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19. 舞台
彼女は、どんな気持ちでこの野外ライブに来たのか、自分でもよく分からなかった。
ステージの中央では、見慣れた長身の人影が、真新しいアコースティックギターを肩から下げている。
そして彼女は、人混みの中で、少し傷のついたウクレレを抱えていた。
ふと、彼女の視線がそのアコースティックギターへと向かう。
ボディには、色褪せているものの、見覚えのあるステッカーが何枚も貼られていた。
彼女は呆然としたまま視線を落とし、自分のウクレレを見る。
そこにも、同じステッカーが貼られていた。
それは何年も前に、彼女がメンバーたちに配った落書きのステッカーだった。
目の前にあるのは、かつて彼女が憧れていたステージ。
まさか、あの人が今もそのステッカーを持ち続けていたなんて。
まるで彼女の夢や魂まで一緒に抱えて、ステージに上がっているようだった。
彼女がもう一度顔を上げると、ちょうどその人と目が合った。
空中で視線が交わった瞬間、二人は同時に、ふっと笑った。




