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俺がただ竜を殺すだけの物語 第三章  作者: M.TOTTORI


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第26話 ジェイミーの部屋

黙り込んで考え事をしている姫を前にして、手持無沙汰になっているとノックと同時にジェイミーがレイラを連れて部屋に入って来た。

入室の許可を得ぬまま入って来たジェイミーの無礼に何か言おうとしていた姫様だったが、客人を跪かせたままだった事に気が付いたのか、


「おおすまぬシリルよ、少し考える事が有ってな。ちょうど良いからジェイミー王子と積もる話しでもしてくるが良い」


「って事だ、シリル。俺と一緒に来てくれると思っていたのに、勝手にアルデンサルなんて行きやがって。とりあえず俺の部屋へ来い、人払いをするから多少の無礼は構わぬぞ」


そう言ってジェイミーは怪しげな笑みを浮かべた、俺は3年間もこの思わせぶりな同級生と過ごして来て、何事も無く無事に過ごせた事は僥倖だったのだろう。

もしあの春風の様な微笑みに騙されて差し出された手を握っていたら、今頃は俺は完全にジェイミーの手のひらの上で転がされていたはずだ、どうやらジェイミーもそれを狙っていたようだが、俺の中で俺を止めてくれていた大きな力のお陰で今が有る。


「わかりました、では下がらせて貰います」


そう言って姫様の前からジェイミーの部屋へ移動した、姫様とこの船を試運転したあの時と同じ部屋だった、


「ヘレナ嬢の部屋へは入ったようだが、この部屋は初めてだろう」


ジェイミーがにやけながらからかって来た、反撃を試みようと思ったがどこまで無礼を働いて良いのかがわからない、同級生だったとは言え相手は一国の王子様なのだから。


「はい、この部屋は初めて入りましたが、その・・・」


「どうした、多少の無礼は構わぬと言ったであろう」


笑顔のままジェイミーが繰り返し念を押して来た、学生の時は女装をしていた関係上、どこか手加減をしていたのだけれど、王子になった今はその線引きが難しい。

俺が何度もアントニオに突っ込みを入れている所を見ている筈なのだけれど、そこまでは流石に出来ないけれど、レイが普段俺をからかうくらいの事は言っても良いのだろうか、レイラの前だし何を言ったのかはすべて姫様に伝わるという事を心に留めておかねば、後から姫様にとんでも無い目に合わされてしまうだろう。


「ヘレナの部屋へ入った時は、その、流石にドキドキしましたけど、ジェイミー王子の部屋へ入っても同じ気持ちにはなりません」


素直な俺の言葉にジェイミーは口を開けて驚いていたが、レイラは大きく口を開けて大笑いした、そんなレイラをジェイミーは睨みつけていたが、


「無礼は許すと言いましたよね、ふふふ」


レイラはどうにも笑う事が我慢できずに上手く話す事が出来ない、そんなレイラを苦虫を噛み潰した様な顔をしてジェイミーが見ている、ジェイミーはレイラの無礼を許すとは言っていないと思うので、恐らく後からジェイミーに叱られるのだろう、レイラには悪い事をしてしまった。

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