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さっちゃんの代わりに

話が遡ってしまうが、忘れてはいけなかったことを思い出した


3歳の頃の話である

「たったん。バスにのったことない!」「でんちゃも!」


それを聞いて、目的もなくさっちゃんを駅につれていった

電車が来るまでベンチに座るさっちゃん

楽しそうだ

さっちゃんは両手で自分の頭を叩きながら

「たったんね!きょうのことは、じぇったい忘れたくないんだー!」と言っていた


「さっちゃんが忘れてしまっても、ちゃんとママが覚えておくからね」

2人で電車にのり、窓から景色を見る

自分が子供の頃、兄と窓から顔を出して、切符を手から離してしまい飛ばしてしまったことを思い出す

お母さんが怒らなかった気がする


電車を乗り換え四日市の街へ

建物の屋上まで行き、2人でオムライスを食べた

帰りはバスに乗って帰った


さっちゃんはアンパンマンのリュックを背負い、繋いだ手をブンブン振っていた


何年後かに「あの日のこと覚えてる?」と聞いてみたら

「覚えてない」と言っていた


自分は忘れても相手は覚えていることもある


お母さんも、私の記憶にない姿を覚えているだろうか


これは私の大切な思い出である

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