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凸異世界ケモ獣ライフ凹  作者: バリタチ
33/59

第三十三話 君が居ないだけで


 朝から問題が起きた


雪の降った夜の次の日

朝起きたら腰くらいまで雪が積もっていた


一日中雪掻きして終わるのかな、、


なんて皆んな呑気な事を考えていた


ただそれはいつもなら、、その程度で終わった


たった1つの問題によってその平和は一瞬で崩れた


発覚したのは朝食の準備中


「おかしいよね、、ブー様がいない」


「えっ?寝坊?珍しいよ、、」


「おいっ!誰が呼びに行ってくれ」


「寒いからって冬眠かな?」


最初はそんな冗談を言い合う村人

だが呼びに行った1人が戻ってきたとき

今まで平和だった村に衝撃が走る


!!!ブーさんがいない!!


作りかけた朝食もそのままにすぐに村中に広まった


「ブーさんがいないらしい」


「おいっ、ブーさん見なかったか?」


「なあ、どっかに出かけたんじゃねえか?ロームかヤミーに聞いてみろ」


「門からは出てない、昨日の夜から朝まで門番してたが誰も出てない!」


「じゃあどこ行ったんだ?あんな大雪だったのに」


「、、、ポセイドン様や獣王神様なら分かるんじゃないか?」


結局村人達では見つけられないので神様を頼る事にした

だが結局神様に聞いても「知らない」と言われた


誰かが居なくなれば勿論騒ぎになる、だがそれが村のキーマン

何を聞いてもこうやればいんだよ

今日はコレをやってほしい

と、今までずーっと頼りっぱなしだった村人には

その1人が居なくなっただけで心が不安になりザワザワした


自分は今日一日何をすればいいのか、、


果たして明日も居なかったら明日は何をすればいいのか


開拓してる新たな村の仕事の段取りは


必要な素材の手配、建築順番、誰に任せればいいのか

そしてそのやり方

村長やノム爺でブーさんの代わりが務まるのか


考え始めたら皆んなどんどん不安になっていった


「みんなー、とりあえず朝食を食べよう!

ホラ今日は寒かったからな暖かいスープだぞ

美味そーだろ?ヘヘッ」


イガーが笑顔で村人に振る舞う


そうだ、イガーの方が気にしてる筈だ

いつも一緒に居たんだから

それに足が早いからあっちこっち探しに行ってきっと見つけてくれるさ

とりあえず腹も減ってたし

飯を食おう!

「ありがとうイガー、頂くよ!」

「ごめんね、不安になって!ありがとう、いただきます」


「大丈夫だよ。ブーがいない位なんだい

みんなやらなきゃいけない事はわかってるし、村長もノム爺もトムさんもロームさんもヤミーさんも、、皆んながいるじゃないか。」


「うん、、うん!頑張ろう!」


そう皆んなを励ましたイガー


だが本当は今すぐにでも探しに行きたいのはイガーの方だった


だけどそれをしてしまうと

村人全員が困ってしまうのは明らかだ


アイツも言ってた

どんな時でもヒトはお腹が減るんだよ

嬉しい時も、悲しい時も、、だから美味しいご飯を食べて

それからまた考えればいいじゃないか、って


とりあえず皆んなで美味しいご飯を食べよう!


その後皆んなで考えよう


うん、そうしよう



「えー、、であるからして、、、ブーがいない、、」


朝食を食べ終わった頃ズーンと気を落とす村長


おいおい、リーダーがそれじゃあダメだろ


村長が暗い顔と声で「ブーがいない」と沈むので

村人全員に伝染してしまった


困った


たった1人居ないだけでこんなにも変わるとは思わなかった


「えーコホンッ!」


「ん?なんじゃイガー」


「みんな大丈夫だ、俺がここら辺一帯探してくるから

俺の速さは知ってるだろう?

