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38. カフェ
カフェで仕事をしていると、窓際の席に座っている女の子の背後から、ふさふさした尻尾が一本伸びているのが見えた。
その尻尾はゆらゆらと揺れていて、女の子はどうやら機嫌がよさそうだった。
隣に座っている人も気づいたらしく、自分の椅子の背に掛けていたコートを女の子の肩にそっとかけた。
コートの裾は、ちょうど尻尾を隠せるくらいの長さだった。
女の子は一瞬きょとんとしたあと、少し慌てた様子で、隣の人に何度も何かを言っている。
けれど、その人はただ笑いながら、女の子の肩をぽんぽんと叩いていた。
彼女は、女の子の耳が真っ赤になっていることに気づいた。
きっと、恥ずかしかったり、照れくさかったりするのだろう。
「おはよう!」
待ち合わせをしていた友人が、ようやくやって来た。
彼女は笑顔で友人に手を振った。
「荷物、置いておいて。先に注文しに行こう!」
彼女の視線が再び窓際の席へ戻ったときには、あの二人の姿はもうなかった。




