ジョージぃ牧場!
今日、マークは用事があるみたいなんで、仕方ないから、朝からジョージのお見舞いに来て居るんだ。
「ジョージ、暇だから遊びに来たよ」
ジョージのお見舞いに来たら、まず、声を掛けないと誰が来てるか、分からないみたいなんだ。
昨日も、ナッちゃんが何も言わずにジョージの上を跳ね回ってたんだけど、ジョージは僕が跳ね回ってたと思ってるんだ。
「やぁ、マナブ君。毎日、お見舞いありがとう。今日は一人なのかい?」
「うん、そうだよ。
マークは、なんか用事があるんだってさ」
ジョージは、怪我の具合が悪いのか、動きがとってもゆっくりなんだ。
ゆっくりと身体を起こしたジョージは、僕に向き直るのもゆっくりだから、僕が手伝って上げないと日が暮れちゃうかも知れないんだよ。
「ああ、ありがとう。
……日増しに症状が悪化してるみたいなんだ。
俺も、もう長くは無いんだろうか?
そうなんだろ?
マナブ君、口止めされてるのかも知れないけど、こっそり俺にだけ教えてくれないかい?」
ジョージは、僕がお見舞いに来るたんびにこんな事、ばっかし言ってるんだ。
流石の僕もウンザリだよ。
「うん、そんな事より、ジョージってボブが何処に居るか知ってる?」
「ぼ、ボブだってぇっ!」
ジョージが、どんな表情をしてるか分からないけど、声色から興奮状態にあると言う事を推察する事が出来たよ。
詰まり、ジョージは今、アドレナリンがビンビンだ!
「ボブがどうかしたの?」
「聴いてくれよ、マナブ君……
あの野郎が、あっ!
あの野郎って言うのは、ボブの野郎の事だよ」
ジョージって意外と細かいんだよね。
それとも、僕の事、子供だと思って馬鹿にしてるのかな?
それは一先ず捨て置く事にするけど、あのジョージを此処まで怒らせるなんて、ボブって相当酷い野郎なのかなぁ?
「うん、あの野郎がボブだって事は大体、予想出来てたよ。それで?」
「ボブの野郎が、あの野郎だって事はもう話したよね?
……あの野郎、事も有ろうに俺の鼻を馬鹿にしやがって!
俺の鼻はいつか文化遺産に指定されるかも知れない程の芸術品だぞ!」
ジョージは、怒りの余り言葉使いが乱暴になってしまってるんだ。
そんなに大事なんだ?
確かにカッチョイイ鼻してるんだけどね。
「うん、国宝級にカッチョイイんだけど、指定されるなら天然記念物の方にだと思うよ。
それで、ボブになんて馬鹿にされたの?」
「そうか、マナブ君は俺の鼻の素晴らしさを理解出来るのか。
そうそう、ボブの野郎なんだけど……
あの野郎、俺の鼻は『ギネスブックに載る程じゃない』とかって言いやがったんだ!
違うだろっ!
……俺は大きさとかを自慢にしてる訳じゃないんだ!
俺は形で勝負してるんだよ!
ボブはなんにも分かってない!」
誰にだって譲れない事や触れられたくない事の一つや二つ在ると思うんだけど、ジョージにとってそれは鼻を馬鹿にされる事みたいなんだ。
僕だって、納豆にマヨネーズを入れて食べる人は許せないよ。
後、いつも勝ち誇った顔してる奴も嫌いだよ。
それから、自分を大事にしない人も許せないよ。
自分で自分に優しくして上げなくちゃあ、一体、誰が優しくしてくれるって言うんだよっ!
他にも色々と在るんだけど、それは秘密だよ。
「うん、ボブが酷い野郎だって事は、良く分かったよ。
それで、ボブっていつも何処に居るの?」
「んんん? なんでまた、ボブなんて探してるんだい?
それに、ボブは基本的に夜行性だから昼間は寝てるよ」
ジョージには、なんで僕がボブを探してるのか理解出来ないみたいなんだ。
僕も、ボブに会った事ないんだから、おっと、語弊が有ったね。
人型のボブとは面識ないんだから、実を言うと一人で会うのは少し気が引けるんだよね。
「えーっとっ、A子お姉様からの命令で……
マークが会員になってくれなかったから、地道に会員を獲得して行かないといけなくなったんだ。
それにしても、ボブって学校行ってないの?
マークとはクラスが違うの?」
「あぁ、昨日の続きか?
