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凸異世界ケモ獣ライフ凹  作者: バリタチ
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第四十三話 勇者様御一行


 「ど、、、ど、、、どうしたのじゃー!こんなにー」


お寺みたいな作りの王様の家の庭に


ズドーンと置かれた魔物の山


「どうしたって、アンタが頼んできたんだろ?」


「そ、そうじゃった!よくぞこんなに、、ありがとうな」


「フンッ!どうせ大した所じゃねんだろ!獣の国なんて」


「むー、、行ってみないと分からんからな、、何とも言えんわい」


「へーい、、まっ楽しみにしてるよ」


さて困った、、どうやって持っていこう、、


「おーいだれか、、誰かおらんか?」


「ハイッなんでしょう」


王様が叫ぶと執事のテネブルがすぐやってきた


眼帯と何故か腕に切り傷があるテネブル


王様が産まれる前からここの執事である


もちろん先代の王にも仕えていた!


「こんなにたくさんどうすればよいかのう、、獣王国に持って行きたいのじゃ」


「それでしたら私の収納をお使いください」


「オオッ助かるわい!ワシも収納が欲しいのう」


「私がおりますので、王様は命令してくださればよいのです」


「そうか?テネブルが執事で助かるわい」


「、、勿体なきお言葉です」


「これだけあれば大丈夫じゃろう」


「お伺いしても宜しいですか?」


「なんじゃ?」


「獣王国にお土産ですか?」


「いや、お金に換えてくれるそうじゃ!竜と魔族にも

お金に代わる物を持ってきてくれ、と言ってたからのう、、うちだけ持っていかなかったら恥ずかしい思いをしそうじゃ」


「なるほど、、!では念のため他にも見繕っておきます」


「おおっ助かるわい」


ヒト種族のレギオン国は大地の神レギオンを信仰している


その為、田畑が盛んでお米や麦、野菜、豆、じゃがいも、人参、玉ねぎ、とうもろこしなどなど畑全般が特産品である


最近になってようやく鶏みたいな魔物や猪みたいな豚っぽいのを家畜として育てているし

少しずつ漁も始め魚も流通しているそうだ


が、、やはりまだ文明が成熟しておらず


地球から転移した勇者、翔太から言わせれば


サムライの時代かよ!と、、


食べ物は塩だけ


茹でた野菜だけ


肉も魚も素焼き


そんなんじゃ栄養が足りないと

翔太は好き勝手に魔物を討伐しては独りで野営し

満腹になるまで食べまくった


「ゲプっ!塩だけじゃイマイチだなって思ったときもあったが

この世界の魔物ってうめーな!

こうなると日本の鶏肉とかの方が味が薄かった気がする、、」


最初こそ旨味調味料が足りないのか

口に合わなかったが

喉元過ぎれば何とやら

今では素材の味の濃さに満足していた、、




独りで討伐してきた魔物はおよそ50体ほど

もっと動けたがいかんせん運ぶのが大変だった


なので上のランクから

Sランク2体

Aらんく20体

Bランク20体

Cランク8体


むしろよく独りで運んだと感心である


それもそのはずガッチリだった身体が今やガチムチ クラス


髪も伸び、無精髭も伸びてきていて

まさに野生の雄そのもの


これでニッカポッカでも着てたら一人前のガテン親父に見えるほど


「ウッ、、自分の匂いにやられた、、!くせー、、水浴びすっか!」


肉ばかり食べてるせいか、太ったせいか

翔太の今の悩みは体臭が臭いこと


「ハァーッ、、ちゃんと女と仲良くなってからこっち来ればよかったなー

これじゃあ戻っても翔太くせーよ!って言われちまうな、、」


翔太は独りゴチた


すると庭に1匹のミツバチが入ってきた


「ん?アレは、、」


翔太を見つけ空中でホバリングしているミツバチ


「もしかしてお前、、日本にもいたミツバチか?」


昆虫に話しかけてしまった。疲れてるのかな、、


そう思い直し部屋へ戻ろうとしたら


ミツバチがプルプルと首を2回縦に振った


「え?、、お前もしかして言葉わかるの?」


またプルプルと首を2回縦に振る


「ははは、なんだよめっちゃ頭いいじゃん!

