2 02
日が傾き西の空がほんのり朱に染まり始めた頃。風を防げる窪みをみつけて、ティーエとレナの2人は休憩することにした。
「今日はここで休みましょう」ティーエがそう提案する。
「え、でも」
「大丈夫、あの子たちはきっと無事よ。ほらほら、しっかり休まないと明日歩けないよ。今日は少し無理して日中に歩いたけれど、明日は早くに起きて、日が昇りきる前に歩いたほうが疲れないわ」「うん、わかった」
二人は、トンボに寄りかかるようにして、並んで腰を下ろす。レナが入っていた時は気づかなかったが、トンボの袋の中には、目の前のランプの他にも色々なものが入っていた。水筒、保存食(というよりは、おやつ?)毛布、霧吹、あと良く解らない小道具類等など…。
2人は少ない保存食で簡単に食事を済ませた。
「そうそう、トンボにも水をあげないとね」
ティーエはそう言って、霧吹で水を吹きかける。野生機械は空気中の水分からエネルギーを得ているらしく、調子の悪いときはこうやって水をあげると良いのだそうだ。水を浴びたトンボは嬉しそうに羽を振るわせた。
再び2人は並んで座る。
空はすっかり朱から群青に移り変わり、薄闇の中、小さなランプの明かりだけが頼りだ。
「こんなことに巻き込んじゃってごめんなさいね」ティーエが膝を抱えて俯く。「ご両親は心配しているでしょうね。なんて謝っていいのか…」「今ね、博士とお友達と旅行の帰りなの」
「この前一緒にいたひとたちね?」
「うん。それでね、パパとママは一緒じゃないんだ。だから…そうね、博士はしっかりしてないから、きっと大事にはなってないわよ。だから、早く2人を見つけて帰りましょう。何食わぬ顔で博士に合流しちゃうから」
笑顔で、ティーエの腕に抱きついた。
「うふふ、ありがと」
「あのね。わたしね、大きくなったら探検家になりたかったの。でも、今の状態って、十分探検だと思わない?」
「探検?」
「そう。大きな大きな荒野で迷子になった大切なお友達を探すの。わたし、ドクター・ザルクの大冒険で読んだもの。だから、きっと」
「そう大丈夫よ。ドクター・ザルクなら、いえ、ザルク・マスティースならこんな所で挫けたいしないわ」
「うん」
『迷子のお友達…あたしの大切な家族。…姫、無事でいてね』