俺達三人は、小さい時から何故かずっと同じクラスだよ。
ボブは、学校には行ってるけど、放課後までずっと保健室で寝てるんだよ。
……それにしても、酷い話だなぁ、マナブ君が会員を増やしていかないとビンタされちゃうんだろ?
俺が一発、ガッツ〜ンと言ってやりたいとこなんだけど、この身体じゃあそれも無理なんだ」
ジョージの気持ちは嬉しいけど、ジョージみたいな怪我人が学校に行ったら、いの一番に人質にされちゃう可能性が高いよ。
そうなったら流石の僕でも、ジョージの事を切り捨てなきゃならなくなっちゃうんだよ。
本当に本当は、僕も助けて上げたいんだけど、掟だからね……
一度、“掟だから”とかって言ってみたいんだけど、いざ本当に言うとなると少し恥ずかしいから、今は心の中だけで満足してるんだ。
別に本当にそんな掟が在る訳じゃないからね。
でも、本当にそうなったら僕の力では、ジョージを助けて上げる事は難しそうだから、ジョージが学校に行きたくなくなる様に仕向けとかなきゃ。
「駄目だよ!
ジョージは空想でも妄想でも例え嘘だったとしても学校に行きたいなんて思っちゃ駄目なんだよ……」
「マナブ君、なんでまた……
一体全体俺がどうしたって言うんだ。
やっぱり俺の身体はもうボロボロだからなのか……?」
ジョージったらまた変な事を考えてるんだ、学校に行きたいって言われるよりはましだから、良しとして置くよ。
と言っても、ちゃんとトドメを刺して置くけどね。
「……うん、これは僕の私見なんだけど、A子お姉様って子供とか老人とか怪我人とかには容赦ないんだよ。
言う事を聴かない子供には平気な顔で暴力振るうし、説教して来る老人には逆に説教し返すんだ、それも、外国語とかを織り込んで説教するんだ。
勿論、理解とか納得出来なかった人にはお仕置きが待ってるんだよ。
最後に怪我人になんだけど、一人で歩くのも辛そうな怪我人に人力車を引かせて『リハビリだ』って言い張るんだよ。
だから、今のジョージは学校に行くと危険なんだ」
殆どが僕のイメージなんだけど、ジョージの為だから仕方ないよね?
人の為にだったら、別に嘘吐いても良いんでしょ?
それから、一時間毎にジョージは『もう駄目だ』とか『俺が死んだら……』ってどうのこうの言い出すんだよ。
「マナブ君、やっぱり俺は日頃の行いが悪かったのかなぁ?」
「うん、僕、一旦家に帰るよ。また直ぐ戻って来るから、それじゃあね」
そろそろ、ナッちゃんを迎えに行かないといけない時間になってたんだ。
まぁ、ナッちゃんを迎えに行った後にまた戻って来るつもりだけど。
ジョージが寂しそうな顔してる様な気がしたけど、気のせいだよね。
ナッちゃんを迎えに来たは良いんだけど、ナッちゃんのお友達のノリちゃんも付いて来ちゃったんだ。
ノリちゃんは、ナッちゃん程ではないにしろ、お人形さんみたいでとても可愛いらしいんだけど、僕としては最近ナッちゃんが僕の事を呼ぶ回数が減って来て、その代わりに“ノリちゃん”って単語が増えて来てるから、顔には出さないけど少しだけノリちゃんに嫉妬してるんだよ。
昨日、試しに回数を数えてみたんだけど、僕の事が七十二回でノリちゃんが三十五回も出て来てたんだ。
そろそろナッちゃんも兄離れしちゃうって事なのかな?
悔しいから、僕も『マーク』って千回言ってやったんだけど、ナッちゃんも負けじと『ジョージぃ』って一日中言ってた来たんだよ。
流石に其処までマークに心酔してる訳じゃないので、今回は仕方ないからナッちゃんに勝ちを譲ったよ。
どうやらナッちゃんは、マークよりもジョージの方が気に入ったみたいなんだ。
確かに、身体も大きくて威圧感たっぷりのマークよりも、喋るお人形さんとかクッションの感覚に似てるジョージの方が親しみやすい様な気がするけど、だからって僕はマークが駄目だって言ってる訳じゃないからね。
まぁ、ノリちゃんが付いて来てしまった事は仕方ないとして、ジョージのお見舞いに行かないと。
二人を引き連れて、ジョージの部屋、基、病室に舞い戻って来た僕は、挨拶もそこそこにナッちゃんとノリちゃんをジョージの上に乗せて上げたんだ。
「……ま、マナブ君。ぐふぉ、きょ、今日はいつもに増してハゲっ、激しいね?」
ジョージの上を二人が仲良く跳ね回ってるんだけど、ジョージはまた僕のせいにしてるんだ。
マークには黙ってる様に言われたんだけど、やってもいない事、僕のせいにされるのはやっぱり面白くないよ。
でも、マークが言うにはジョージはスケベだから気を付けた方が良いって言ってたし……
まぁ、その時はその時って事で、どうせジョージは一人で起き上がれないんだしね。
「何言ってるんだよジョージ、僕は此処に居るよ」
「なふっ、なんだってぇえふっ、えぇぇ!
