第三十八話 勇者
「うえっ!クソマジー!ペッペッ!ハンバーガーとかねえの?マジ最悪」
「、、、」
「、、、」
「うわっなんだこりゃ!茹でた芋かよ、、ウケるわ!原始時代かよ!」
「ウヌヌヌッ。もう我慢ならん、勇者よ!お主は独りで飯を食え」
「ハッ!言われなくてもそーするわ!こんな化石料理を美味いと思ってるアンタらとは味覚が合わねー!じゃあな、俺は好きにやらせてもらうぜ」
「グッ!クソッ、、オイっ!」
「ハイッ」
「アヤツは本当に勇者なのか?何かの間違いでは?」
「ハッ!3回も調べましたので、、流石に間違いとは、、」
「ええいクソッ!じゃああの態度はなんじゃ?この国を救おうという気持ちを感じられんわい」
「、、外れてしまっ、、」
ギロっと王様に睨まれたのでその先を喋らなかった執事みたいなおじいちゃん
ここはイガーやブー、村長がまだケモフィ村に移動する前のヒト種族の王都
地図でいえば獣王国の北西、遥か15000キロ
日本からなら南米ペルーまで行けるほど遠い地
王都とはいえ木造建築!日本ならお侍さんの時代くらいの文明レベルであった
そこへ異世界から連れてこられた転移者
名前を「井口翔太」16歳!
中学からラグビーをやってきたので肌は浅黒く、身体はガッチリしている
だがしかし素行が悪い
度重なる校則違反で停学した事もある
その日も部活帰りに友達と駄菓子屋へ行き
おばあちゃんの観てない所でお菓子を盗もうとしていた
そんな時に突然出来た足元の穴へ落ちた
ドテーンっ!
「イテテ!なんで穴があんだよ!ん?どこだここ
おーい、、ぐっさーん、、、ヒロー、、えっ?」
キョロキョロと周りを観る、、、
「なんだ?ここ、、啓太の家か?」
啓太の家とは中学校の頃、父親がいなかった啓太くんの家が平家の木造建築だったのでフトそう思った翔太であった
実際には異世界なので啓太くんはどこにもいない
「おーい!」
「はじめまして勇者よ」
「は?誰だアンタ?」
「私はレギオン国の執事でございますじゃ」
「レギオン??なんだそれ」
「おおっ!此奴が勇者か」
周りの人より幾分か良さそうな服を着てる口髭親父
「なんだ?アンタ!、、勇者?」
「何だ、爺、、違うのか?」
「いえ、!王様、、たしかにこの鑑定アイテムには勇者と出ています」
「そうか!良かった、、さあどうぞこちらへ」
修学旅行で行った古いお寺を思い出す翔太
灯りは蝋燭、薄暗い廊下、歩く度に軋む音
前を「王様」と呼ばれる恰幅のいい口髭親父
後ろには執事みたいな爺ちゃん
「なんだよ、、ここ、、チッ」
翔太はイラついていた
早く帰って妹にご飯を作らないといけない
16歳の自分には38歳の母親と4歳の妹がいる
父親はいない!ギャンブルにハマってどっか行ってしまった
母親はろくに学校行かずにキャバクラで働くようになり
たまたま来た父親と意気投合し俺を産んだ
そして妹はまた違う父親だ
だからなのか、、、妹がとても可愛い
まあ4歳だから周りが世話しないと生きられないから
可愛がるのは当たり前だと思うが、、それにしても可愛い
ずっと抱っこしてられる
そんな俺をにーにー呼ぶ妹
ああ、、早く癒されたいのに!どこまで歩くんだよ
「すまぬな、こんな遠くまで、、さあでは見せてくれ」
「ん?何をだ?」
「勇者としての片鱗をだ」
「は?知らねえし、、どこだよここ、早く帰してくれよ!」
「フゥ、、それは無理じゃな!お主の住む世界とは別のとこじゃ」
「なっ?!」突然ドタドタと走り出し1番近い引き戸を開けて声を失う翔太
自分は小高い山にでもいるのか辺りが一望出来る
ここより高い建物が無い!