なあに、半日もあればグルーッと走り回れるさ

なっ、だから安心してくれ」


「頼むぞイガー」


「イガーなら見つけられるよな」


スープを溢しながらだけど一生懸命食べる3匹の子供はトムさんの奥さんに預けて

早速森の中を走り回るイガー


トンガ、トンゴ、ギン、ヤマトも探してくれると言い出したので

前に行った鮭がいた川や

肉ダンジョンの方を見に行ってもらった


イガーは何故かオークエンペラーの居た山を越えた先まで探しに走っていた


いない、、いない、、何処にもいない、、


「おーい、、ブー」


「おーい、、ブー様ー」


「ブー様いませんかー?」


「なあ、ケン、、どこに居ると思う?」火鶏に聞くヤマト


何処にもいないのである


もう探し始めて半日近く経つが誰も見つけられない


日がくれるから一度村に戻ろう、誰かが見つけたかもしれない


皆んなそう願って村へ戻るも誰も見つけられなかった


5人でトボトボ歩いているとポセイドン様が歩いてきた


「汝等はアホウか?」


「な、、いくらポセイドン様でも怒るぜ、、一生懸命探したけどいないんだ」


「だからアホウだと言っておろう、、あそこにミツバチがいるではないか、、」


「ん?、、えっ?。、あ!本当だ。」


「おーい、、ミツバチさーん」


呼ばれたのでヤマトの所へ飛んでくミツバチさん


「ブー様を探してるんだけど。、、何処に居るの?」


プルプルと首を横に振る


「えーっと、、分からないのかな?」


プルプルと縦に振るミツバチ


するとミツバチさんをガシィッと掴み

「ブーは生きてるんだな?」と凄むイガー


痛いから離して、と言わんばかりに暴れるミツバチさん

「イガー、ちょっと強いよ!」


「あ、、悪りぃ、、、つい」


「ブー様は生きてるんだよね?」


プルプルと首を縦に振るミツバチさん


皆んなホッとした、生きてるなら大丈夫


そのうち帰ってくるよ!と安心した


「ポセイドン様すいませんでした、ちょっと、、落ち着けました」


「うむ、、お前達がしっかりしないとな

今はお前達こそこの村の中心人物であろう!


見よ、、皆平静を装っておるが不安なのだ


誰かがドッシリ構えてないでどうする?


最悪ブーがおらんでもお主らは生きねばならぬ


あの3匹の子もお主の帰りを待っておるじゃろう、、」


「はい、、、」


「それに余は美味い飯も必要じゃしな」


「、、えっ!」


「うわーはっは!」


「そうですね、、皆んなで美味い飯作ろうぜ」


「ああ、そうだな」


「美味い飯は必要だな」


「ヨーシっあの時のリベンジですね」


「私が思うにシンプルな味付けなら大丈夫ではないでしょうか?」


「みんな何が食いたい?」


「「「「ワイバーン!」」」」


「決まりだな!ワイバーンにしよう!」



その後五人で一生懸命作りました


ブーがいる時みたいにアレもコレも何て出来そうにないので

一品で美味しい物


しかも温かい料理


昨日は唐揚げ「ザンギ」だったのでさっぱりした物


そう考えたら答えは1つでした


「「「お鍋」」」


この前はしゃぶしゃぶをやったけどめちゃくちゃ美味かった


冬はお肉と野菜を茹でてタレに漬けたらお鍋って料理だよ、とブーが以前教えてくれた


もう村中から野菜を集めてドバドバ入れて


薄く切ったワイバーンの肉をこれでもか、と用意して


醤油とレモン、黒糖、お酒でタレを作って!


完成!


!!!ワイバーンのお鍋!!!


「ウメー」


「美味いな」


「ワイバーンの肉ってなんでこんな、、、うまっ」


「ネギが甘いわ。」


「白菜が溶ける」


「キノコも美味いぜ」


「これはアレだな、、、おかわりだ」


「皆んな〜最後に雑炊にするからなー」


「イガーさん、卵とじはどうしますか?」


「イッシッシッシ、、俺がやるよ!子供達も卵とじの雑炊好きなんだ。」


「成長しましたね」


「なーんだとこの野郎。俺は世界一の虎だぞ」



場所は変わってポセイドン様と獣王神様は二人で熱燗を呑みながらお風呂に入ってました


「ブーの居場所って!!」

「ああ、まさかと思って見に行ったら居たな」

「おいおい、、まさか創造神様自ら動くとは、、」

「仕方あるまい、あの方が動けば我らなんてその辺の牛と同じよ」

「そりゃそうだろ、、皆あの人から産まれたからな」

「フォッフォッフォッ!ブーは大変じゃな」

「ああ、神様皆んなに目をつけられてるな」





創造神様自ら依頼?


ブーは一体何をしてるのでしょうか、、、




「ヤウッ、、、」

「ギャウッ」

「ミャウッ」


「ホラホラそんな焦るなって、、、ワイバーンのお肉はまだまだあるから

アッ、コラ!サファイガー、、パーリイガーの肉を取るな」


3匹の真ん中にお肉てんこ盛り置いたらすぐ食べ尽くしてしまった

おかわりのお肉を茹でてたら

次男のお肉を長男が取っていた


全く、、兄弟ってのは居たらいたで大変なんだな


自分は兄弟が居なかったから分からなかった

ヒトが複数集まれば色々おこる


たまに喧嘩もする


それでもあの頃のように

毎日絶望って事はない


イガーは3匹の子供達は自分みたいに苦労してほしくない

そう思うのでした


「さあ、茹でたぞ!まだ熱いからな、、フーフーするんだぞ」


「ピャウー」


「ぷピュー」


「パプー」


「イッシッシッシ、、変な吹き方だなお前達」


「スピー」


「プピー」


「ピー」


「おいこら、茹でたんだから寝るなー」



ブーが居なくても大騒ぎなイガーでした、、、




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