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それからは旅が楽しみ過ぎて、眠れない日々が続き、やっと夏休みに入った。
そして、汽車で4日の旅を終えてついに到着したラーゼリート市。ラーゼリート市駅に到着したのは、夏の太陽が沈もうかという時間だった。
今日はホテルでゆっくり休んで、列車の長旅の疲れを癒そう。
そして、明日から思いっきり観光を楽しもう!
そう目を輝かせるレナだったが、そんな彼女に水を差す一言が。
「レナちゃんや。申し訳ないんじゃが、明日はワシとルークは技師会の寄り合いで一日出かけなければならんのじゃよ。スマンが1日留守番していてくれんかのぉ」
申し訳なさそうにプーグルーグがそう告げる。
「えぇー、そんなー」
出鼻をくじかれたレナが不満の声を上げるが、予定が変わる事はなかった。
次の日、朝食を取りに食堂に下りてきたレナたち。
プーグルーグ博士が小さな水筒のような機械を持っているに気づいたレナが
「博士、その機械は何?」
と何気なく問う。
「ん、これは卵を新鮮なまま保存してくれるエッグサーバー3号じゃよ」
「3号?」
「そう。工房にある2号はちと大きくてのぉ。今回の旅行用に携帯型の3号を用意したんじゃよ。なんといっても卵料理は鮮度が肝心じゃからな」
「あー、博士卵大好きだもんね。あれ、それじゃ1号はどこにあるの?」
「うむ、1号は失敗作でのぉ、入れた卵がカラッカラのミイラになってしもたわい。ある意味永遠に保存できるがのぉ。ほっほっほ」
そう笑ってから、シェフを呼ぶ。
「何か御用でしょうか」
「朝食はこの卵を使ってくれんかのう」
急いで来てくれたのだろう、呼吸を乱したシェフにエッグサーバーを差し出す。
博士の言葉に眉をひそめるシェフ。
「当店の食材に御不満でも?」
「いやなに、そういうわけじゃないのじゃが。列車の食堂じゃ無理じゃったが、この店なら卵を美味しく調理してくれると思ってのぉ。この、最高の状態で管理された卵を」
そう言って、シェフに無理矢理エッグサーバー3号を手渡す。
訝しげな顔で機械を受け取るシェフ
「どれ、見るだけ見てみようか」
「開けるのは、その青いボタンじゃ」
「ふむ…」
ポチっとシェフが青いボタンを押すと、フシューと音を上げて白い煙を吐きながら仰々しく火の通った二枚貝外のようにゆっくりと蓋が開き、卵がせり上がってくる。ピカーっとまばゆい後光を発しているような見事な卵。
「おおぉーー」
一同から感嘆の声があがる。
その反応に博士は満面の笑みで満足そうだった。