日本なら彼方此方にマンションや団地、電信柱や看板がある
それが何処にもない
あるのは周りの木々、そして眼下に拡がる木造建築の家々
「観た事ある、、歴史の授業やドラマで出てきた、、
いつの時代だよここは、、クソッ」膝から崩れ落ち床を両手で叩く翔太
「すまんな、、我々も困っておるのだ!協力してほしい」
「、、どうしたらいい?」
「遥か彼方に獣の国と魔族の国がある、、、そこへ赴き討伐してほしい」
「やってやるよ、、やって元の世界へ帰ってやる」
「オオッそうか頼もしい。頼むぞ
今日は色々あって疲れたじゃろ!爺よ、、部屋を案内してくれ」
「かしこまりました、、翔太様こちらへどうぞ」
トボトボと付いていく翔太
妹に会えない、、翔太は絶望感で押しつぶされそうだった
誰がアイツの面倒をみる?母親はキャバクラに行くし育児をしない
誰が育てる?、、誰が、、誰が、、
早く帰らなければ、、早く、、
「ぶつぶつ、、」
次の日ステータスを教会で見てもらったら
スキルの多さに皆驚いた
翔太 レベル1 人間 勇者
HP800
力1000
MP500
防御400
素早さ450
スキル 勇者固有スキル星7「勇者」 星7「鑑定」
星4「収納」
星4 創作魔法 星4 飛翔 星4 全状態異常耐性「小」
やはり、、勇者か、、
レベルさえ上がれば強い
「勇者よ!仲良くしようではないか」
ステータスとスキルを見て態度を軟化させる王様
その代わり様にまたイラついた翔太であった
自分より歳上なのだから媚びるな、と言いたい
ずーっと部活をやってたので気の弱い男が嫌いだった
ペコペコする奴は虐めてやればいい
そう生きてきた
「へっ!あからさまなんだよ!装備を寄越せ!レベル上げに行く」
「そ、そうか、、オイッ」
「ハイッ」
武器や防具、、、といっても鉄で出来ただけの剣と鉄の胸当てくらい
あとは靴か、、
「フンッこの程度か!」
「すみませぬ、、、我が国ではこの程度しか用意が」
「まあいい、どこに魔物がいる?」
「ハイ、、このまま真っ直ぐ、門を出て30分ほど歩いた所から魔物がたまに出ますじゃ」
「割とちけーな!行ってくる」
「お気をつけて、あ、コレらもお持ちください。何かあっては困ります」
そう言いながら薬草やキャンプ用品、ナイフや着替え、せっけんなどをくれた執事」
「チッ、、本当にゲームの最初みてえだな、、収納」
荷物を収納に入れて走ってった勇者
そのまま3日帰らなかった
「まさか死んだのでは?探してこい」
「、、ただいま帰路にございます」
「そうか、、全く、、」
戻ってきた勇者はボロボロだった!
しかし3日前より明らかに筋肉が増えている
調べたいが教会に行かなくてはわからない
とりあえず飯の準備だな、と食事を用意したら盛大に愚痴って出て行った
「フゥ、、不味いと言われてもな、、これでもこの国で一番の料理じゃ」
「そうですな」
王様と執事は困った
何がどう不味いのか分からないからだ
塩を振った鶏肉「血抜きをしてない、保存状態が悪い、茹でた後に塩を振っただけ」
それと茹でたじゃがいも
勇者が悪いわけでは無い
ただ、、余りにも美味しい料理の世界から来てしまっただけだ
それから半年後、、、
勇者は事あるごとに出掛け、帰ってこないを繰り返し着実に強くなっていった
今ではLLサイズの服すらピチピチになってしまった
ゲームで観ていた勇者像とは余りにもかけ離れた自分に少し笑う
Aランクと呼ばれる魔物をソロで倒せるようになってすぐ
冬が明けたら獣王国に呼ばれているから一緒に行こうと王様に言われた
チッ!一緒とかめんどくさ、、でも初めての他国
行って情報を得るべきか
それに討伐対象だろ、、、呼ばれるってどーゆー事だ?
訳がわからん
弱そうなら一気に皆殺しだな
「クックック、、」早くも妹に会えるのでは?
