入学式
小学校に上がる前、さっちゃんは「たったん、小学生になれないかもしれない」と、悩んでいたことがあった
大丈夫。絶対なれる
事前に児相の担当者と、学校へ行き里親家庭であること。
お金が発生することがあれば証明書を出して貰わなければならないこと。
本名ではなく、通称名として楠本さつきで通わせて欲しいこと
これは周りには知られたくなくて
普通のお家の子でありたいことを伝える
教頭先生は「前例がないことで、こちらも勉強不足でして」
そう話す
先生は「あの、本当の母親が学校まで、連れ戻しに来たりはしないでしょうか」と、聞いた
児相の担当者は「それはありません。大丈夫です」と、答えた
情報によればさっちゃんのお母さんは、現在愛知県にいるとのことだった
連絡はついたりつかなかったり。機嫌が良ければ話してくれるけど、そうでないと電話に出ないと言っていた
無事に入学式を終えた
桜の花が散っていた
さっちゃんは沢山の花びらの上まで走っていき
「みて!桜のじゅうたん!!」
そう言ってこちらを振り向いた
桜のじゅうたん
凄い感性を持っているのではないかと感じた
私が教えた覚えもない言葉を、どんどんさっちゃんは覚えていく
買い物に行く時に、ふざけて「お釣りはいくら?」そう聞くと「362えん!」
あっている
それから毎回聞いてレジの画面のお釣りが表示される前に答える
と、毎回正解で、リジの人も凄い!と言っていた
まだ計算など習っていないのに頭の中でどうやって、考えたんだろう
凄く賢いのではないのかと思った
学校には歩いて行く
電車の前にアパートがあるので、踏切を渡らなければならない
ランドセルを背負い、集合場所まで向かう
電車がきた。遮断機がおり、さっちゃんはちゃんと待っている
気になって後を追いかけた
近所の男の子が「さつきちゃん!お手々つなごう!」そう手を出すが嫌がっていた
「ママもくるの?」
歩いてついていく
「ママどこまでくるの?もう学校ついたよ」
「あー!学校まで来ちゃったね!帰るね」
そう言って帰った
さっちゃんは大丈夫!
そう思った