こっち来いよ!いたずらしねえから」


その後結局翔太はミツバチにずーっと話しかけていた


「なあ、、聞いてるか?」


プルプル


「だからな!俺は早く日本に帰らないといけねーんだ!妹が待ってるからな」


プルプル


「なあ、相槌だけじゃやっぱり限界があるなー!

返事できねえの?」


、、ふるふると横に振る


「そっか!まあいいや。、、なあ、俺くせーか?」


イキナリミツバチを持ち上げて脇の下に持ってった


するとふるふると横に振る


「お!なんだ臭くねえのか!心配して損したぜ」


その日の夜まで翔太はミツバチ相手に話続けた


「明日獣の国へ行くんだ!良いとこかな?」


プルプル


「本当か?良いとこならここに住まなくてもいいよな」


プルプル


「そうか、、そうだよな!別にここに義理はねえし!」


プルプル


「ははは!よーし、ここより良いとこだったら引越し決定ー」


「プルプル


何だか話の流れで獣王国が良い所なら翔太は引っ越すそうだ


トントンッ「失礼します」


「なんだ?遅くに」


「いえ、入っても宜しいですかな?」


「ああ、、」


スッと襖を開けて執事が顔を出す


「おや?もしや、、その虫が王様の言っておられたミツバチとやらでは?」


「なんだよ!コイツはアレだよ!、、俺のダチだな」


「ダチ?」


「友達の事だよ」


「しかしその虫がいないと明日獣王国へ行けなくなります、、、丁重に扱いください」


「けっ!わかったよ!、、あっ水とか持ってきて!コイツにやるから」


「かしこまりました」


ミツバチさんは喉が乾いていたのかたくさん飲んだ


「悪かったな、、気付かないで!俺今ちょっとギリギリなんだよ」


プルプル


「お前は優しいなー、、ハァーッ、、泣けてくるわ」


ブブブブ


肩にちょんと乗るミツバチさん


「へへ、ありがとな、、少し話せて楽になったわ」



そのまま倒れて翔太は寝てしまった


そのままでは風邪を引くのではないか、と


ミツバチさんは布団をかけてあげた



チュンっ、、チュンっチュンっ!


「ん、、寝ちまったか、、あれ?俺布団かけたっけ?」


ブブブブ、、ピタッと肩に乗るミツバチさん


「おっ!良かったまだいた、、おはよう」


プルプル


「夢じゃなくて良かったぜ、、飯食うか?」


ふるふる


「いらねえのか、、もしかしてハチミツがいいのか?」


プルプルプルプル


今までで1番激しく首を振る


「ハハ、やっぱりか、、まだ昼まで時間あるからな

俺の知ってる花畑いこうぜ」


プルプル、、ブブブブ、、ピタッと翔太の肩に乗るミツバチさん


「いくぜ、、落っこちるなよ」


ビュンッと外へ出たと思ったらスキル飛翔と唱えて空を飛んでく翔太


ミツバチさんより早いのか一生懸命ぎゅっと捕まる


「このくらいは大丈夫そうだな、、もう少しだからな」

プルプル


すると山の斜面にたくさんの花が見えた


白い花と赤い花


割と小さめの花かな、、


「この花はどうかな???」


翔太はよく分からないので恐る恐る聞いてみた


プルプルプルプルプルプルプルプルプルプル


「ハハ、良かった!たくさん飲んでいいからな」


すると小春日和だったせいか翔太はその辺で寝てしまった


「フフフ、、この花は梅かな!

丁度梅干しを作りたかったんだよね!

