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物語ノ余白  作者: 丹夢
非日常のある日々
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27/40

27. 雨

 鳴り続ける雷の音を聞きながら、彼女は慌てて手にしていた本を置き、家中の窓をすべて閉めた。

 三階の窓辺まで来たとき、ふと、前庭の塀の上に、小柄でピンク色のレインコートを着た人影が座っているのが見えた。

 「近所の子どもかな……?」

 重々しい雷鳴が再び響き、激しい雨が一瞬にして大地を洗い流していく。

 その子どもは塀から飛び降りた。

 そして突然、花壇の周りを何周かぐるぐると歩き回ったあと、一瞬だけ、二階のほうへ視線を向けたように見えた。

 子どもの姿は少しずつ透明になっていき、やがて雨の向こうへと消えていった。

 「お姉ちゃん、何を見てるの?」

 背後から姪の声が聞こえた。

 彼女は振り返り、少女の柔らかな髪にそっと触れた。

 「さっき、お庭に小さな妖精がいたんだよ!」

 「妖精?!どこにいるの?」

 「ちょうど家に帰ったところだよ!」

 彼女は微笑んだ。

 「次の雨の日にも、また現れるかもしれないよ!」


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