表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
残余  作者: 金子ふみよ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/21

橘邸を出た後

「ほら、これでも見るか?」

 橘邸を出て、もうさすがに帰路だろうと歩いていた。すると、早瀬さんがタブレットを渡してきた。カバンを肩に担ぎ直して画面を見る。文献というか、記事というか。はっきり言って内容が分からん。単語単語をつまみ出していた。社会心理学、認知バイアス、トランスパーソナル心理学、云々カンヌン。他には当然として、呪いとか噂とか不思議現象とかの単語。つまり、さっきの俺のクレームへの返答と言うことか。

「ああ、これもな」

 画面をスクロールした。学年、名前、証言内容、橘先輩との関係、云々カンヌン。これ、いつ調べたの? んで入力をいつの間に終えたんだろう。 

 容疑者と思われる人に何か目印がつけられているかと思ったが、なかった。つうことは、早瀬さんのおメガネにかなう怪しい人はいなかったってことか、そのメガネの度があっているかは知らんけど。あれ? 容疑者ならもう一人いるじゃないか。ドラマとかのオチのパターン。すなわち、橘先輩自身。

「自作自演と言いたいのだろ、それも調べてある」

 ホント早いな、早瀬だけに。橘先輩について調べたというページを出してくれた。俺にはどっちかなんて判断つかなかった。

「もういいか、返してくれ」

 立ち止まって早瀬さんが手を出していた。見ていたタブレットを返す。それをカバンにしまって、

「お前とはここまでだ、じゃあな」

 気づけば駅前。横断歩道を渡れば、すぐ駅に入る。早瀬さんは言ってすぐすたすたと歩きだしていた。早瀬さんが何線で帰るとか知らんかったし、俺も帰ってサスペンス風に犯人捜しに挑戦してみようとかと、巻くほどの息もなくふうっと呼吸をすると、足が止まった。なんかスゲー気になることが浮かんだ。まさに「なんで今ここでそんなこと言う?」って、ドラマ見てて思うような。そう、早瀬さんは、俺「とはここまで」と言った。つうことは、もしかして一人でなんかする気とかじゃねえだろうな。俺は慌てて足音を立てないように、早瀬さんの後を追った。二三歩出して思い出した。神社に藁人形を確認するってこと。でも俺はもう足を止められなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