翔太はそう考えていた
目標が出来たせいか、、更なる飛躍によりSランクソロ討伐をやってのけた
その頃にはスキルの飛翔にて飛べるようになっていたので
あっちこっち手当たり次第魔物を見つけては倒す、見つけては倒すを繰り返しどんどんレベルアップしていた
「おっ!鶏がいた!アイツ美味いんだよな
敵を滅ぼせ!雷砲撃」
ズガンッツ
「やりー2匹ゲットー
しかし魔法って楽だなー!そこだけはこの世界に来て楽しめてるとこだな
えーっと 初級が雷砲「らいほう」
中級が雷砲撃「らいほうげき」
上級が雷鳴轟来「らいめいごうらい」
最上級が天地峯雷「てんちほうらい」
極みが「雷神」「らいじん
早く極み打ちてえなー」
人間 翔太 勇者 レベル49
HP 3900
力 4200
MP 5200
防御 2500
素早さ 1900
スキル 固有スキル星7「勇者」 星7「鑑定」星5「収納」
創作魔法 星5「雷、火、氷、水、土、光、各中ランクまで」
星5 飛翔 星5 全状態異常耐性「中」
暇さえあれば、、否、。毎日、毎日修行してきた成果が如実に出てきている翔太
もはやどの国に行っても即戦力だろう
特にヒト種族というだけあって魔法の伸びがいい
もう少しすれば上級も扱えそうである
因みに光魔法は生活に必要な灯り「照明」の他にも
弱い敵を寄せ付けない「破邪地」などがあり
もう少し頑張ったら「治癒」が使えた
あと自分の部屋に置いてある自分に関係する物の所へ移動出来る「転移」を今は頑張っている
転移は雷と光の複合らしいが、、2種混合というだけで一気に難易度が上がった
初めは襖を閉めて廊下から部屋に行く練習をしてたが
襖を2回破いたら「やめてくれ」と頼まれた
なので仕方なく今は襖を開けたまま庭から部屋まで移動する練習だ
こんなのラグビーでスクラム練習よりチョロいぜ、、と思ったら魔力が切れた途端フニャフニャと倒れた
「マジか、、魔力切れって、、、風邪引いた時みてえに一気にくるな、、ぐっ、、クソッ!」パタンと倒れた
「ンッ?、、あれ、、俺たしか、、」
「驚きましたぞ、、魔力切れですかな?」
執事の、、テネブルさん、、だっけか
「運んでくれたんですか?、、すいません」
「なにっ!我が国の為の勇者を手助けするのは当たり前ですじゃ」
「今は転移に挑戦してて、、むずいっすね」
「転移とは、、早いですな翔太さんは、、、アレは空間を、、こう、、折り曲げて目的地が横にあるイメージというか、、そんな感じです」
「目的地が横!!!へー、、後でやってみます」
「お役に立てるさたら幸いですじゃ、、では私はこれで」
「はい」
空間を折り曲げるか、、凄い発想だな
魔法はそのくらい自由じゃないとダメなんだ!きっと
それからの上達は早かった!
元々素行が悪く、締め付けられる事に抵抗してきた人生
自由にやれ、と言われればどこまでも伸びる
1週間もすれば
飛翔、目的地でレベル上げ、転移で帰宅が出来た
そしてようやく獣王国へ行ける日が迫ってきた
「んで?どうやって行くんだ?」
「何でもミツバチ、、なる虫?が来るから
その虫と一緒にいてくれ、、とな」
「ミツバチって蜂だろ、何でんなもんくんだよ」
「オオッ知っておるか」
知らねえの?マジで?
ヒト種族 レギオン国 王様 口髭親父「ガッチビ」
名前 レギオン・ギレウォン
ヒト種族 レギオン国 執事 眼帯してるおじいちゃん(何故か腕に多数の切り傷あり) ちょいメタボ
名前 テネブル
ーーー翔太の魔法ーーー
火属性 初級 火炎球「かえんきゅう
中級 炎柱花「えんちゅうか
上級 灼熱乱舞「しゃくねつらんぶ
最上級 マグマ地獄
極み 炎神降臨 「えんじんこうりん」熱線ビーム
水属性 初級 水球「すいきゅう
中級 水槍「すいそう
上級 水壁「すいへき
最上級 津波「つなみ
極み 水神降臨 「すいじんこうりん」水牢墓
風属性 初級 風刃草「ふうじんそう
中級 暴風柱「ぼうふうちゅう
上級 竜巻嵐「たつまきあらし
最上級 凪「なぎ
極み 風神降臨「ふうじんこうりん」星の怒り
光属性 初級 照明「しょうめい
中級 治癒「ちゆ
上級 浄化「じょうか
最上級 聖光「せいなるひかり
極み 光神降臨「こうじんこうりん」閃光乱舞
氷属性 初級 氷結弾「ひょうけつだん
中級 氷柱華「ひょうちゅうか
上級 吹雪「ホワイトアウト
最上級 氷結晶 ダイアモンドダスト
極み 氷神降臨「ひょうじんこうりん」絶対零度
土属性 初級 岩弾「がんだん
中級 岩槍「がんそう
上級 沼 「広範囲落とし穴
最上級 地震
極み 土神降臨「どじんこうりん」大地の怒り




