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見捨てられた世界を気配遮断で生き延びた俺は神に助けられこの世界を解放する旅に出る  作者: しょた丼
〜第二章 チサとの出会いとジンの旅立ちの決意編〜
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第50話 チサの猛撃

 俺は走り出す。勿論気配遮断は発動している。左肩にはチサ。普通に俺の肩に座っているのだが、ほとんど重さは感じない。


「チサいけるか?」


「問題ないのじゃ!」


 そう短い言葉を交わして俺は普通のフォレストアントを全て無視して走りぬける。


 そうして走り抜けたその先には、確実にアリ達の頂点に立つであろうフォレストアントクイーンの姿があった。


 大きさは10mはあろうかというほどに巨大で、頭には1mはあろうかという螺旋状の角。更に前足は細長く伸びていた。とはいえ、10mクラスのアリの前足である。極太のムチと表現できる程の太さがあり関節がなく垂れ下がっていた。


 俺はその体を一瞥すると、正体がバレないウチに黒影切の一撃をその胴体へと打ち込んでゆく。そして、それに合わせてチサも技を使う。


「くらええええええぇぇぇぇ!!」


「妾の一撃を食らうが良いぞ。水波!」


 ガキーン!


 ザバーン!


 俺の攻撃はまだ小刀を使い始めたばかりで技という域には達していなかった。だが、威力は十分にあった筈だった。

 なのに何故か俺の一撃は弾かれ、チサの一撃だけが、相手にダメージを与えたのが分かった。


「何故だ!俺の攻撃は傷一つつかないのか?」


「ジン!焦るでない。くるぞ!」


 そうして、俺たちに気付いたフォレストアントが反撃に出る。


 俺達がいるであろう周囲に向かって超高速で縦へ横へと縦横無尽にムチの様な前足を振るう。


「シギャアアアアアアアアア!!!」


 相当お怒りの様だ。俺はチサを肩に乗せたままその前足をかわしてゆく。気配遮断のお陰で、相手に居場所が割れていないのだろう。ほとんど自分へ向かう攻撃が無いのでかわすのには余裕があった。


 俺は再度クイーンの懐に入る。チサは撹乱に水波を打ちまくっている。俺は今度はクイーンの節の部分への一撃をかます。


 ガキーン!ガキン!ガキン!


 全く刃が通らない。俺の攻撃はどうやら効かない様だ。


「違う。」


「チサ!今なんか言った?」


「妾は何もジンには言っておらぬのじゃ!ジン!どうやらジンのその刀はクイーンには通らぬ様じゃの。」


「気のせいか。なら仕方ない。作戦変更だ。チサ!クイーンを倒せそうか?」


「多分大丈夫じゃ。ただ、あれを使うとちと身体への負担が大きいでの。後は頼んむのじゃ。」


「ああ、分かった。頼むぞ。チサ。」


「まかしておけ。水竜天女の法衣!!」


 そうしてチサは俺の肩から離れると、流れる水をその身に纏い、頭にはティアラが現れる。その愛らしさと神々しさの融合はいつ見ても惹きつけられる様だった。


「さあ!クイーンよ!覚悟するのじゃ!」


「水波・縛水竜!!」


 チサから蛇の様なとぐろを巻いた竜が現れる。そしてチサの手から離れた時、その竜はクイーンへと巻きついてゆく。


「シギャアアアアアアアアア!!???」


 必死で逃れようとするものの、クイーンは全く動けない。そんなクイーンに向けて、チサは次の技を発動する。


「水波・震水竜!!」


 身動きが取れないクイーンを中心として空中に歪みが発生する。そしてそこにチサが生み出した一雫が、まるで水面に落ちる水滴の様に波紋を作り出したその瞬間!


 ゴゴゴゴガガガガガガバキーン!!!


