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05. 深夜
ひんやりとした夜風がカーテンを揺らし、淡い月明かりを部屋の中へ運んできた。
少女はベランダの手すりにもたれかかり、遠くで流れるように輝く街の灯りを静かに眺めている 。今夜の風は少し冷たく、彼女は熱いコーヒーをひと口飲んだ。マグカップのぬくもりが、冷えかけた指先を優しく温めてくれる。
黒猫も部屋の中から出てきて、木のテーブルへ軽やかに飛び乗ると、そのまま身を伏せて静かに少女のそばに寄り添った。少女は小さく微笑みながら愛しい猫の頭を撫で、棚から一冊の本を何気なく取り出す。そして、白く冴えた月明かりのもと、本の世界へと深く没頭していった。
静寂に包まれた深夜――温かなコーヒーと一冊の本、そして愛しい猫のぬくもり。それらに囲まれて過ごすひとときこそ、彼女にとって一日の中で最も幸せな瞬間だった。




