第49話 戦闘開始!!
照らし出された洞窟の中には、至る所にフォレストアントのものと思われる糞が散らばっていた。
ここがフォレストアントの住処または、それに近しい場所であると言うのは容易に予想がついた。
しばらく進んで後ろを振り返って見ると、洞窟には緩い下りの傾斜がついている様で、既に入り口の光は見えなくなっていた。
「この洞窟何処まで続いているんじゃろうなあ。」
「うーん、ちょっと分から無いなあ。だけど、こういう緊張感ってなんか子供の頃夢見た探検とか冒険みたいでいいな。」
俺がそう言うと、ブラウンエルフ達に笑いが起こる。
「小僧!ずっと大人びた野郎だと思っていたが、そう言うところは年相応なんだな。」
「おい!彼は我々の恩人なんだぞ!機嫌を損ねて帰られでもしたらどうしようもないぞ。」
「がははは!そんなことはねぇだろ。態々俺達が眠るための気遣いや周囲の警戒まで全部寝ずにやってくれる優しい奴が見捨てるわけが無いだろう!」
俺の一言を機に緊張の解けたブラウンエルフ達....口が悪いのもいたが。俺はそんな彼らの言葉の照れ隠し....だったのだろうか。言葉を発する。
「そこまでいうなら、今から俺だけで帰るか。」
そう言って肩に乗るチサにもかかる様に気配遮断を発動しながら洞窟の入り口の方へと向かう。
「え....ちょ....小僧待て。待ってくれ。俺が悪かった。頼む。行かないでくれー!!」
そんな口の悪いブラウンエルフの背後に立つと気配遮断を解除する。
「次やったら本当にお前ら見捨てて帰るからな。」
「うあああああ!こ....小僧か。分かった。悪かった。もういわねぇ。だから、背後に急にあ....現れるとか頼むから許してくれ。」
そんなやり取りがあってブラウンエルフ達に笑いが起こる。口の悪いブラウンエルフの男は涙目だった。
「ジンも大人気ないことするでないぞ。涙目になっておるではないか。」
チサの言葉にまた周囲に笑いが起こる。
「嬢ちゃんにまで言われちゃメンツも何もあったもんじゃ無いな。」
「違いない。」
そんなやり取りは最終的に俺が収めるまで続いた。敵地で馬鹿騒ぎするのはどうかとは思ったけど、ブラウンエルフ達は気負いすぎていたからな。アレでは出せる力も出ないし、結果的にはいいか。
そう自分を納得させた。
そうして半日ほど進んだ所で俺たちは、異様な光景を目にしていた。なんと洞窟の至る所に様々な種類の骨が並んでいた。中には人間のものと思われる頭蓋骨まであった。
俺達は気を引き締めて進んでゆくこと更に1時間。なんと洞窟の中であるにも関わらず、光が出ている場所が見えた。
俺達がそこに着いた時、中は予想以上の光景が広がっていた。
その場所は、広さとしては50m立方ほどはあるだろう。壁には至る所に緑色の縦に長い楕円形の卵がくっついており、中には光を発するキノコ?と、優に500を超えるであろうフォレストアントがひしめいていた。
そしてその奥には一際大きなしかも頭には巨大な角をはやした見るからに他のフォレストアントとは一線を画すと言える風貌のアリがいた。恐らくアレがボスだろう。
そしてボスと思しきのフォレストアントのステータスを確認する。
名前:フォレストアントクイーン
lv:120
体力:780/780
総合:A
(体力780???マジかよ。高すぎだろ!?しかもレベル120って。本当にこんなのが地上に居ていいのか??)
そんなことを思うとふと神の言う試練を思い出す。
(まさかこれが試練なのか....?キラークィのアレはそう考えてみれば簡単すぎた。こいつなら神の試練と言われても頷けるな。)
そんなことを思いながらブラウンエルフ達の方を見ると案の定ブラウンエルフ達は絶句していた。
俺はそんなブラウンエルフ達へと声をかける。
「お前達で、あの雑魚の方のフォレストアントを相手する事ができるか?その間に俺とチサでボスを叩こうと思うのだが。」
俺はそう言うと、我に返った指揮官が言葉を返す。
「アレをやれるのか??正直あんな化け物どうしようもないぞ!ここまで来たがこれは撤退する他無いだろう。」
フォレストアントクイーンにあてられて弱気な指揮官に仕方なく俺のステータスウィンドゥを表示する。
「これでも駄目か?」
それをみた時、ブラウンエルフ達は再び驚きで絶句する。
「れ....レ....レベル185????」
ようやく口を開いた指揮官でさえその有り様だったが数分で驚きから復帰すると、皆へ指示を出す。
「わかった。ならばフォレストアントクイーンはジンとチサに任せる。我々はその間取り巻きの相手をしようではないか!」
「ウオオオオオオオオ!」
そうしてブラウンエルフ達は、雄叫びを上げると、フォレストアントの中へ飛び込んでゆく。それを見送る俺たち。
「流石精鋭というだけあるの。あの蟻どもと互角以上に渡り合っておる。」
チサの言葉に俺も同意する。弩を引けば一気に2匹、木製の大剣を振るうブラウンエルフも一撃で数匹にダメージを与えていた。
フォレストアントの中には20ほど大型の個体も混じっていたがこの分ならなんとかなるほど時判断した俺は『黒影切』をインベントリから取り出す。そして両手で持つと気配遮断を発動し、チサを肩に乗せたまま戦場を一気に駆け抜ける。
そうしてその勢いのままに最奥にいるフォレストアントクイーンへと斬りかかるのだった。
次回で遂に50話ですねぇ。いよいよ第二章もクライマックスを迎えます!
では、フォレストアントクイーンとの戦いお楽しみください!
第50話もよろしくお願いします〜
20/11/27
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