後で王様に言ってみようかな、、、


梅が有れば梅酒も作れるし、、」


ああ、、梅干し食いてえな、、ジュルっと涎が出てきた翔太であった


「ん?梅干し?、、、誰だ!?」


「フフフ、こんにちは!獣王国からお迎えにあがりました」


王様では無さそうなのでペコッと頭を下げるブー


「あ、そうでしたか、どうも」ペコッと翔太も頭を下げる


「失礼ですがお名前をお伺いしても宜しいですか?」


「あ、すいません、、翔太です」


「はじめまして、僕は熊獣人のブーといいます」


「ブー?、、プーさんみたいですね」


「フフフ、、王様はどちらですか?」


「あ、いっけね!寝てた、、ちょっと離れてるので戻りましょう、、、飛べますか?」


「飛ぶ?、、大丈夫ですよ」


そう返事したらシュッとジャンプする様に空へ飛んだ


ブーって人は大丈夫かな?とチラッと観ると

デッカい蜂にぶら下がっていた


「げっ!!デッカい蜂ですね!」


「この子がミツバチさんの母親です」


「へー、、綺麗!宇宙みたい」


「ビー」


綺麗と褒められて嬉しいビー


「では、、案内します」


「はーい」


翔太が結構本気で飛んだのにデッカい蜂は難なく付いてきた


やるね、、獣王国!


