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20. 散歩
最近、彼女は午後に散歩をする習慣ができた。そんなある日、なかなか良い散歩コースを見つけた。
その辺りは車の通りも少ない、静かな住宅街だった。ほとんどの家には、たくさんの植物や木々が植えられている。
少し前には、ちょうど満開の桜の木を見ることができた。秋になれば、イチョウやカエデの木も見られるかもしれない。
ピィー――。
突然、澄んだ鳥の鳴き声が響いた。
彼女は一軒の大きな家の前で足を止め、二階のベランダを見上げた。
淡い色の人影が椅子に座って本を読んでいる。そのそばに置かれた大きな鳥籠では、二羽の白い鳥が止まり木の間を飛び回り、ときおり澄んだ声で鳴いていた。
もう一度、白い鳥たちの飼い主へと視線を向けたとき、彼女は相手がいつの間にか顔を上げ、自分を見つめていることに気づいた。
彼女はしばらく固まったあと、慌てて声をかけた。
「すみません、お邪魔しました!」
そう言って、来た道を小走りで戻っていった。
少し走ったところで、彼女は足を止め、振り返って一度だけ後ろを見た。
淡い色の人影は、今もベランダにいた。
彼女は思わず、不思議そうなその人の表情と、淡い茶色の短い髪を思い出す。
「……明日から、別の道で散歩しようか。」




