表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺がただ竜を殺すだけの物語 第三章  作者: M.TOTTORI


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/63

第60話 ヤマクライ、襲来

レイが言った言葉には俺とブレンドン以外は動揺を見せなかった、その事に俺達は動揺してしまったが、そんな俺達にフランシスが耳打ちをしてきた、


「狩り場で狩竜人が全員死んだら、竜に喰われるのなんて当たり前の事だろ。俺達だって倒した竜は喰うじゃ無いか、それと同じ、そういう意味では竜と狩竜人は対等な立場だって事だ。死んで死体を残せれれば、親孝行をしたって言われるのが俺達狩竜人だぜ」


フランシスはそう言うと胸を軽く叩いて来た、確かにフランシスの言う通りで、死んだら喰われる、そんなのは満月熊が相手だろうと、サーベルタイガーが相手だろうと、ごくごく当たり前の事じゃ無いか。

それに、死体を喰われたからと文句を言うのはお門違いで、竜の生息地に踏み込んで狩りをしている俺達が、死体を親に見せたいなんて烏滸がましいにも程がある。


「その通りですね、随分落ち着いてますけど、フランシス先輩はヤマクライと戦った事が有るんですか」


俺の問いにフランシスはきょとんとした顔になり、周りを見渡した、そして小さく頷くと、


「多分この船には、ヤマクライと戦った事が有るのは、誰一人として居ないんじゃ無いかな。レイナルド隊長も始めて見たって感じだし、そういう意味では、黒龍教の連中は、どこでヤマクライを見つけて来たんだろうな」


平然と答えるフランシスに驚いてしまった、誰も見た事が無い、そんな竜と対峙して俺達はどうなってしまうのだろうか、


「は、初めて戦うなんて無謀じゃ無いですか、それこそ色々と準備とかしてから狩りに行くって聞いてたんですが」


俺の言葉に再びきょとんとした顔になったフランシスだったが、すぐに優しい笑顔になった。

そして俺の頭に手を乗せて、ゆっくりと撫で始めた、


「確かに、色々と準備をしてから、万全の態勢で戦うのが良いに決まっている。でもな、今、目の前に初めて見る竜が居る、初めて見る竜とは、何を準備してい良いのかわからないから戦えませんなんて、俺達が言える訳が無いだろう。そんな事を言い出したら、世界中に居るまだ存在を知られていない竜は、全部倒せない事になってしまう。それじゃあ俺達がいる意味が無いよな、たとえ俺達が今回の狩りで全滅しようとも、誰か一人しか生き残らなかったとしても、ヤマクライはこういう竜だと、こういう風に対処をした方が良いと、再びヤマクライと対峙する数多の狩竜人たちに遺して置くことが、すべての狩竜人の為でもあり、仲間の為でもあり、自分の為でもある、そして、犠牲になった町の人達の為でも有るんだ」


つい数日前に初めて竜を狩った俺には重い話しだった、だから頭を撫でながら優しい口調で伝えてくれたんだと思う、要約すれば今回の狩りは死んでも仕方が無い、全滅も有りうるが、それは他の狩竜人たちの為だから諦めろ、逃げだす事は出来ないぞ、って事だ。

でもそれはどんな竜と対峙しても同じ事、一緒に狩りをしていた同期が全滅した経験を持つフランシスだからこそ、それとほぼ同じ経験をした、俺とブレンドンに伝える事が出来る。


「いきなり町の中に船を突っ込まないだけ、今回のレイナルド隊長の初狩りは優しい方だぜ。俺の時なんてよ」


そう言いかけたフランシスに、強い力で俺達が突き飛ばされたかと思った次の瞬間、目の前には血にまみれたヤマクライの姿が有った、突然の出来事に剣を抜く事が出来ず、ブレンドンも俺と同じ様に震えていた。

すでに複数の剣が刺さり絶命しているヤマクライは、大きな口を開けたまま力無くつぶれた。


「次も来るぞ、つけられていたようだ」


そう叫んだのは、目にも止まらぬ速さで俺達の視界から消えていたフランシスだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