 なんとクイーン中心に空間が揺れたのだ。


「シギャアアアアアアアアア!!!????」


 クイーンの悲鳴が上がる。そうしてクイーンがその場にうずくまる。見れば俺の刀が弾かれたその身体には、大きな亀裂が入っていた。


「止めじゃ!水波・竜水樹!!!」


 そうしてチサが生み出した水竜がうずくまったクイーンを突き抜け吹き飛ばす。そうして洞窟の壁に叩きつけられる。


 ドゴーン!!!


「シ....シギャアア!!」


 そして地面へと崩れ落ちる。


 この時チサの魔力が切れた様でチサが元の姿に戻る。


「ジン....終わったかの?妾もう限界なのじゃ。後は頼んだぞ。」


 そういうや否やチサは気を失ってしまった。


 こうして、俺はチサを抱えたままブラウンエルフ達の加勢へと向かう。


 バキッ!ドカ!ボゴ!


(通常の蟻なら切れるんだけどなあ。)


 そう思いながら残党の蟻を片付けてゆく。こうして残り少なくなった蟻を見て俺はふと疑問符が浮かぶ。


(何故だ?ボスが倒れたのなら、統率が失われてもいいと思うが....。指揮権が独立してるのか?それとも....いや、考えすぎか。)


 そんなことを考えながら、最後の1匹の蟻をブラウンエルフ達と駆逐した時、その疑問は最悪の形となって現れる。


「おいおい冗談だろう?」


 なんとそこには、元の緑ではなく、真っ赤に染まったグリーンアントクイーンだったはずの何かが居た。俺は、ブラウンエルフにチサを預けると叫ぶ。


「チサを頼む!!!!お前らはチサを連れて急いで脱出してくれ!コイツはヤバイ。俺が足止めするから急ぐんだ!!!!!」


 そしてブラウンエルフ達はフォレストアントとの戦いで疲れた身体に鞭打って即座に走り去る。自分達でどうにかできる次元を超えていることを本能で悟っていたのだろう。

 ジンに何か言うものはいなかった。


 俺はそれを見届けると目の前の真っ赤に染まったフォレストアントクイーンと思われる個体のステータスを確認する。


 名前:フォレストアントクイーン(死の宣告)

 lv:120+50

 体力:1270/1270

 総合:SS


 おいおい....マジか....。


 システムの声がする。


「称号【理不尽に立ち向かう力】が発動します。全ステータスが1.2倍になります。」


「しかも格上か。俺にコイツを傷つける手段が無いんだが。まあ、限界まで足掻いてみようか!その状態見たところ長くは続かないんだろう!」


「ジギャアアアアアアアアアアアア!!!」


 こうして俺は気配遮断を使いつつも赤く染まったクイーンへ黒影切を押し付ける。


 ガキン!


 俺はその瞬間吹き飛ばされる。


 バゴーン!!!


 どうやらこの蟻、俺の場所が分からないから攻撃を受けた瞬間にカウンターすることに切り替えた様だ。


「違う。」


「さっきからなんだ!!???何が違うって言うんだ!」


 ガキン


「ぐあああああああああああああああ!」


 バゴーン!


「違う。そうじゃないんだ!」


「くそっ....。何処にいるんだ。何が違うって言うんだ。まさか、この刀が喋ってるのか???」


 そう言った瞬間俺は黒影切に意識を引き込まれる。それに気付いた時、崩れゆく洞窟が次第に遠く遠く離れてゆくのだった。




遂に第50話到達です!ここまで読んで下さった方本当に感謝です。まだこれからもジンとチサの冒険の旅は続きます。これからも応援していただけるのであれば作者として感謝しかありません。

第二章も大詰めです!今頭の中で描く感じだと、あと3〜5話で第二章完結となるかと思います!

では続きの執筆に取り掛かりますのでこの辺で。


第51話もよろしくお願いします!


20/11/27


これから先が気になる!面白い!と思えた方は是非是非評価とブックマークをよろしくお願いします!

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