うっ、うへっ、また、新しい症状が……」
ジョージって本当に心配症なんだね?
「……違うよ。
ジョージの為に女の子を連れて来て上げたんだ。
『ジョージは女好きだ!』ってマークが言ってたからね」
僕がそう言った途端にジョージが卑しく笑ってたんだよ。
まぁ、ジョージの表情なんて見えないから、僕の想像の産物でしかないんだけどね。
「お、女の子!?
こ、こいつはまたずふっ、随分と過激な……」
「ナッちゃん、ノリちゃん、ジョージが喋ってる時は飛び跳ねちゃ駄目だよ。
そうしないとジョージぃ人形が壊れちゃうかも知れないんだ。
やっぱり玩具は大事に扱わないと」
いい加減に聴き辛くなって来たし、ジョージも辛そうだったし、僕ってとっても優しいんだよ。
「「はぁ〜い」」
二人は、ジョージの上を跳ね回るのを、飽きたのか疲れたのか知らないけど、それを止めてオママゴトに切り替えたみたいなんだ。
「ジョージぃ、あ〜ん」
「……」
「ジョージぃ、おいしっ?」
ナッちゃんとノリちゃんは、誰が持って来たか分からないけど、置いてあるお見舞いの品――果物セットから、思い思いの品を取り出し、ジョージの鼻に押し当ててるんだ。
ジョージの事を甲斐甲斐しく世話をするナッちゃんを見て、ナッちゃんは立派に育ってくれたなぁと誇らしく思う気持ちと、僕の知らぬ間に成長して行くもんなんだなぁと寂しく思う気持ちとで、お兄ちゃんとしては少し複雑な気分だよ。
「おにぃちゃん、ジョージぃがこれたべたいんだってぇ」
「マナブのおにぃちゃん、あたしはこれがいいです」
二人から果物を受け取ってみたものの、流石の僕でも果物ナイフの様な危険な代物を扱った事なんてないんだよ。
困った僕は、本当は人に物を頼むなんて好きじゃないんだけど、仕方ないからジョージに頼む事にしたんだ。
ジョージだって高校生なんだから、それ位出来るよね?
「ごめんよ、ジョージ……」
「……いや、良いんだ。子供は元気が一番だよ。
俺から言わせてもらえば、好き勝手しない子供なんて子供じゃないよ」
えっ!? そうだったんだ?
良い事を聴いてしまった僕としては、子供の権限を最大活用するべく、持って居た果物を置き、この前からずっと気になっていたジョージの枕元に設置してある謎のスイッチを二十回位、激しく連打さしてもらったよ。
「ジョージぃ合身っ! ……あれ? フライングモードに変形だジョージぃ! ……あれ? あっ、ポチっとな? あれ? あれ? あれ? あれ? あれ? なんだよっ! なんでだよっ! 動いてよ! 変身してよ! くそくそくそくそくそくそくそくそくそくそぉぉぉっ!」
『どうかなさいました?』
「どうしたもこうしたもないよっ!
ジョージが動かないんだっ!」
何処からか聞こえて来た女性オペレーターの声に僕は、僕の腕が悪いと思われるのは嫌だったので、ジョージは整備不良で動かないんだと言う事を必死に伝えたんだ。
『取り敢えず落ち着いて下さい。今そちらに向かいますので、絶対に動かさないで下さいね?』
「動かすも動かさないもないよっ!
