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第八十九話「総力戦」


一つのウィルスの攻撃から、続々と門の外へ敵が攻めてくる

そろそろ突撃をと考えていたバルクも即座に敵の動きを見て指示を出した。


「ようやく籠の中から出てきたか.....

こちらも総力を持って攻撃しろ!

これ以上の失敗は許されん、突撃ィィィィイイイイ!!!」


「行クゾォォォオオオ」


「コチラガヤツラヲ滅ッシテヤレ!」


物量と物量がぶつかり合う、戦いは手札の切り合いから

総力戦へと移行していた。


ーー


戦いが激しさを増す中、ショウはアンバーと共に

撮影用の機材を運んで元の場所まで戻ってきていた。


「うわぁ!全面戦争だ!

早く街の人たちに伝えないと!!」


「あら?戻ってきたのね?

さっきは急に変な映像が流れきてびっくりしたわよ?」


焦るショウの声を聞いて声をかけてきたエーミール

その声が聞こえるほうを向くと、

ビーチによくあるベット的なものに寝転ぶエーミールが居た。


「え?........今戦いの真っ最中なんですけど....

それと........変な映像??」


「ええ、今も流れてるわよ?ほら、アレ」


ワイングラスを回しながら顎で場所を示すエーミール、

彼に教えられた場所を見ると空中に浮いた画面にアンバーの顔がでかでかと映り込んでいた。


「ええ!?これずっと流れてたんですか!?」


「そうね、あなたがこのカメラを持ち出した時からずっと流れっぱなしよ?」


くるくると回していたワインを背中の方へヒョイッっと中身ごと捨てたエーミールは

退屈そうに吐き捨て、その場でヨガポーズ【半分の魚の王のポーズ】を始めた。


「そんな!?最初からじゃないですか?

ぼく変なこと言ってませんでしたか??」


「そんなことどうでもいいでしょう?

そんなに急いで持ってきたのなら早く使わないといけないのじゃなくって??」


驚くショウに本来の目的を思い出させようとするエーミールは、

気付けば鷲のポーズになっていた。


「あ!そうでした!!

エーミールさん、すみませんが少しお手伝いをお願いできませんか??」


「構わないわよ?

このワタシに何でも任せなさぁい??」


三日月のポーズからラクダのポーズに流れるような動きで変わるエーミールを

戸惑いながらもショウは止めた。


「まずはヨガを終了してください......」


「それもそうね?」


ーー


北門の外は様々な機械が入り乱れ混戦状態、

機械軍の方が数は多いが人機軍は質が高く

一人一人が何体かの機械を相手しながらバランスよく戦っている。


「オラッオラッオラッどうだオラァ!!

ハハッ、だいぶ数を減らせてるぜぇ!」


「よぉし、このまま押し続けよう!」


横並びで競うようにブレードとククリで敵を屠るシンとコール

前だけを見ていたがすぐ背後からズダァーンと響いた銃声で振り向くと

ライフルを構えるセレナが二人の後ろを取っていた機械を撃ち抜いていた所だった。


「ほらそこ!油断しない!!」


「悪ぃ、助かったぜ」


半分も反省していなさそうなコールに呆れながら

セレナはライフルを銃身が背後に向くよう脇に挟む、


「全く気をつけてよね?」


「そういやコメットはどうしたんだ?」


「ママなら昨日の夜から使えそうな物を集めるって言ってそれっきり、よっ!」


余裕ある口ぶりで返答するセレナも油断しているように見えたが、

後ろから飛び掛かる機械に脇で挟んだライフルの引き金を引いて

ノールックで風穴を開ける。


「はぁ〜?何だよ使えそうなもんって??」


「そんなのアタシが知るわけないでしょ??

ごちゃごちゃ言ってないでちゃんと倒してよ、

街に入られたらショウが危ないわ!」


「ちゃんと倒しながら喋ってるだろうがっ」


不用意に爆弾や飛び道具を使えない混戦でもコールはセレナと怒鳴り合いながら

短い間合いの得物で器用に敵を破壊していく、

そんな中確かに敵陣の真ん中辺りで声が聞こえた。


「こんだけ固まってたら一網打尽だなァ」


「さっきの弾幕野郎かっ!?

ガトリング砲だっ!全員避けろぉぉおお!!」


いち早く気付いたコールが叫び、

すぐ後にバルクが両手に持つガトリングが火を吹く。


「ぐわっ、危ねぇ!」


「(ガトリングは取り回しずらいはずっ)

ジャンプしてブースター展開ッッ!!」


コールの声でほとんどが、伏せや空中で回避する。

だが気付くのが遅れた者は敵味方関係なく弾幕を浴び、破壊された。


「タイミング最悪っ、退きなさいっっ!」


そして運悪く敵に囲まれていたセレナは避けるに避けられない状況だった。


(これじゃ避けるのは無理だわ、せめて一発アイツに食らわせてやるわ!)

「はぁぁぁぁああああ!!!」


回避を捨てたセレナは四方や上部、足元を刈り取ろうとする機械をものともせず、

正面に立つバルクへ狙いを定め、頭めがけて引き金を引く


ズダァーン


射出された銃弾はバルクの額に激突するが

貫通することなく弾き返され、細かい傷を与えるだけだった。


「硬すぎでしょ!」


「貰ったぜ」


(ここまでなんてっっ....)


バシュッバシュッバシュッ


セレナが目を固く瞑ろうとした瞬間、

視界の横をとてつもない速さの水が通り、襲い掛かる機械が吹き飛ぶ、

驚きで目を見開くとすぐ後ろで


ズドンッ バッシャァァァン!!と何か大きなものが空から落ち、

水飛沫が雨のようにセレナに降り注いだ。


「キューー!!」


巨大な落下音に水飛沫、オマケに聞き覚えのある鳴き声で振り返ると

水竜のキューイが真っ白い石のプールに入ってそこに居た。


「キューイ!? 何でここに!!?

というかここは危ないわっ、まだガトリングがっっ!!」


まさかのキューイ登場に動揺するセレナだったが、

すぐに敵の攻撃がまた続いていることに気付く、

振り向けば左右の弾幕はかなり近くまで狭まっていたーーが、

もう一つ何かが降ってきた。


ベコッ、メキョメキョメキョメキョッ


今度の落下物はバルクの目の前に落ち、

衝撃で土煙が上がってよく見えなかったが

鉄を無理矢理変形させた音が聞こえた。


「.....え?石の...塊??」


モクモクと立ち上る土煙の端からひょこっと白い大理石が顔を出していた。

キューイのことと言い、何故こんなものが落ちてきたのか理解が追いつかないセレナのずっと後方から声が聞こえる。


「ソレとかを取りに行ってたら遅くなったわぁ」


「ママ!?」


セレナが振り返って声の聞こえた方を見るが

そこには誰も居ない、混乱していると土煙の方から声がした。


「クソッ、銃身を破壊しやがったか」


土煙が晴れて見えたのは、土に塗れたバルクとひしゃげたガトリング砲二丁、そしてその上にドッシリと乗りかかった聖堂の建築材に使われる真っ白な大理石

ーーその真四角に切り出された大理石には紅い槍が一本突き刺さっていた。


「粗大ゴミは固めて置いとかなきゃだわぁ」


今度は機械軍の後方にある丘から声が聞こえたと思えば赤黒い稲妻をバチバチと纏った鉄の塊がバルク目掛けて衝突し爆発した。


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