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現実逃避

それから通勤途中で、車が山田くんと遭遇するだけでも嬉しかった


春だったので桜を見に山田くんと、公園へ行く


私はお弁当を作って持ってきていた

料理人に手作りを渡すのは、緊張したが

山田くんに作り方を教えてもらったカニクリームコロッケに挑戦した


お弁当箱を開けて山田くんは、とても喜んでくれた

コロッケを食べて、「上手にできてるよ!美味しい」と、言ってくれた


ただのデートのつもり


でも会ってはいけない人



しんちゃんの誕生日が近づき

ダメだ!しんちゃんの為にちゃんとやろう!


そう思い友達を呼びケーキを準備し、しんちゃんが帰ったらクラッカーを鳴らす


おめでとう!!


しんちゃんは何も知らず、嬉しそうな顔で、ケーキの前でピースをし写真を撮った



台所の裏口から出て私はタバコを吸った


胸が苦しい


山田くんに会いたい


携帯を見ると山田くんから

ダイスキダヨ

メッセージが届いていた


当時は数字をカナに変換してメッセージを送っていた


「スナック行こう」としんちゃんは友達に言う

「マキちゃんも連れてかないのか?」

そう言われて「嫁連れてったら羽目はずせやんやろ」と言う

「私はいいよ!後片付けもあるし皆で行ってきて!」

早く一人になりたかった


しんちゃんといるのが苦痛になっていく

何とか理由をつけて、家から出たい

山田くんに少しでいいから会いたい


しんちゃんと一緒に布団に入り、足が当たるだけで

ゾッとして離れて寝る私になっていった

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