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03. 約束
少女は車を走らせ、終わりの見えない雨の夜をあてもなく走っていた。
雨の帳の向こうに、遠くネオンの明かりがかすかに見えた瞬間、彼女は迷うことなくハンドルを切り、その光のほうへと向かった。
ずっと昔、別の街に暮らす親友と約束を交わしたことがある。毎年、この遊園地で会おう、と。特別な理由があったわけではない。ただ、一年に一度くらいは、お互いの顔を見たい――それだけだった。
彼女は遊園地の近くまで車を乗り入れることはせず、小高い高台に車を停めた。車内から静かに観覧車を見つめる。聞こえるのは、雨粒が車体を打つ音だけだった。
――彼女が待ち続ける人は、二年前、病でこの世を去っていた。
雨脚は次第に強まり、激しくなった雨音が、すべてをかき消していく。
彼女は再びエンジンをかけ、頬を伝う涙を無造作に拭った。
「今年も約束は守れたよ。来年は……晴れた午後に来るね。」




