04
今回はルフィーア視点です。
04
ルフィーアはゆっくりとかたりだした。自分の記憶を確かめるように反芻するように。
子供の頃に動物好きだった私は「大陸動物誌」っていう図鑑を毎日のように眺めていたわ。その中でも巻末に申し訳程度に載っていた「野生機械」の項目を見て以来、キコウに憧れを抱いたの。
憧れは日に日に増し、大学の研究として「野生機械の研究」を取り上げ、近隣の噂を集める内に「草原ダチョウ」の存在を知
ったわdg。
そして、ついには草原ダチョウに会うべく周囲の反対を押し切って旅に出るまでになった。
やっとの思いで、草原ダチョウはその名の通り南の草原に住んでいるというところまでたどり着いたわ。
草原で遊牧民の一家に居候をして数年。やっと草原ダチョウの群れを見つけるが、どうやっても懐いてはくれない。
遠くから見ることは出来ても近寄ろうとすると逃げてしまう。
そんなことが半年ほど続く。
ある日、草陰から草原ダチョウを見つめるルフィーアの前に、
暗闇ネズミを連れた郵便屋が訪れ、1通の封書を差し出す。
彼は住所の解らない相手に出す手紙を扱ってくれる唯一の郵便屋だという。
「大変なお仕事ね」そう聞くルフィーアに「コイツは目が良いからね、助かってるよ」と郵便屋は暗闇ネズミを指して笑った。
郵便屋と別れた後、その場で封書を開く。手紙は家からだった。
動揺した母の筆跡で慌ただしくしたためられていた。
『父さんが屋根の修理中に転落して足と腰を怪我しました。ああどうしましょう。もう2度と歩けないかもしれない。早く帰ってきて父さんを励ましてあげてください。』
手紙を読んで愕然とするルフィーア。
目からとめどなく涙が溢れてくる。
「帰りたい。早く家に帰らなくちゃ」
涙を拭いて顔を上げると、目の前に1頭の草原ダチョウが立っていた。
草原ダチョウは屈んで「キュイ」と鳴いた。乗せてくれるの?尋ねると、ルフィーアの顔をじっと見つめたまま肯定する様にまた「キュイ」と鳴いた。
そして、ルフィーアは草原ダチョウの背に乗って帰路についた。
その後ルフィーアは2通の手紙を送った。1通は世話になった遊牧民の家族へ、もう一通はあの郵便屋へ。
お礼と、自分も郵便屋を始める決意をしたためて。
「キミと一緒ならやっていけるよね」
笑うルフィーアに草原ダチョウは「キュイ」と鳴いた。
ルフィーアは草原ダチョウにティリーと名付けた。
「こんな感じよ」
ルフィーアは過去の思い出の世界から戻ってきてそうまとめた。
「お家は大丈夫だったの?」
「何も問題なかったわ。単なる母の早とちり。帰った頃にはもうピンピンしていたわ」
ルフィーアは笑顔でそう伝えた。




