京都のお姉さん
もう食事も喉を通らなくなり、とりあえず京都のお姉さんにこの事を、説明した
仕事中だったが、休憩中と仕事が終わってからと話を聞いてくれていた
自然と涙がこぼれていた
「豊はその彼女とは無理なんやろうか」
その発言は、引っ掛かった言葉である。
何日か話していたが、泣いてばかりで嫌気をさされたように感じた
実家の親には言えない
誰にも言わずに自分だけで、なんとかしなければならない
そう思っていた
それからは豊くんは普通に帰って、「飯は?」と聞く
なぜかご飯だけは作ってくれと言い、部屋にこもり、出てきては酒を作れと言う
黙ってお酒を出したが、空気に耐えられず黙って家から、出てしまった
駐車場に座り、一人泣いて考えていた
どうして病気にも耐え、辛いことばかりの人生だったのに、これだけ頑張って尽くしても帰ってくるのはこれなのか
私は相手の彼女と張り合い戦う気持ちも起こらなかった
何度も豊くんから電話があったが、出なかった
涙を拭いて家に戻る
ある日、住宅会社の営業マンから電話が来た
「奥さん、急にご主人が来て、もう離婚するので家の契約キャンセルしたいといってます、今から来れますか?」「すぐ行きます」
そういって向かったが、豊くんはもういなかった
「奥さんを呼びましたと言ったら、あいつとは話すことはもうないので。と帰ってしまったんです」
私一人で話をした
クーリングオフは過ぎていて、違約金136万お支払して貰わなければならないと言われた
ようやく借金が終わりかけたと言うのに
そんなお金はもっていない
また借金するのか
とりあえず話をします。と家に帰った
違約金を払わなければならない。またお金を借りなければならないと言うと、慌てて飛び出して行った
値段の交渉をしに行ったようだった
何とか負けて貰えたが、営業マンは泣いていた
「さっちゃんを見て何も感じないのか!」仕事なのにお客様なのに
その人は、真剣に豊くんに怒鳴ってくれた
豊くんは「これが一冊の本であるとして、結末が分かっているならいいですよ」と言って先に店を出る
営業マンは「これさっちゃんに」
「負けないで!頑張ってください」と一冊の絵本をくれたのだった
「なんやねん!あいつ!なあ?」
と私に聞いてきた
「すごくいい人だと思うけど」
そう答えた
絵本は「俺はティラノサウルス」というお話だった




