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物語ノ余白  作者: 丹夢
非日常のある日々
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22/40

22. 香り

 交差点で信号が変わるのを待っていると、ふいにミントの香りが漂ってきた。

 彼女は思わず、深く息を吸い込む。

 さまざまな匂いが混ざり合うこの街で、突然現れた爽やかな香りは、まるで彼女を救ってくれたかのようだった。

 すると、隣から小さな笑い声が聞こえてきた。

 彼女が振り向くと、さっきまで隣にいた友人の姿はなく、全身を白い服で包んだ背の高い人影が、すぐそばに立っていた。

 「ミントは好き?」

 「え、あ……好き。」

 彼女は呆然としながら答えた。

 「ありがとう。」

 ……ん?

 この人は、どうして私にお礼を言うのだろう。

 彼女が不思議に思いながら、もう一度振り返ったときには、その人の姿はもう消えていた。

 「ねえ、しのちゃん。さっきミントの匂い、しなかった?」

 「ミント?ううん、しなかったけど。どうしたの?」

 彼女はぱちぱちと瞬きをして、笑いながら首を横に振った。

 「ううん、何でもない!」

 「あ、やっと青信号になった。行こう!」


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