表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
27/329

浮気

しんちゃんはどんどん私への態度が、雑になっていた

尽くせば尽くす程当たり前になっていき

追えば追うほど離れていく気がした


こう言ってみた

「私の友達が、しんちゃんが他の女の子といるの見たって言ってたんだけど、浮気してるよね?」

「正直に言ってくれたら怒らないから」

言ってみただけだ。鎌をかけてみたのだ。

どんな反応するのかと思っただけだった


「ごめん」

しんちゃんは浮気を認めた


言葉に表せないほどの衝撃だった

「でも好きなのはお前だから」


しんちゃんは容姿がいいのでとにかくモテた

自分が彼女なんて自慢だった

デートでエスカレーターですれ違う女の子達が、言ってた

「見て!カッコいい!」

「でも見て。ブス連れてる」


ブス

私の事か

何とでも言えば?

しんちゃんは私だけの物だ!


しんちゃんの浮気のショックで、そればかり考えていた


仕事中、グラスに氷だけ入れておいてお客様が来たら水を注ぎ、出す。

お客様は誰もいない

スタッフは私1人


カウンターの中で立ってたら、グラスに入った氷が溶けて


カラン

と、音がした。


涙が溢れた


信じていた人の裏切りだった


私はご飯が食べれなくなった


座っている私に父が缶ビールを持ってきて、「マキちゃんほら」

と、言った

「いらんわ!!こんなもん!」

「誰が飲みたいって言った?お前だけで飲んどれ!」


自分の

部屋へ行った。

完全な八つ当たりだった


お父さんの悲しそうな顔は忘れられなかった

この頃にはもうお父さんは、手をあげることも無くなり

1人黙ってポツンと酒を飲むようになっていた


部屋でハサミを取り出し

腰まであった長い髪を、ジャキジャキ切り始めた


失恋すると髪を切る


そんなことが頭にあった

肩まで切った髪は不揃いで

美容院で治してもらわなければならないくらいの仕上がりだった


しんちゃんはその後色んな相手と浮気を繰り返すようになる


もともと初めて彼女ができた時から浮気しまくってた

そう話す

「お前だけだ。浮気せずに付き合ってたのは」

しんちゃんは、ただの興味本位

どんなんかな?って試したいだけ

浮気相手とは何回も会わないし、皆それっきりだ

それ以上しつこくされたら嫌になる


許せなくてしんちゃんに会うたび責め続けるようになっていく

「正直に話して!」その度にしんちゃんはそれ以上言わなくても言いようなことまで、正直に話す。

ラブホに行くお金が無かったから、その子とは車の中で…

車の中で??今座ってるここで?

「信じられない!気持ち悪い!もうおりる!おろして!」と騒いだこともあった。

怪しい電話番号を見つけたら、電話をかけ「私、彼女なんですけど、どういう関係ですか?」と次々に浮気相手に電話した

「お前が電話するせいでどんどんおらんくなってくわ」

そういうしんちゃん


モグラタタキか!!次から次へと!!

倒しても倒しても現れる


なんで?

あんなにしてあげたのに

私は一途に思ってきたのに


車に乗っている時だった

これ見よがしに髪を止めるバレッタとピアスが助手席に置いてあるのを見つけた


「これ何?誰を乗せたの?また女でしょ!」

そういうと、しんちゃんはバレッタを慌てて手に取り

「これ、母ちゃんの!」

そう言って運転席の窓からバレッタを放り投げた

髪の短いおばちゃんがバレッタなんてしてるの見たことない!

「おばちゃんのなら何で捨てたの?また浮気でしょ!」


しんちゃんに言われる

「もういい加減にしてくれ!」「嫌なら別れたらいいじゃないか!」


それでも好きだから別れることは出来なかった


私の事だけをみて欲しい

愛されたい

他の人にとられたくない


それから、またしんちゃんは女が出来たようだった。もう怪しいとか感が働くと大体分かる

その日も問い詰めた


その時は違った

「ヨウコのこと、本気なんだ」


「別れてくれ」


いつもと違う。本気だ

泣いて何とかしようとしたが

無理だった


帰り駐車場でしんちゃんが泣きじゃくっている私を抱き締めた

「付き合ってみてダメだったらお前に戻る。だから待っててくれる?」



しんちゃんと会えなくなった


泣いて泣いて


結婚しようって言ったのに

何で?

どうして私だけを見てくれないの?


会えなくなったそれから私は自分を変えようとする

貯め続けていた貯金も使い始める

もういいや


やったことのないスノーボードに誘われ、スポーツ店で板からウエアから、ブランドの良いものを買い揃えた


初めてのスノーボードは何度やっても上手くならないし

転んでばかりで体が痛い!

でも仲間が出来た

今まではしんちゃん以外の、男の人にはバリアをはり、接触は避けていたが

男友達も何人か出来た

「マキちゃん男の人紹介してあげる」

アッコちゃんについて飲みに行くことになった

自宅までアッコちゃんと彼氏、その友達が車で迎えにきてくれた


初めまして


挨拶して車に乗る


茶髪の爽やかな男の人が後部座席にいた


「あのさ…」

「もしかして楠本?」

「そうだよね!」

と言われた。

「そうだけど…」と答えると彼は言った

「俺だよ。俺!タケシ!」

「小学校の時転校したけど、マキちゃん隣の席だったよね?」

タケシ!?

何年ぶりかの再開に話が咲いた


迎えにくる途中でさー

あれ?この辺って昔俺住んでたとこじゃん!って思って!


タケシは転校先でヤンキーになったと噂があった

居酒屋でタケシは言った

「俺覚えてるよ!マキちゃんスッゴい絵が上手だったよね」

「隣の席で良く書いてるとこ見てたんだよ」


タケシとは数回会ったが、恋愛には発展しなかった


しんちゃんが忘れられなかった


しんちゃんの家の前まで行き

家にいるのか車はあるか見に行ったりした

店の窓から、ご飯を厨房で、よそいにきてるしんちゃんの姿が見えた

それだけで家に帰った


数日後、思い切ってしんちゃんに、電話をかけた

「明日家に行ってもいい?」

しんちゃんはいいよと言った


久しぶりにしんちゃんの部屋に行った

お互いの近況報告して

日常会話をしていたその時私は言った


「あのさ!私付き合ってって言われてる人がいるんだよね!」

タケシを思い出して言っていた

「その人に、しんちゃんの話したら、俺が大切にするって言ってくれててさ。まだ返事はしてないんだけど」

自分のプライドだったのかも知れない

するとしんちゃんは、突然土下座した

「悪かった!許してくれ!」

「ヨウコとは別れるから戻ってきて欲しい!頼む!」

必死になるしんちゃんを見て私の中で、何かが突き動かした

「だったら今すぐその女に目の前で電話せえよ!!」

こたつの台を蹴って怒鳴った

「待って、すぐ電話するから!ごめん」

しんちゃんは慌ててヨウコに電話した

「俺、やっぱりマキちゃんが好きだ。もう会えない、ごめん!」


仁王立ちする私の前で正座するしんちゃん



まさに立場逆転した日になった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