↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/12

恩人

誰かにつけられている。

相手は多分、明と金崎先輩。

バレないとでも思っているのだろうか。


後ろを気にしていたら、金崎さんに声を掛けられた。


「折本さん、どうしましたか?」


「ああ、何でもないよ、とりあえずベンチに座ろうか」



休みの日の公園は、とても静かで子供の姿がみえない。

さて、金崎さんの行きたいところを聞くとするか。


「あのー折本さんは、異世界帰りの勇者様ですか?」


「ぶっ!ゲホゲホ・・・」


いきなり何を言い出すんだ?

異世界から帰ってきたのは間違ってないが。


「金崎さんは、随分ロマンチックなんだな。俺の知り合いにもラノベが好きな人がいてさ。そういえば、最近アニメも多い・・・」


「誤魔化さなくていいです。実は知り合いに魔法が使える人がいて、その人も異世界から戻ってきたって言ってました」


「そうなんだ?金崎さんは小学六年生だっけ。まさか、その知り合いって・・・折本真奈美?」


「真奈美ちゃんは友達です!」


真奈美、喋ってやがる・・・。

言うなとは言ってなかったけど!

世の中狭い、狭すぎるよ!


「あー俺、真奈美の兄なんだよ。その話は俺の事で間違いないけど、勇者じゃないよ」


「そうなんですか?てっきり勇者さまかと思いました!」


異世界ものが大好きなんだな。

気持ちは分かるけど。

俺も異世界転移する前は憧れたからな。


「最近はまっているのは聖女さまですかね。折本さんは何か好きなジャンルはありますか?」


どうやら、好きなマンガやアニメの話がしばらく続きそうだ。



*** 金崎 透 視点



「随分、仲良さそうだな。おい・・・」


あかりが、嬉しそうに折本と喋っていて折本もニコニコとしている。

複雑な心境だ。


「ぼくが偶然を装って、邪魔してきましょうか?」


オレ様以上に頭に血がのぼっている奴がいた。

おかげで少し冷静になれる。


「デートを邪魔するバカがどこにいる(邪魔したいのはやまやまだが、後であかりに怒られるからな)・・・ただ談笑しているだけだ。だが、あいつらに共通の話題なんてあったか?」


高校生と小学生。

歳が離れすぎている。

マンガやアニメの話をしているのだろうか?

あかりは異世界ものが好きらしいからな。


「っ!わたるが、妹さんの手を触ろうとしている。もう我慢できない!」


「ちょっと待て!」


止める間もなく、野口が二人の前に飛び出して行ってしまった。

あー。

オレ様のせいじゃないからな?



*** 折本 渡 視点



「あたしにも魔法使えるかな?」


「さあ、どうだろう」


金崎さんが、魔法を使ってみたいというので手に触れようとしたら、明が茂みから出てきた。

髪に葉っぱが付いている。


「ちょっと!わたる。いたいけな少女になにやってんの?警察に通報するよ?」


「え?」


俺、何もやってないけど?

っていうか、明の目がマジだ。

スマホを取り出し、おもむろに番号を押し始める。


「ちょっと、明、落ち着け」


俺は明の手を取って、スマホを引き離した。


「わたる、返してよ!なにするんだ」


「つうか、明何でここにいるんだ?まさか俺たちをつけてきたのか?」


「・・・っ!そ、それは・・・」


「折本、すまない。妹が心配で、オレ様と一緒につけてきたんだ。だから叱らないでやってくれ」


続けて茂みから、金崎先輩が出てきた。

まあ、最初から知っていたが。


「それよりお兄ちゃん、凄いの!!折本さんが、異世界から帰ってきた人なんだって!」


「まさか、折本が?にわかには信じられんが・・・」


金崎さんが嬉しそうに、金崎先輩に話している。

どうやら異世界の話は金崎先輩にも伝わっていたようだった。

こうやって、秘密は秘密じゃなくなっていくんだな。


「あの・・・このことは二人だけの秘密でお願いします」


俺は、あかりちゃんを回復魔法で治癒させたことを正直に話した。


「やっぱり、あの時魔法で足を治してくれていたんですね!痛みが急になくなったのでびっくりしました」


デートは中止になり、四人で近所にあるカラオケ店に行くことにした。

二人きりのデートじゃなくなったのは申し訳なかったが。

みんなで、楽しい時間を過ごせたのだから良かったのだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。