家庭内別居
もう何日食事をしていないだろう
何か食べなければいけない
そう思ってお茶漬けを用意した
涙がでて食べられない
そこにさっちゃんが私のところへ来て、持っていたスプーンをとった
お茶漬けをすくい、「ん!」と言い私の口へ入れようとする
「たべて!」「ママ!たべて!」
「ママにはたったんがいるよ」
そういったのだった
さっちゃんの誕生日だ
三輪車が欲しいと言っていたので買いに行こうとした
豊くんが「俺が買いに行く」
「俺も自分の自転車を買う。通勤に使う」そう言って私のクレジットで買い物をしに行った
「どうせ乗るわけもない、また簡単に無駄な物を買う」
そう思った
案の定自転車で行ったのは一度きりで、帰りは迎えに来てくれと言う
さっちゃんは三輪車にまたがり、ペダルを足でクルクルと回し喜んでいた
夜になると「飯は?」「酒作って」部屋にこもり「離婚はまだか」と出てくる
どう扱っていいか分からない
部屋にこもると、閉められた扉を、花は手でカリカリと叩き、豊くんを気にしている様子だった
カードの利用明細に、どこかのホテル代の請求が来ていた
「これ何」と言うと「飲みに行った帰りに一人で泊まった」と言う
嘘に決まっている
次は携帯で何を課金したのか、それも請求がくる
何を考えてお金をどんどん使うのか、やめて欲しかった。彼女に高速を使い会いに行くのか、それも来る
もう、私のカードを返して!と言った
豊くんは「もうさっちゃんを施設に返してこい」と言い出した
「犬や猫の子供でもあるまいし、簡単に考えるな」と私は言った
お姉ちゃんから連絡があった
お母さんの誕生日、仕事終わってから行こうと思ってる
マキこれるよね?
誰の誕生日でも、いつも大勢の食事を用意するのは私だ
「誰が用意するの」と聞いてしまった
「そりゃマキしかおらんよね」と言われ、「わかった」と言った
皆に料理を作り、私は誰とも話さず、何も食べず、ずっと台所にいた
隣の部屋では皆、楽しそうに会話している
誰も私の異変に気付くことはなかった




