第1話09
雅鷹はその後ずっと泣き続けた。
気持ちが治まるまで2階にいてください
、と警官に言われ、
言われた通り自分の部屋のベットの上で泣いていた。
この家は立ち入り禁止になるので、
しばらく出なければならない。
泣きつかれた頃雅鷹は荷物の準備をし始めた。
バッグには何日分の服、いろんな私物。
それらをまとめていると、机の上の写真が目に入った。
無邪気に笑っていたあの頃。
もう1度戻れるなら・・・。
そう思わざるえなかった。
大体の荷物をまとめた頃、
雅鷹はしばらく使えなくなるのでパソコンを開いた。
いつものチャット室へ入室。
まだ誰も来ていない。
とりあえず跡を残しておくか、と
『しばらく私用で来れません。ご了承ください』
と打ち込んだ。
『AMDTMさんが入室されました』
この言葉が目に入ってきたのは今まさにパソコンを閉じようと思った時だった。
「!・・・コイツ」
『19時25分、大切な人がお亡くなりになられましたね」
「!」
『予言通りだったでしょう?』
雅鷹は悔しさを抑えきれなかった。
机をバンッと強くたたき、髪をくしゃくしゃに掻いた。
『何が言いたい?』
『願い事はないのですか?』
雅鷹の手が止まった。
昼間とまったく同じことを言ってる。
『願い事が貴方にはあるのでしょう?』
咄嗟に時計を見た。
”21時25分”
全てコイツの思い通りだとでも言うのか・・・。
雅鷹は力強くキーボードをたたいた。
『願えば必ずかなうのか?』
『あなたがそう望むのなら』
本音を言うと信じていたわけじゃない。
だけど、今この時はコイツの言うことを信じるほかなかった。
正に猫の手も借りたい、ということだった。
『願い事を打ち込んでください』
「・・・・・」
雅鷹は今度は静かに、ゆっくりと打ち込んだ
『”鷹尋の命を返して下さい”』
ゆっくり、重くエンターキーを押した。
写真の鷹尋のことを見ながら。
自分は何をやってるのだろう。
こんなことして叶うなんてバカげてる。
鷹尋がいなくなったショックで自分の頭もどうかしているのだ。
それでも会いたかった、
鷹尋に。
そして今度こそ、一緒に苺タルトを食べようと
雅鷹は願った、
その時だった。
―ブゥン―
突然パソコンの画面が暗くなった。
「な・・・どうしたんだ!?」
雅鷹はすぐに他の変化にも気がつき、窓の外を見た。
町じゅう灯りがない。
街灯も家の明かりも全て・・・
何一つついてなかった。
「ど・・・どういうことだよ、おい・・・」
雅鷹は怖くなって部屋のドアを勢いよく開けた。
しかし、本来あるはずの廊下はなく、
下には黒いモヤモヤしたものが渦を巻いていた。
雅鷹は部屋に戻り窓から出ようと思ったが、
窓がビクともしない。
鍵がかかってるわけでもない。
雅鷹は完全に部屋に閉じ込められてしまった。
第1話終了です。
次からやっと話が進みます。
感想お待ちしております。




