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俺がただ竜を殺すだけの物語 第三章  作者: M.TOTTORI


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第24話 帰路

全ての積み込みが終わると、荷車と従者を二人残して姫様たちは空へ消えて行った。

狩竜人協定だとか憲章だとかにはあまり詳しくは無いのだが、どうやら俺が名も知らぬ竜に一太刀入れてしまったために、均等に分配しなければならなくなり、俺達の停船している広場で再び合流する流れになった。

その為に速やかにブレンドン達と合流し、早足で船まで戻らなくてはならない。

貸し出して貰えた従者の二人の足取りはとても軽く、怪我をしているブレンドンと僅かな荷物を積み込んだにもかかわらず、背中に少しばかり背負った俺達と大差が無かった。

姫様とは狩りに出る事は無くても、レイや他のアルデンサルの狩竜人たちと狩りに出かける事に成ったら、移動速度はこれくらいなのかと自分たちの力不足を痛感した。

帰りの道中は何の問題も起きず、姫様たちと出会うまでの出来事を考えるととても対照的だった。


「おーうお前たち、よく無事で帰って来たなぁ。話しは聞いてるから、一先ず二人にお礼を言って、甲板まで上がって来い」


船の上から俺達が返って来るのを待ち構えていたペインが、俺達の姿を見るなり声を掛けて来た。

船の傍でブレンドンが荷車から降り、もう片方の荷車から特異個体の尻尾や残った肉などを下ろして、二人の従者に深々と頭を下げた。


「どうぞお気になさらないで下さい、我々は姫様の命令で動いていますので。これ以上のお礼も不要です。もし我々の仲間が窮地に陥っていたら、その時にはどうか手を差し伸べて下さい。ではこれにて失礼致します、皆様のご武運をお祈りしています」


そう言い残して二人は風の様に去って行った、姫様が現れた時もそうだけれど、とにかく行動のすべてが早い、俺も経験を積めばあんな動きが出来る様になるのだろうか。

それはさておき、荷物の積み込みもそこそこに、俺達はペインに言われた通りに甲板へ上がった。

そこには、ペインの他に船の整備士や料理長などが勢揃いしていた、そして俺達に気付くと一斉に手を叩き始めて、口々におめでとうと俺達を称えてくれた。


「良くやったな、シリル、ブレンドン、ベン、ダン、ルイス、ロバート、バーナード」


手を叩きながらペインが一人一人名前を呼んでくれた、笑顔の者も居れば複雑な面持ちの者も居る、だとしても俺達はみんな生きて帰って来れた。

特異個体の初遭遇から討伐、そしてそこから燃えた狩竜人船での死闘。

それらをすべて経験した者も居れば、何も経験できなかった者も居る、それでも俺達は7人で一組、数少ない同期だ。


「顔を見れば大体言いたい事はわかるぞ、話したい事が有る奴は後で順番に俺の部屋へ来い。それとシリル、お前はなかなかとんでもない事をしてくれたなぁ、オフィーリア姫から直々の呼び出しが来てるぞ、お前も俺と話したい事は有るだろうが、姫様との約束が優先だ、すぐに綺麗にして面会して来い」


「はい、わかりました」


そう言い残して俺は自分の部屋へ行き、旅の垢を落として姫様から賜った正装に着替えると、急いで見覚えの有る狩竜人船へ向かった。

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