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物語ノ余白  作者: 丹夢
非日常のある日々
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38/40

38. カフェ

 カフェで仕事をしていると、窓際の席に座っている女の子の背後から、ふさふさした尻尾が一本伸びているのが見えた。

 その尻尾はゆらゆらと揺れていて、女の子はどうやら機嫌がよさそうだった。

 隣に座っている人も気づいたらしく、自分の椅子の背に掛けていたコートを女の子の肩にそっとかけた。

 コートの裾は、ちょうど尻尾を隠せるくらいの長さだった。

 女の子は一瞬きょとんとしたあと、少し慌てた様子で、隣の人に何度も何かを言っている。

 けれど、その人はただ笑いながら、女の子の肩をぽんぽんと叩いていた。

 彼女は、女の子の耳が真っ赤になっていることに気づいた。

 きっと、恥ずかしかったり、照れくさかったりするのだろう。

 「おはよう!」

 待ち合わせをしていた友人が、ようやくやって来た。

 彼女は笑顔で友人に手を振った。

 「荷物、置いておいて。先に注文しに行こう!」

 彼女の視線が再び窓際の席へ戻ったときには、あの二人の姿はもうなかった。


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