対抗し得る戦力保有するギルドへの特別依頼が出されたの」

「それってまさか……………」

俺の言葉に頷きながらアルティアが真剣な表情で続ける、その顔はこれが冗談などの類いではないことを雄弁に語っていた。

「つまり………二回目の龍退治ということよ」

ーーーーENDーーーー

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