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見捨てられた世界を気配遮断で生き延びた俺は神に助けられこの世界を解放する旅に出る  作者: しょた丼
〜第二章 チサとの出会いとジンの旅立ちの決意編〜
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第51話 覚醒するジン

 気付けば俺は初めて黒影切を手にした時に来た場所にいた。俺は前来た時と同じ場所へと向かって歩いてゆく。


 カーン!カーン!カーン!


 そこには1人、真っ黒な少年がただひたすらに一本の刀を打っていた。


 すると見られている事に気付いたのか少年は刀を打つのをやめる。そうして俺に話しかけてくる。


「ジン、君は僕の打った刀、『黒影切』を何に使いたいの?」


 そう少年は言うとまた刀を打ち始める。


 カーン!カーン!カーン!


 急な質問に俺は言葉が詰まる。


 すると、また少年が手を止めて言う。


「ゆっくりでいいよ。この世界では時間が止まっているんだ。ここは君の中の精神世界であり、僕の中の精神世界でもあるから。でもね。答えていいのは一度だけ。だからよく考えてから言うんだよ。」


 精神世界?時間が止まっている?

 俺は聞き返そうとしたが、

 それだけ言うとまた少年は槌音を響かせ始める。


 カーン!カーン!カーン!


 俺はそんな音を聞きながら悩む。今の俺がこの刀を何に使いたいのか。


 あのクイーンを倒すこと?

 いや、あれは成り行きであって俺にとって情報を得るための通過点でしかない。


 なら、チサを守ること?

 それも何か違う気がする....。たしかにチサは護らなきゃいけない。いけないんだが....。


 そう悩んでいると先ほどまで刀を打っていた少年が打ち立ての刀を構えてこっちを向いていた。


「どうやらあと一歩答えが出ないようだね。ちょっと付き合ってよ。この新作の試し斬りにさ。」


 そういうや否や少年は俺に切りかかってくる。俺はインベントリから黒影切を取り出すも、力負けし、一瞬で吹き飛ばされる。


「何!!!???」


 俺は吹き飛ばされた先の地面に何とか着地する。信じられない力だ...俺より頭3つ分は小さいだろう少年が、少年の背丈ほどもある刀で俺を吹き飛ばした???


 すると、少年がいつのまにか俺近くに来ていた。


「黒・ジン」


 そう言って、少年が振り抜いた剣から、真っ黒に染まった斬撃が俺へと向かって奔る。


 俺はその攻撃を受け止めようとしたが、何故か斬撃が当たる前に俺の体に痛烈な痛みを感じ、遅れてやって来る斬撃に黒影切をいともあっさりと撥ね飛ばされ、俺は黒色の斬撃をその身に受ける。


「ぐあああああああああああああああ。」


 俺は痛みで倒れそうになった。


「ああ、言い忘れてたけど、ここでは不死身も自動回復も発動しないから。だから、攻撃を受けすぎないように気をつけないと死んじゃうよ?」


(おい....!待て。今不死身も自動回復も発動しないと言ったか....?ぐ....。たしかに傷が治らない。)


「どんどん行くよ〜!」


「追・ジン」


 そう言った少年は今度は白色の刃を俺に向かって放つ。俺は一瞬考える。


(今はとにかく、気配を消して自然にやり過ごして傷が治るのを待つしか....ない!)


 そう頭の中で決断した俺は、今まで俺を支えてきた技能を使う。


「気配遮断!」


 そうして俺は、白色の刃を躱す....否、完全に躱した。


 そうして距離まで取った。


 更には気配遮断で目の前の少年は俺の位置を認識できない筈だった。


 なのに今この瞬間、俺の背中には躱した筈の白色の刃に斬り裂かれていた。


「ガハッ....」


 俺はダメージで薄れゆく景色の中で、悟る。


(ああ、俺は死ぬのか。)


 ここ最近ずっと不死身のお陰で感じなかった死の恐怖が俺へとヒシヒシと迫って来る。


(俺は....まだ....死ぬわけには....。)


 だが、体に受けたダメージは容赦なく俺の温もりを、意識を奪ってゆく。


(ここまでか....。)


 そう思った時、親友が、妹が、そして真紅のワンピースを着た少女が思い出された。


「おいジン!お前そんなことで諦めていいのか?そこで立ち止まってたら黒い霧も、俺たちの故郷をあんなにしたゲチスにだって勝てないぞ!」


 カイト....!ああ、これは幻想だ。カイトは俺がゲチスに散々に打ちのめされたことなんて―。


「お兄ちゃん!倒れちゃ駄目だよ!セリを助けに来てくれるんじゃなかったの?神よりも強くなるんじゃなかったの?」


 セリ....!ああ、そうだった。俺にはなによりも大切にしなきゃいけない想いがあった。


「のう?ジンよ。お主が妾に語ったあの想いはこの程度で諦めて良いものじゃったのかの?」


 チサ......。すまない。俺が間違っていたよ。



 そうして、俺は背中に受けた白色の刃を耐え切る。


 背中にも胸にも大きな太刀傷ができ満身創痍ではあったが、俺は持ち堪える。


「さっき、お前は『黒影切』を何に使いたいのかって聞いたよな。やっと思い出したよ。いや、最初からこう答えるべきだった....!」


「ふーん、じゃあ教えてよ!でも言い直しはしちゃ駄目だからね。」


「俺は....俺は、この世界を解放する為にこの刀を使う!今もなお、理不尽で苦しんでいる人、無念のうちに死んだ人たちの思いを俺は救う為にそして護るために、俺はこの刀を使うんだ!」


 そう言い切った時、俺の足元にはさっき撥ね飛ばされた筈の二振りの刀があった。


「やっぱり僕の目は間違って無かったよ。ありがとう。この刀に出会ってくれて。じゃあ最後に一つ技を教えてあげるよ。今まで僕が使った2つの技は君にも使える筈。そしてこれが今教えられる最後の技。」


 すると、俺の頭の中に一つの言葉が流れてくる....。そしてそれと同時にこの空間が急速に崩れていく。


「頑張ってね。君ならきっとこの世界を解放できるよ。」



 そして俺は現実世界で覚醒する。その瞬間、クイーンをその照らされた影ごと切り裂いていた。


「影・ジン....!」


 俺はここまで全く傷すらも入れられなかったクイーンを一刀両断するのだった。







というわけで、ここまで来て、やっとジンが主人公らしく....(泣


遅いわ...!作品の構成もっと練ろよ!

とそう思いながら書いてました。


だけどやっぱり主人公が活躍するシーンって燃えますよね。


そんなわけで、52話もよろしくお願いします!


20/11/28


これから先が気になる!面白い!と思えた方は是非是非評価とブックマークをよろしくお願いします!


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