翔太は期待でワクワクした


自分より弱いのだけなら全滅か奴隷にでも?と考えていたが

これなら大丈夫そうだ、と


王様の屋敷の庭にストッと降りる

ビーとブーもゆっくり着地した


そこにはもう既に王様と奥様、執事のテネブルがいた


「おお、、貴方が獣王国の使者ですかな?大きなお方だ」

「はい、お迎えにあがりました!王様」


そう言いながら再敬礼をするブー


「これはこれは、とても礼儀正しいではありませぬか」


「ありがとうございます!」


「して、どうやっていくのじゃ?」


「はい、皆さま宜しければお手を繋いでください

一瞬浮いたような感覚になりますが、すぐに地面になります、慌てずそのままでいてください」


そう言われ、皆手を繋いだとき


「ビー、移動」「ビー」シュンッ


「オオッ、、ここは、、」


「まあ、、何という」


「ホッホッホ、、これは愉快じゃ」


「なんて、、なんて懐かしいんだ!」


「「「獣王国へようこそ!いらっしゃいませー」」」


今日も今日とてお祭りモードのケモツーアイランド


何処からか流れる音


何処からか聞こえる懐かしい掛け声


何処からか届く懐かしい匂い


そしてお祭りの音楽


そう、、まさしくここは、、日本


「なんで?俺は帰ってきたのか?」


一瞬で地球へ戻れたのか?と周りに問うも

どうやら違うらしい、、屋台を観れば獣人だし

神輿の担ぎ手も毛でもじゃもじゃ


雰囲気も匂いも音もそうだが


そうではない、、、


肝心の人間、、日本人がいないのだ


「ちぇっ」翔太はゴチた!!妹に会えるかも、、と僅かに期待してしまった


もう心のどこかに押し込めたはずなのに、、また思い出してしまった


そのまま翔太は何処かへ行こうとしたので

若い狸さん♂にお願いした


「良かったら僕が一緒にいるのー」


狸さんは人間より小さい

背丈で言えば140センチくらい


175センチもある翔太、、しかも今やガチムチ になった翔太からしたら狸さんは、、丁度妹くらいだった


「べつに、、、ついて来んなよ」


「そんな事言われても困るのー、、付いていくのー」


ブーに頼まれたからにはほっとけない狸さん


何としても付いていく気だ


「、、、じゃあ、、この音は?ザーッて、、」


「この音は露天風呂なのー」


「露天風呂?そんなもんあるのか?行こうぜ」


「ま、まつのー」


走り出す翔太に追いつこうと必死に走る狸さん


だけど狸さんでは追いつけない、、何故なら狸さんはちょっとメタボだから


「ふぅ、、ふぅ、、苦しいの、、」


「ハッ!もっと運動しないとダメだぜ」


「、、むー」


そう発破をかけたセリフも

不貞腐れた顔も見覚えがある


妹が幼稚園のかけっこで負けた時に言った言葉だ


そしたら不貞腐れて2日も口を聞いてくれなかった


短い時間の中で翔太が悔やんでる事の1つだ


「、、今度教えてやるからさ、、がんばれよ」


「、、えっ、、わかっ、、たの、、」


そう言いながら狸さんの頭を撫でていた翔太


「ほらっ早く入ろうぜ」


「うんなの」


付き添いだから別に入らなくていいと思ってた狸さんだったが、お客様が言うから良いのではないか?と悩、、まずにすぐに入ってしまった


「ハァーッ、、やっぱりお風呂はいいのー」


「ああ、、しかもなんだここ、、ハワイアンズ かよ!スライダーすげーな、、後で滑ろうぜ」


そう言いながら泳いでいる


しかも顔をつけないクロールであっちにこっちに

超スピードでバシャバシャ泳いでいる


「ハァーッ、、すごいの」


呆気に取られる狸さん


人間って皆んなこんなに運動神経いいの?