最初から動かないのに動かせる訳ないだろっ!」
『大丈夫ですので落ち着いて下さい。無理に動かさなければ大丈夫ですから』
どうやら僕は、少し気を焦り過ぎたみたいなんだ。
なるほどね、落ち着いてやれば大丈夫って事か、僕とした事がいざと言う時のマニュアルをウッカリ忘れてたみたいだ。
「おにぃちゃん、あたしにもそれかしてぇ?」
僕が再挑戦しようとした丁度その時に、声を掛けられてしまい僕の興と言う物が半分位、削がれてしまったよ。
仕様がないから謎のスイッチをナッちゃんに渡したけど、これが実戦なら僕達は確実にやられてたね。
「もしもし、ジョージぃ?」
「どうかしたかい?」
「ジョージぃは、ここにすんでるのぉ?」
ナッちゃんの素朴な疑問にも、ジョージは嫌な顔一つせずって言っても表情は分からないんだけど、懇切丁寧に返事を返してたんだ。
ノリちゃんが、ナッちゃんの事を羨まし装に見てるんだけど、声を掛けようか掛けまいか、とにかくとってももどかしいんだ。
ノリちゃんの代わりにナッちゃんに声を掛けて上げる事にしたよ。
やっぱり人生、楽しまなきゃ、我慢のし過ぎは身体に悪いよね。
「ナッちゃん、次はノリちゃんの番だよ」
「はぁ〜い。ノリちゃん、こうたいだよ」
謎のスイッチを受け取ったノリちゃんは、僕にお礼を言ってくれたんだけど、それがとっても可愛いらしかったんだ。
まぁ、ナッちゃんまでとは言わないけれど、それでもお礼を言われるのはやっぱり気分が良いね。
「ねぇ、ジョージぃ。
ジョージぃはなんでジョージぃなの?」
えっ? ノリちゃんはそんな事が知りたかったの?
「それは……えっと……大人の事情とか……色々あったんだよ……」
ひどいよっ! ノリちゃんの時だけそんな曖昧にして、恥ずかしがらずにちゃんと教えて上げなきゃ不公平だよ!
「それじゃあ、ジョージぃっていくらでうってるの?」
「ははは、最近の娘って随分と積極的なんだね?
でも、駄目だよ。いつか出会う人の為に綺麗な身体をモニョモニョなんだ……
いくらマナブ君の知り合いだからって、この身体を売る事は出来ないよ……」
ジョージのせいでノリちゃんがとても悲しそうな顔をしてたんだ。
このままでは、ノリちゃんが泣き出してしまうんじゃないかと思う程に悲しそうだったんで、仕方なしにジョージの尻拭いをする事にしたよ。
「……ノリちゃん。申し訳ないけど、ジョージぃ人形は非売品なんだ。
でも安心して、ジョージぃで遊びたければいつでも此処に来たら良いんだよ。
此処なら無料でジョージぃと遊びたい放題なんだ」
ノリちゃんは僕の説明を聴き、まだ少し残念そうな顔をしてたけど、一応は納得してくれたみたいなんだ。
ノリちゃんも漸く落ち着いてきたかなと思ってたら、この部屋にいつもの看護婦のお姉さんが入って来たんだ。
「あっ、お姉さん、丁度良かった。
実は、ジョージがこの果物を食べたいって我が儘を言ってるんだけど、流石の僕でも難しくって困ってたんだ」
「へ? 野次君は大丈夫なの?」
徐にジョージに近づいた看護婦のお姉さんは、ジョージの脈とか色々と調べたんだけど、特に問題ないと判断すると、溜め息を吐いて肩を落としてたんだ。
「……果物ね? 分かったわ。今回はもう仕方ないけど、次からはこんな悪戯しないでね?
分かった?」
「はぁ、済みません……?」
ぷぷぷっ、ジョージったら高校生にもなって悪戯を注意されるなんてとっても情けないね。
それにしても、ジョージはどんな悪戯をしてたんだろう?
今度、教えてもらって、マークにでも試しみよう。
看護婦のお姉さんはとても器用に果物の皮を剥いてくんだけど、なんか手品でも見てるみたいに果物が別の物に変わってくんだ。
凄いね! 果物ナイフってあんな風に使うんだ。今度、教えてもらおう。こっちの方がジョージの悪戯よりも全然、役に立ちそうだよ。
「はい、どうぞ!」
綺麗に皮を剥かれた果物を皿に添え、その皿を僕に差し出す看護婦のお姉さんに後光がさして見えるよ。
ま、眩しい!?
「凄いや! お姉さんってなんでも出来ちゃうんだね? 僕、尊敬しちゃうよ!」
「フフフ、これ位、一人暮らしをしてると簡単に出来るものなのよ。
それじゃあ、私は忙しいからまた後でね?
