↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
物語ノ余白  作者: 丹夢
誰かの物語
PR
3/40

03. 約束

  少女は車を走らせ、終わりの見えない雨の夜をあてもなく走っていた。

  雨の帳の向こうに、遠くネオンの明かりがかすかに見えた瞬間、彼女は迷うことなくハンドルを切り、その光のほうへと向かった。


  ずっと昔、別の街に暮らす親友と約束を交わしたことがある。毎年、この遊園地で会おう、と。特別な理由があったわけではない。ただ、一年に一度くらいは、お互いの顔を見たい――それだけだった。

  彼女は遊園地の近くまで車を乗り入れることはせず、小高い高台に車を停めた。車内から静かに観覧車を見つめる。聞こえるのは、雨粒が車体を打つ音だけだった。


  ――彼女が待ち続ける人は、二年前、病でこの世を去っていた。


  雨脚は次第に強まり、激しくなった雨音が、すべてをかき消していく。

  彼女は再びエンジンをかけ、頬を伝う涙を無造作に拭った。

  「今年も約束は守れたよ。来年は……晴れた午後に来るね。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。