だとしたらやばくない?と


ゆっくり入ってたらのぼせそうになったので

うんしょっと短い足でなんとかお風呂の縁にあがろうとするも、、なかなか登れない狸さん


すると誰かがお尻を押してくれた


「あ、、ありがとうなの!」


「礼なんかいらねえよ!」


そう言いながらまたバシャバシャと泳いでいる翔太


人間は元気だのー、、「今僕はお客様の対応中なの、、だからトロピカルドリンク二つ欲しいの」


そう言って露天風呂の売店担当の犬獣人に伝える狸さん


「はいよ!頑張ってな」


「はいなの」


冷たいドリンク2つ持って人間へと近付きドリンクを渡した


「ヘヘッめっちゃ美味いなコレ」


「そうなの!美味しいの」短い手で一生懸命ドリンクを持ちながら飲む狸さん


すると手が滑って落としそうになる、、が落ちなかった


「ホラよ!、、気をつけろよ」


「あ、、ありがとうなの」


ここは露天風呂で湿気が多いから手が滑る


それなら椅子から降りて椅子にドリンクを置いて飲めば大丈夫かな、と考える狸さん


「ハハッ、、本当に小ちゃい子供みたいだな」


「、、むー」


「いっけね、また余計な一言だったな、、悪かった!」


「本当の事だからいいの」


「ヘヘッそう怒るなよ、、ホラっ次はスライダー行こうぜ」


狸さんを抱っこして向かう翔太


もはやペット扱いである


「コレ、、コレは僕が滑ると溺れるの」


「ヘッ、、なら一緒なら問題ねえな!」


お腹のとこに狸さんを置いてズザーっと滑る翔太


「ヒャッホー」


そろそろ着水地点か、、ってとこで狸さんを頭より上に抱き上げたので狸さんはお湯にかからずに済んだ


「いやーコレなげーな!どうやって作ったんだよ、、すげーなここ!」


「ウフフ、、初めてコレ滑ったの!楽しいの」


手足が短い狸さんは色々不都合がある


他の獣人が当たり前に出来る事が狸獣人は出来ない


故郷では皆狸だったのであまり気にしてなかったが

ここケモフィに来てからは違った


何か頼まれても他の人より時間がかかる


何なら出来ない事もある


それで引け目を感じていた


周りの人に迷惑をかけていたんじゃないかと


でも今この人間は僕をずーっと見てくれて

一緒に遊んでくれてる


それが狸さんにはたまらなく嬉しかった


「あの、、ありがとう」


「ヘッ、、楽しかったんなら、、もっと滑ろうぜ」


ニカッと笑いながらそう言う翔太はまたもやガシッと狸さんを掴みスライダーの階段を一気に駆け上がり

ズザーっと滑った


「ヒャッホー」


「わーい」


ザブーン


「アハハハ、楽しいな」


「うん、、楽しいのー」


結局王様、王妃さま、執事のテネブルが来るまで2人はずーっと遊んでいた。


王様達が嫌なのか翔太はすぐ着替えて、狸さんと一緒に屋台巡りをした


「ウメェ、、マジウメェ!日本最高ー、、ホラ食えよ!どれがいい?」


「えっ!僕は今仕事中なの。、、」


「ふーん、、さっきまで一緒に遊んでたくせに、、」


「、、、」


あっ!また余計な一言だったか、、全く俺って、、


「悪かった。どうやら俺は一言多いらしい

頼むから一緒に食ってくれよ!なっ

お前の上司には俺が無理やり食わせたって言うから。なっ」


「本当なの?」


「ああ、、、」


「あそこの焼き鳥屋さんのイガーさんなの、、上司」


「ヨシッ!」


「なあ、、アンタがあの狸の上司って人?」


「へ?、、狸?」


屋台の外で指を指す翔太


それを屋台から身を乗り出し指先を確認するイガー


「あーあ、、んー、、上司ってゆーより仲間だ!」


「仲間、、、とにかく俺の案内をさっきの熊の人に頼まれたのがあの狸なんだ、、で、俺はアイツと一緒に飯を食いてえ」


「なるほど、、、じゃあ、、たくさん食べさせてくれ」


ピシッと親指を立てて焼き鳥を渡すイガー


「アハハ、、アンタ最高だぜ!サンキュー」


焼き鳥を貰いビシィっと翔太も笑顔で親指を立てた!


