第1話05
「はぁ・・・」
咄嗟に飛び出したものの何も持ってきていない。
あるとすればポケットに入ってた1000円札。
おまけに裸足のまま靴を履いて出てきたため足が痛い。
しかし家に帰る、というのも嫌だった。
あんな顔見せられてはかける言葉がない。
「俺の馬鹿・・・」
そう言ってとりあえず追ってこないように少しでも家を離れよう
そう思いながら雅鷹は歩いて行った。
只今の時刻”19時23分"
例の時刻まであと2分28秒。
もちろん”AMDTM”の言葉を信じてるわけではない。
ただ気になるのだ。
『まだそちらでは19時44分ではないのですね』
まるで雅鷹が19時44分には何か、どうしてもかなえたい願い事があるような・・・
そんなことを考えながら歩いてると、
遂にその時刻はやってきた。
”19時25分20秒”
あと22秒で例の時刻になる。
半ばドキドキしながら時計を見つめる。
あと3・・・2・・・1・・・・。
”19時25分44秒”
周りで騒いでる気配は何もない。
町はいつものにぎやかな雰囲気
なにも起こっていなかった。
「なんだよ~やっぱりな!」
肩の荷が下りたようにホッと一安心した。
それと同時に不思議と鷹尋に謝ろうとという気持ちが芽生えた。
そうだ、帰り際に鷹尋が好きな苺タルトでも買っていこう。
そして一緒に食べよう。
雅鷹はポケットの中の1000円札を握りしめて、ケーキ屋さんへ走り出した。




