マナブとマクギブソン!
前回から引き続き僕は、困っています。
結局マークには勝てませんでした。
だってマークが僕の事をずっと睨んでるだ。怖いよマーク。
「ねぇ、マークって制服着てるけど学校どうしたの?」
「休んだよ。マナブだけの為にね」
嫌ないいかたするなぁ。
「マークって高校生なの?」
「ウっす!」
いきなり叫ばないでよ。近所迷惑じゃないか。
「マークは僕に何を教えてくれるの?」
「漢の生きざまを」
僕、そんなの教わりたくないよ!
嫌だ、もう帰ってもらおう。
「あのさ、マーク、もう帰ってよ」
「煩いよ!私は今、漫画を見てるんだ。静かにしてくれたまえ」
マークが口の前に人差し指を立てて、シィーって言ってるんだ。高校生にもなってそんなの恥ずかしいし、一々オーバーなんだよ。
漫画本は貸してあげるから帰ってよ。
ハァ〜、もうお昼時じゃないか、何食べよう。
「あの、マークはお昼どうするの?」
「ラーメンでいいよ」
いいよってなんだよ。僕にやらせる気なの?
図々し過ぎるよ。いつもは、温厚な僕も流石に怒ったよ!
僕は、キッチンの棚からカップ麺を取り出し、そのままマークの前に置いてやったんだ。
「……お湯は?」
マークが僕を眼で殺そうとするんだ。
僕の大事な所が縮み上がったよ。僕がエリートじゃなかったら、チビってる所だね。本当に危ないよマーク。
「ご、ごめん、少し意地悪が過ぎたみたいだね」
「漢の風上にも置けねぇよ。最低のゲス野郎め。おどれは鬼かぁ!この外道めぐぁぁぁ」
子供相手に言い過ぎだよ。僕だって間違う事があるんだよ。
お湯を入れて来たのに、まだグチグチ言ってるし。マークだって漢の風上にも置けないよ。
「ごっつぁんデス!」
ただのカップ麺なのに気合入れ過ぎだよ。
でも、マークの機嫌が直ってよかったよ。あのままネチネチ言わてたら、僕のマグナムパンチが炸裂する所だったよ。嘘じゃないよ、本当だよ。
「ねぇ、僕まだマークから何も教わってないんだけど」
もう追い返すのは無理みたいだから、さっさと終わらせて早く帰ってもらおう。
「そうだなぁ、マナブが知りたい事に何でも答えてあげよう」
何でもって言ったね!
何でもって言った事、後悔させてあげるよ。クックックッ。
「ねぇ、マークは何でお髭を蓄えてるの?」
まずは軽いジャブからだよ。
「それは、紳士だからだよ」
嘘付かないでよ!
マークのはただ剃り忘れただけでしょ。
「へぇー、それじゃあなんで鳥は空を飛べるの?」
「それは、鳥さんが空が好きで好きで堪らなく大好きだからだよ」
なんだよ、その説明は、子供だと思って嘘付くなんて、ひどいよ。
「じゃあ、僕も空が好きなんだって言ったら飛べるの?」
これをどう返す、マクギブソン?
「半端な覚悟じゃ無理だけど、パイロットになれたら飛べるんじゃないの」
なんだよ。そんなの屁理屈じゃないか。
「じゃあ、なんで海は青いの?」
これは分からないだろう。だって僕にも分からないもん。
「じゃあ逆に聞くけどなんでビールは黄色いの?」
そんなの、そうゆう成分が色々入ってるんだよ、多分。
うん、って質問してるのは僕だよ。
「知らないよ、そんな事。最初からそういう色だからじゃないの?」
「それじゃあ、海もそうだ」
ズルいよ、僕が考えたんじゃないか。
「じゃあ、サンタクロースは何処に居るの?」
さぁ、マクギブソン。純真無垢な子供の夢を何と心得る。
「クリスマスの時期になると駅前でケーキを売ってるよ」
違うよ!
「プレゼントを枕元に置いて行ってくれる人の事を聞いてるんだ」
マークは何を考えてるんだよ。こっちは真剣に聞いてるのに。
「ああ、それは、本当はお……」
駄目だっ!
マークは子供達の夢を潰す気だ。そういう眼をしてる。
「本当は皆の心の中に居るんだよね。うん。僕なんて毎日、心の中でサンタさんがダンス踊ってるんだよ」
「知ってるなら聞かないでおくれよ、マナブ君」
くそっ、さっきから誤魔化してばっかりじゃないか。こうなったら子供の底力を見せてやる。
喰らえ!
「ねぇマーク、なんで僕には父さんが居ないの?」
「うっ」
教えて!マクギブソン
続く