「ホラよ!たくさん食わせてくれ、、だと」


「本当なの?やったー!焼き鳥ー♫」


「ヘヘッ!美味いな、焼き鳥」


「うん、、おいちーの」


笑顔で一緒に食べる人間と狸獣人


、、、


おかしい、、獣人側は困惑していた


さっきの人間達は「獣が作ったのか?食えるのか?コレは、、、美味そうな匂いはするが、、変な物は入ってないだろな、、!」


「王よ!油断すまいぞ、、毒が入っていたら大変じゃ」


「、、そうだな、、、」せっかく作った物をポイっと捨ててしまった


獣人達はショックだった


昨日の仕込み、朝からの準備、全て美味しいと言って貰う為の努力


それを一瞬でズタズタにされた


アイツらは何なんだ!腹が立っていた


あれ?また来た


また出しても捨てるんじゃないだろな、、不安だった


そしたらうちの村の狸と仲良く笑顔で美味しいと食べてくれた


同じ人間でも違うんだな、、、うん、、そうか、、


獣人達も一人一人違うように

人間も違うのか、、


「えーっと、、美味かったです、、ごちそうさまでした」


「あっ、、ああ、、ありがとうございます」


「ヘヘッ、次は何食う?」


「えーそろそろお腹いっぱいなのー」


「早いな!このお腹はもう少し入りそうじゃないか」


「ギャハハハ、やめるのー」


うん、、仲が良いってのはいいね


「ギャハハハ、、ハー、、出そう、、」


「おい、、吐くなよ!」


「フー危なかった!、もうくすぐったらダメなの」


「ああ、、悪かったよ」


お腹いっぱいなのかヨーヨーや射的で遊び始めた翔太と狸さん


その後はステージでショーが始まれば観に行き


終わったら一緒にバドミントンをやって遊ぶ翔太と狸さん


そろそろ夕方かな?という頃


獣人の1人が「そろそろお宿の準備が出来ました」と呼びに来てくれた


「なあ、、一緒に行けないか?」


「えっ、、流石にそれは無理だと思うの」


「そうか、、俺はまた独りか、、」


「、、、、」


「今日はありがとうな、、明日もさ」


翔太が言い終わる前に走ってく狸さん


「あっ、、、行っちまった」


なんだ!また独りか、、、クソッ、、つまんねーな


トボトボと歩く勇者


「あー、、久しぶりに笑ったな、、クソッ、、俺は、、また独りだ、、グスッ」


仕方ない、、翔太はまだ16歳


イキナリこの世界に放り込まれたのだ


ずーっと我慢してきた


でも今日久しぶりに友達と遊んでた時みたいで楽しかった

それがまた独りぼっちに戻される


翔太は泣いた


「チクショー、、チクショー、、」





「何で泣いてるの?」


「えっ、、」


「顔が、、濡れてるの、、」


「なんだよ、、なんでまた来たんだよ、、」


「ブー様に許可を、、貰ってきたの!」


「、、なんの?許可?」


「しょーたと一緒に居てもいいか、、」








「うわー!」


テニスコートに差し込む夕陽の中


翔太は狸さんを抱きしめた


こっちの世界に来て初めて出来た友達


弟みたいな存在に癒された


もっと一緒にいたいと思った


「ウフフ、、涙が冷たいの!早く拭くの」


自分の服でゴシゴシ拭いてくれる狸さん


「ヘヘッ、、下手くそ!いてーよ」


「むー、、」


「わかった、、悪かったよ!俺はいつも一言多いな」


「ウフフ、、僕はいつも一言少ないから丁度いいの」


そのまま手を繋いでホテルへ向かう2人


「なあ、、」


「ハイなの」


「名前は?、、名前はなんてんだ?」


「僕はノーマスだよ」


「ノーマス?、、じゃあノーマス!後で背中流してやるよ!」


「えー、、またお風呂入るの?」


「なんだよ、、じゃあアレか、、夜の散歩ってなどうだ?」


「夜に出たら怒られるのー」


「内緒だよ、、俺とお前の、、なっ」


「内緒?、、なんだかイケない事みたいなの」


「大丈夫だよ!俺は勇者だからな」


「ふーん、、」


「あっ!お前ひでーな、勇者結構凄いんだぞ」


「僕は勇者だからショータと一緒にいるんじゃないの」


「じゃあなんでだよ」


「ショータだから、、ショータがショータだから一緒なの」


「何だそれ。、」


「むー、、ことばはむずかしいの」


「へっ、、ショータはショータか、、」




「大変お待ちしておりました!」


「あ、、迎えに来てくれた人」


「はい!うちのノーマスと仲良くしてくださりありがとうございます」


「ブー様僕の名前知ってたの?」


「フフフ、、もちろんだよ!」


「あの、、、ありがとう」


「えっ?」


「ノーマスと一緒に居れるようにしてくれて」


「当ホテルはお客様の望みを最大限叶える事が勤めです」


「あ、、そーゆー感じ?」


「フフフ、、お客様さえ宜しければ

先ほどの王様達とは違うお部屋をご用意致しますが如何でしょう?」


「えっ!マジで?良かったー、アイツら好きじゃないんだよね!マジ助かるわ、、アンタ神ってるよ」


「フフフ、ありがとうございます!ではコチラのスタッフが御案内致します、どうぞごゆっくり御寛ぎくださいませ」


「なあ、、やっぱり背中流してやるって」


「ええー、、しつこいのー」


「なんだよ、減るもんじゃねえし、よくね?」


「えー!それよりこのエレベーターってのすごいのー」


「エレベーター??そんな凄いかー?」


「ショータは頭が悪いのー」


「今結構酷いこと言ったなノーマス」


「あ、、やばいの!?」


「ハイもう背中流し決定ー♫」


「えーーー」


勇者の部屋は最上階3つの階の1番下の階にした


そうすれば最上階の王様達と会う事も、声が聞こえる事もないだろうと、、


シャワーと浴槽はありますが

露天風呂はありませんとスタッフが伝えると


夜遅く、非常階段から下の露天風呂に飛んでったみたい


それを聞いたブーは

宿泊客がスキルを使ったら危ないか、、、


うーむ、、しばらく様子見かな、、




何にせよノーマスが楽しそうでよかった


落ち着いたら交代で休みにしよう


もちろんケモツーアイランドフリーパス券付きで


その事をイガーに言ったら大賛成してくれた


「一緒に行こうぜ、なっ」と


「えー、、そうなのー?」と狸さんを真似してみたらどんよりしてた


フフフ、イガーからかうの面白い






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