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見捨てられた世界を気配遮断で生き延びた俺は神に助けられこの世界を解放する旅に出る  作者: しょた丼
〜第二章 チサとの出会いとジンの旅立ちの決意編〜
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第52話 決着

「黒影切専用技:黒・ジンを習得しました。」


「黒影切専用技:追・ジンを習得しました。」


「黒影切専用技:影・ジンを習得しました。」


「黒影切の呼応先がジンへと変更されました。」


「神の試練〜森の大陸〜と完遂しました。」


「称号【森の大陸の試練を納めし者】を入手しました。植物系のダメージが20%減少します。」


 俺は真っ二つになり、遂に活動を辞めた、フォレストアントクイーンの死体を眺めながらレベルアップでない久々のシステムのアナウンスを聞く。


 だが、俺はツッコミどころの多すぎるシステムの話を悠長に聞いて反応している訳にはいかない。


 徐々に自分のおかれる状況を思い出してゆく。天井からは戦いの余波で土砂が降り始めており、ところどころ、壁の崩落が始まっていた。


 俺はインベントリに真っ赤に染まったクイーンの死体を入れる。


 ここまで大きなものが入るのか?とは思ったが、何の問題もなく入った。他にも大量のフォレストアントの死体があったがそっちは無視。


 俺は生き埋めになれば、土砂を押し除けて脱出することはできない。

 いくら不死身であっても力は普通の人の数倍くらいしか無い俺にとって生き埋めはほぼ死と同義だからだ。


 そしてフォレストアントクイーンを収納した俺は一心不乱に来た道を走る!走る!走る!

 だが、思ったほどのスピードが出ない。どうやら、全身の骨が折れて、肺に肋骨が刺さっているようだ。


 いくら自動回復といえど、ここまでの傷を瞬時に直すような真似はできない。


「チサが無事に逃げ出せていればいいが....。」


 俺はその言葉を最後に視界を土砂で埋め尽くされるのだった。




 数時間後、


 ブラウンエルフ達は無事に脱出していた。勿論、ブラウンエルフに背負われたチサも。そして、脱出した時、崩れ落ちる洞窟も確認した。


「小僧....。出て来なかったな。」


「くそっ。あいつに任せるしかなかった俺たちが情けないぜ。」


「ジン殿のことは心配だが、まずはジン殿から任されたチサ殿と事の報告を急ぐぞ。最悪ジン殿があの真っ赤に変色したクイーンに敗北している可能性も視野に行動せねばならん。」


 こうして、ブラウンエルフの指揮官とチサはブラウンエルフの族長キラークィのもとへと戻ることになる。


 次の日の夜営中、チサは目覚めた。


「ん〜。ここは何処じゃ?ジンは何処じゃ?」


 寝起きでキョトンとしているチサを前に、ブラウンエルフ達は皆が揃ってばつが悪そうな表情を浮かべて目を背ける。


「ん?皆揃いもそろってどうしたのじゃ?もしかして妾避けられておるのかの?」


 可愛らしい。それこそ10にも満たぬような見た目の少女が辛そうな顔を浮かべるのを見て、ブラウンエルフの男達は焦りだす。


 チサを仲間外れにしたい訳では無いのだ。だが、ジンのことを正直に話す役は皆がやりたくなかった。ここまで共に行動してきた少女が悲しむ顔など見たくなかったのだ。


 だが、放っておくわけにもいかず、指揮官の男が、チサが大技を使った後の顛末を語る。


「なるほどの。」


「チサ殿は泣いたり怒ったりはせんのか?」


「妾とジンはある意味誰よりも深い絆で繋がれておるからの。妾からジンが何処にいるか、ジンから妾が何処にいるのかは感覚的に分かるのじゃ。」


「つまりジン殿は死んでは居ないと?」


「うむ。間違いなく生きておる。今ジンは例の洞窟の辺りに気配があるからの。ほぼ間違いなく生き埋めで身動きが取れなくなっておるのじゃろう。」


 チサのあっけらかんとした態度にブラウンエルフの指揮官は拍子抜けする。


 最早兄弟と言った次元を超えて、恋人同士のような甘い空間を作り出す2人であるからに、もっとショックを受ける、最悪、駄々をこねられることも覚悟していたというのに。


「では事の次第をなるべく早くキラークィに伝えねばならぬの。皆のもの急いで帰るのじゃ!」


 そうチサは声を上げると、先ほどまで気まずそうにしていたブラウンエルフ達が一斉に夜営の片付けをし、行動を開始する。


 チサの様子に安堵すると同時にジンがいないにも関わらず、ここまでしっかりした少女にこれ以上頼りきりではいけないと皆が思ったからだ。


「待っておるのじゃぞ。ジンよ。必ず助けに行くからの。」


 そうチサは洞窟のある方へ寂しげな顔を向けながら呟くと、夜営の片付けをするブラウンエルフ達の元へ向かうのだった。


 この後、帰りだったこともあり、道中で今までの統率が嘘のように全く連携の取れていないフォレストアント達を狩りながら、4日で世界樹へと到着する。


 行きは6日間歩き通しだったことに比べれば、帰りは走りでしかも毎夜眠れたのも大きかった。結果として5日間で戻ってくることができた。


 世界樹の周囲では、人間とブラウンエルフが協力してフォレストアントの死体を片付けているところだった。


「おい!フォレストアントを追っていった精鋭が帰還したぞー!!族長を呼んでくれ!」


 そんな風なやりとりがあり、族長に指揮官が事の顛末を伝える。そして世界樹付近の状況もキラークィは話す。


「お前達が抜けた後、6日間はいつも通りの防衛戦が行われておった。だがな。7日目あたりだな。そこから一気にあいつらは瓦解したな。まるでそれまでの連携が嘘のように。そして8日目から殆どあいつらは来なくなり、最近はフォレストアントのずっと片付けをしておったのだ。」


 話を終えたキラークィは一息ついた。

 そしてその他の色々なやりとりと事実関係のすり合わせが行われる。


 それが終わる時、ここまでじっと待っていたキラークィへ向けてチサは声を出す。


「のう。妾の頼みを聞いてくれぬか?」


「なんだ?ここまで助けてくれた礼だ。私にできる事であればなんでも聞こうではないか。」


「ジンを....ジンを一緒に助けに行ってはくれぬか?」


 そう、思い詰めた様子でチサは言葉を発するのだった。





というわけで、第52話でした!

眠いので一旦お昼....いやもうお昼寝の時間じゃないかも。まあいいか。寝ます!起きたら一気に2章完結まで走り抜けたいと思います!


では第53話へGOー!


20/11/28


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