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空の星星は眠りに落ち、東の空がぼんやりと白み始める頃。レナは、ティーエに起こされて目を覚ます。
「んん、あれ?ティーエおねーちゃん、じゃなくて…。あ、えとルリエおねーちゃん?」
「うふふ、あの格好で人に会うとマズいから着替えちゃった」
「会うの?ココ砂漠だよ」
「会いたくないの?」
「そうじゃないけど」
そんなやり取りをして出発する。
『水も残り少ないし、暑くなる前に休憩場所見つかると良いんだけど』
「とりあえず、町を目指しましょう。デイジーにははぐれたら町を目指すように普段から教えてあるから、町に着けば何かが変わるわ。そこに居なくても、怪我したトンボを預けて、水と食料を買って、ね」
方針は決まった。空元気も元気のうち。ルリエとレナはまだ冷える早朝の沙漠をサウスを担いで歩きだした。
太陽が東の水平線に顔を覗かせた。
むき出しの陽光がジリジリと照りつける。
今日も暑い日になりそうだ。
スコールは愛車に乗り、一路、南東に向けて荒野の道なき道を進む。
今朝は朝一で、ラジオのレポーターに扮しセーツィ号に乗り込んだ。セーツィ号は事件の捜査や機関の点検等のため、襲撃を受けた場所で停車したままだった。
色々と尾ひれがついてはいるようだが、乗客に聞いたことを合わせると、だいたいこうだ。
「空飛ぶ野生機械に乗って飛び去る女性を目撃した。腰に女の子とオウムがしがみ付いていた。そして、南東の方角へ飛んでいった」間違えなくティーエだろうと踏むが、どうして女の子を連れて行ったのかはまったく見当がつかない。考えがまとまらないときは、つい口に出して状況を整理してしまうのは、スコールの癖だ。
「ったく、どーなってんだ?訳わかんねぇぜ。こんな悪路じゃ、どーやっても飛んでるサウスにゃ追いつけないし。まっすぐ飛んだって確証もねぇしなぁ。あー、ダメだ。ぺっぺっ、砂埃が入ってくる。窓閉めよ」スコールは、ハンドルを回して窓を閉め、吸っていたタバコを吸殻入れに押し込む。
そうやって、スコールがよそ見するのを見透かしたように、不意に外から声が投げかけられた。
「ヘイ、タクシー」
カンカンと陽射しが照り付ける砂漠で、颯爽と親指を立てヒッチハイクする老人(と、申し訳なさそうにその脇に佇む少年)の姿が視界に入り、スコールは自分の目を疑った。
『幻覚じゃねーよな。こんな砂漠で何やってんだ!?』
あまりに異様な光景だったので思わず車を止めてしまう。そして、ついつい車を止めてしまった自分にちょっとだけ後悔する。
道無き荒野で偶然スコールに出会う強運の持ち主、プーグルーグ博士と弟子のルークだ。
聞くと、乗り物(と言われても、とても乗り物とは思えない妙な機械)がエンストしてしまい困っていた所だそうだ。そして、更に聞くと、セーツィ号から連れ去られた女の子を追いかけてきたという…。
『やっべ、面倒な事になっちまったな』
場所が場所だけに置き去りにするわけにもいかず、ラジオ局のリポーターという肩書きのまま2人と1体を連れて行く事にした。




