結婚の約束
仕事が終わったら、しんちゃんの家に行ったり、しんちゃんが私の家に来て家族と一緒にご飯をたべたりを繰り返すようになった。
お兄ちゃんお姉ちゃんにも紹介して一緒にカラオケボックスに行った。
ある日2階の部屋にいた夜
騒ぎ声が聞こえた。
父が叫んでいるようで急いで降りていく。
玄関先にはしんちゃんがいた
父に怒鳴られていた
「こんな夜中になんやと思ってる!帰れ!」
まだ夜7時、父は酔っ払っていた
「やめて!」
わって入った私は父に殴られ揉み合いになる
頭にきてしんちゃんと家を出ようとするが、父は私を引っ張り、服が脱げ下着姿になる
「こんな家出てったるわ!!」
「しんちゃん行こう!」
服を来てそのまましんちゃんの車に乗り、ファミレスに入った。
お父さんがごめんね!
そう言い、いかに最低な父であるのか興奮して、私は話を聞いてもらっていた。
しんちゃんに言われた。
「それでも自分の大切な親だよ。」
食事をして家に送って貰った。
「これ」
渡されたのは金の三連リングだった
「一年後には結婚できたらいいね」
すごく嬉しかった
指輪なんて貰ったのも初めてだった
私はどんどんしんちゃんを好きになり、思い付く限り尽くすようになった。
色々な物をプレゼントしたりした
忘れられないのが、頑張って初めて手編みのセーターを編んだ事だ。
わからない所はお母さんに聞き、失敗したら治してもらい
完成した物だった
早速しんちゃんにプレゼントした
次にしんちゃんの家に行った時だった
「マキちゃんありがとうな!」
そう言ってしんちゃんにあげたセーターを着たおじちゃんがいた
2階へ行きしんちゃんに文句を言った。
「何でおじちゃんが着てるの!」
別に誰が着たっていいじゃないのか。と言われた
凄く嫌な気持ちになった
ガッカリした
気持ちを込めて編んだのに!
毎日しんちゃんに会いたい
「明日どうする?」
そう聞いた私にしんちゃんはこう答えた
「何で毎日会わなきゃならないの?」
「俺は友達とも遊びたいし、自分の時間も欲しい」
そう言われ、ずっと一緒にいるものだと思っていた私はショックだった
私は友達と遊びたい訳じゃない
仕事終わって家に帰って…
その時間が勿体無い!
やることがないくらいなら働こう!時間をお金に変えるんだ
結婚資金も貯めなくちゃ!
そう思って私は昼間はホテル
夜は居酒屋で働き始めた
今思えばもっとお母さんと過ごしてあげれば良かったと思うけど、その頃の私は家族の時間なんてどうでも良くなっていた
週4日はバイトにして、残りの日はしんちゃんと会おう。
そう思っていたのにしんちゃんは私が予定を開けた日も職場の人と飲みに行ったりして
突然当日キャンセルされることが多くなっていく
約束したのに!!
どんどん不満が溜まっていく
もういい
私も友達と遊ぼう!
私も仕事帰りに飲みに行ったりするようになっていく
居酒屋で貰った初めてのバイト代は、バイトの帰り、家に帰った皆寝静まった夜。台所のテーブルの上に置いて紙にこう書いた。
「お母さんへ」
「これあげる!お小遣い!」
東京ディズニーランドが出来たから皆で行くよ!マキも一緒に行こう
お母さんがそう言ったが私は大好きな人と行きたい!!と思っていたので、行かない!皆で行ってきてと断った。
しんちゃんと行くもん!
初めてのディズニーは大好きな人と!
そう思っていた
翌日ディズニーに出発する予定だったので、お母さんにバイト代全部あげることにしたのだった
後日とても嬉しそうに、母はミッキーマウスの大きなぬいぐるみを抱えて帰ってきた。
「ハイ!マキにおみやげ!」
「一緒に行けばよかったのに」
そう言っていた
本当は結婚資金に貯金するつもりだったけど、喜んでくれて良かった。
「ねえねえ!しんちゃん、ディズニーランド行こうよ」
そう誘ったが「遠いし行きたくない」と断られた。
ガッカリした。
デートの行き先はいつも私が予定して、決める。
年に一度は温泉旅行に行きたい
計画して色々な所へ行った
しんちゃんは出不精でいつも家で寝てテレビを見たいと言っていた。
どっか行こうよ!つまんないよー
いっぱい思い出作らなきゃ!
しんちゃんの写真もいっぱい撮っていた
何となく沢山残しておかなければならない気がしていた。
一年もとうに過ぎていた。いつプロポーズしてくれるんだろうと私は、期待していつも待っていた
しんちゃんは何も言ってくれない
2年たち、私は言った
「一年後に結婚しようって言ったよね」
「いつなの?」
しんちゃんを自分だけの物にしたい!
会うたび結婚を急かし、その度にしんちゃんはうんざりした顔をしていた
早く幸せになりたい!
しんちゃんの寝顔を、間近で見ていた
まつげ長いなー
何て綺麗な顔してるんだろう
私の誕生日は祝ってくれたことがなかった
私はいつもプレゼントにケーキを用意して会いに行くのに何もしてくれない!
「もうすぐ私誕生日なんだよねー」
そう言うとしんちゃんは言った。
「任せとけ!泣くほどのプレゼント用意してやるから」
ホント?!飛び上がるほど嬉しかった
私はサプライズが大好き
自分がいつも皆にしている分自分へのサプライズを期待した
その日私は美味しいもの食べに連れてってくれるという約束を、胸いっぱいに期待して家で朝から何もたべずに待っていた
しんちゃん遅いな
まだかな、お腹ペコペコだよ…
残業かなぁ
何か食べたいな…
でもダメ!折角なのに待ってなきゃ
まだ携帯電話というものが無い時代だった
こちらからは連絡が取れない
そこへ自宅に電話があった
しんちゃんからだった
「悪いけど先輩と飲んでて行けない」しんちゃんはいつも友達を優先する人だった
凄い腹がたった。今日くらい断ってくれてもいいのに!
「何で?先輩なんかいつでも飲めるやん!約束したでしょ!」
そう言うとしんちゃんは言った
「誕生日なんか来年もあるやないか」
電話を切られた
凄く楽しみにしてたのに!
「お母さん!お腹すいたよ、ご飯ある?」そう聞くと
「あんた、今日は食べないって言ったから何も残ってないよ」
と答えた。
「出かけるんじゃなかったの?お洒落までして」
と、お母さんに言われ
「もういい!」そう言って自分の部屋へ行った
泣くほどのプレゼントってこれ?
本当に泣かせてくれたわ!
そう思った




