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俺がただ竜を殺すだけの物語 第三章  作者: M.TOTTORI


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第29話 ジェイミーの内緒

「それではジェイミー王子が元の姿に戻られたのは、次期グッドゲーム家の王に成られるからなのですね」


「・・・ま、まあそんなところ、かな。まだ正式では無いから他言はするなよ」


明らかに動揺をしている事が見て取れるジェイミーは、俺から視線を逸らして視線を泳がせている、これは何かあるなと察した俺はレイラの顔を見た。

案の定レイラは今にも吹き出しそうなほど頬を膨らませて笑い出すのを我慢している、そんなレイラに向けて俺は滑稽な動きを見せた、あと僅かで溢れ出しそうだったレイラの笑いの堤防が決壊し、見ているこっちが引いてしまう程大笑いし始め、ジェイミーに睨みつけられて何やら小言で窘められていた。

またしてもレイラには悪い事をしてしまった。


「それでも凄いですよ、ジェイミー王子は。生半可な気持ちでは出来ないですよ、王に成れる立場を捨ててまで、姉であるオフィーリア姫様に家督を譲ろうとされるなんて」


「い、いやあ、シリルに褒められるとは思わなかったな」


レイラを不憫に思い、ジェイミーの機嫌を取るために少しだけ胡麻を擦ってみた、思いの外ジェイミーには効果が有ったようで、すっかりレイラへの怒りはどこかへ行ったようだ。


「そりゃあ憧れのシリル様に褒められたら、流石のジェイミー王子も照れちゃいますよね」


レイラがジェイミーをからかうように言い放った言葉に、俺はしばらく耳を疑い目をぱちくりと瞬いていた。

しかし、どうやらレイラの言った事は本当らしく、耳まで真っ赤にしたジェイミーがわなわなと震えながら口をパクパクとさせ、俺とレイラを交互に見ている。

そのうちにジェイミーは自分が赤面している事に気づいたらしく、両手で顔を覆い恥ずかしそうに全身を揺らし始めた。

もし学校に居る時にこんなジェイミーを見せられたら・・・、いやそれは考えるのは止そう。

恐らくは俺よりも周りの男たちが可愛さに心を打たれて、その原因を作った俺に怒りの矛先が向くだろう、うん、そんなにあの頃の俺と変わらないな。

一頻り恥ずかしがったジェイミーは俺の方を一瞬だけちらりと見た後で、問題発言をしたレイラの方へ歩み寄って行った。

そんなジェイミーを見ても余裕の表情をしていたレイラが、これまた俺の方へ視線を送って来た、どうやらまた助けて貰えると思っているらしい。

そんなレイラの視線に答えるために、俺は量の手のひらを上に向けてひらひらと手を振った、打つ手なしだと理解したレイラの表情はみるみる曇り、涙目になりながら震えている、背中からはわからないが、見た事も無い顔をしたジェイミーを見たのだろう。

またしてもレイラは自らを窮地に立たせた、流石に俺には絶対に秘密だったことをばらしたのなら、それ相応の報いは受けなくてはならないだろう、情報を漏らしてしまった相手は一国の王子様なのだから。

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