108/214
好きを投げたかった
雪が降って来た 子供の頃を思い出す
さっそく 学校の校庭でクラスメイトと雪合戦
まだ新米の担任の女の先生も加わる
ぼくは素手で雪玉を せっせと 作っていた
手が氷のように冷たくて それでも楽しかった
みんな夢中で雪合戦をしていた その一瞬
担任の女の先生が 両手で顔を押さえて その場に
蹲っている
みんなが心配そうに 先生の側に集まっている
どうやら 誰かが投げた雪玉が顔に直撃してしまったようだ
先生は泣いているようだった
みんなが口々に 慰めてる
先生に怪我は 無いようだった
ぼくも 先生に言葉をかけたかは記憶には無いけれど
顔を覆っている 痛そうな 恥ずかしそうな 先生の
姿を 見つめながら
今この 刹那 先生に 優しくことばを投げかけたら
先生は ぼくのことを 好きになってくれるかな
そんなことを考えていたのを 今も覚えている




