第2話03
最後の項目を書き終えた後、
雅鷹は雨鼓にボールペンと一緒に
契約書を渡した。
雨鼓はそれをしっかり見て、よしっとうなずいた。
「OKですね。契約書に漏れはありません、が・・・
これはいいのですか?」
そう言って雨鼓は契約書を雅鷹に見せ、
”⑦願い事”の欄を指さした。
雅鷹の願い事・・・『鷹尋の命を救う』
「これでいいって・・・良いに決まってるだろ?」
「そうですか・・・」
雨鼓は驚いたようにもう一度契約書に目を通した。
「それじゃこの内容でよろしいですね?」
「良いって言ってるだろ」
雅鷹は少しムッとし、雨鼓を睨みあげた。
しかしそんな行為も雨鼓はさらりと流した。
「かしこまりました。それでは契約を開始します」
雨鼓はどこからか長い杖を取り出し、先端を雅鷹に向けた。
そして、口を開いた。
「志藤雅鷹。あなたは願いをかなえるために己を差し出すと誓うか」
「お・・・己!?」
「この契約は貴殿の命が滅びるまで存続する。これを受け入れるか」
「なっ・・・・」
雅鷹は突然のことに大きく動揺した。
己を差し出す、の意味がわからなかったからだ。
つまり自分の”自由”が失われる、ということなのか。
「今なら契約を破棄することができる。しかし、その場合ここからは出られなくなる」
簡単にいえば今、命を差し出して自由を失うか、
今、死ぬか。
そのどちらかでしかなかった。
「さぁ、選べ。志藤雅鷹」
だが、雅鷹に考える暇はなかった。
自分が選択すのは1つ。
「俺は、己を差し出して・・・鷹尋の命を救ってやる!!!」
その瞬間雅鷹に向けられていた杖の先端が光った。
あまりのまぶしさに目が開けられなかった。
「志藤雅鷹の契約を認証した。よってここに新たな使者が生まれた!」
使者・・・なんのことだ?
「貴殿は今宵から天の国からの使者となり、この地上にあふれている”悩”を救うのだ」
天の国・・・地上・・・”悩”・・・?
「”悩”を救った分だけ手紙を受け取れる。その手紙が集まった時、
貴殿の願いはかなうだろう」
手紙・・・それを集めれば・・・・
雅鷹は意識が遠くなり、何も考えることができなくなった。
『一体・・・俺はどうなるんだろう・・・』