此処は病院なんだからあんまり煩くしちゃ駄目よ?」
華麗に立ち去る看護婦のお姉さんを見送り、果物の入った皿をそれぞれ、ナッちゃんとノリちゃんに渡して上げた。
看護婦のお姉さんって僕の周りのお姉さんの中で一番優しいんだよ。
……って言うか、A子お姉様とかマスヨお姉さんと比べるのも申し訳ないよ。
あの二人のお姉さんは好きとか嫌い以前に、怖いんだ……
一通り果物を食べたナッちゃんとノリちゃんは、残った果物をジョージの鼻に押し当ててるんだ。
「ジョージぃ、おいしっ?」
必要に果物を押し当てられたせいで、鼻の辺りの包帯が果汁でべたべたになってしまってたんだ。
仕方ないから僕が包帯をずらして食べさせて上げたよ。
「マナブのおにぃちゃん、おててべたべたなのぉ?」
確かにジョージの口に無理矢理、果物を二人と違い手を使って突っ込んだせいで、僕の手がべたべたになってしまって、この手を持て余してたんだ。
そしたら、ノリちゃんが、さっきのお礼にとジョージの包帯を使って僕の手を拭いてくれたんだけど、それは気不味かったんでトイレに行こうとしたんだ。そしたら、ノリちゃんもトイレに行きたかったみたいなんで一緒に連れて行く事にしたよ。
ノリちゃんが洗面台に届かないとか色々と四苦八苦してから、漸くジョージの病室に戻ったんだけど、ジョージのベッドで、ジョージと一緒にナッちゃんが眠ってたんだ。
「おかえり、マナブ君……」
「ジョージ、なんて事を……
人の妹に、しかも幼女に手を出すなんて……
やっぱりマークが言ってた事は正しかったのか……
ジョージの事、見損なったよっ!」
「なっ!? ……ちょ、……」
怒りに打震える僕は、ジョージの言葉を待たずに、ジョージに毒を吐き捨て、急いでナッちゃんとノリちゃんを抱え込み、直ぐに家に帰ったんだよ。
――次の日、たまの休みにナッちゃんと遊んで上げようと意気込んでたんだけど、ナッちゃんは朝早くからノリちゃんと一緒に遊びに行ってしまったんだ。
遊びに行かれてしまっては仕方ないので、マークと公園をぶらぶらしてたんだけど、それも飽きたので日課になってしまったジョージのお見舞いに行く事にしたんだよ。
ジョージのお見舞いに来たは良いんだけど、病室は何故かナッちゃんと同じ位の子供達で溢れてたんだ。
何があったのか気になった僕達はジョージに近付こうとしたんだけど、同じくジョージのお見舞いに来ていたナッちゃんに、横入りはいけない事だと注意され、仕方なく最後尾に並んだんだ。
お兄ちゃんとしての威厳がとか思ってみたものの、これまた何故か並ばされてる看護婦のお姉さんを見てたらそんな些細な事はどうでも良くなったよ。
後ろから様子を伺ってたんだけど、どうやら順番にジョージに飛び乗ってるみたいなんだ。
いよいよ看護婦のお姉さんの順番になったんだけど、看護婦のお姉さんは一度後ろの方に下がって、助走を付けて空高く飛び上がり、空中で一回転したかと思うとそのまま膝でジョージに飛び乗ったんだ。
「安静にしてろボケぇぇぇぇぇぇぇっ!」
嗚呼、看護婦のお姉さんも意外と怖い人だったんだ?
続く
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そうそう、ノリちゃんも会員になってくれたんだよ。
ノリちゃんは五番って事だね。ついでに猫のボブとジョージも会員にしといたよ。
あの二匹はどっちがどっちだか分からないから、番号は適当にその日の気分で決めるよ。
うん、僕ってセールスマンの才能でもあるのかなぁ?
それから、ジョージ経由でボブも会員になってくれたみたいなんだ。
後、これもジョージ経由でボブから仕入れた情報なんだけど、どうやらこの前マークが不用意に漏らした一言のせいで、A子お姉様が自分はマークの女だとかって公言してやりたい放題やってるんだって。
皆が困ってるから、マークがなんとかしてくれって事みたいなんだけど、マークは『あの二人に関わりたくない』なんだってさ。
まぁ、僕も仕方ないと思うよ。
最後にジョージの事なんだけど、なんでも肋骨を三本ばかし折ってしまったんだって。
そのせいで、ジョージに飛び乗るのは暫く禁止になっちゃったんだよ。
悲しいね? まぁ僕が気にしても仕方ないか?
そいじゃあね!




