第三十一話 巡り会う奇跡
昨夜王都からのお客さん達が食後にお風呂に行ったら真っ暗だったと言われ
朝からノム爺と照明の対応に追われた
雨が降っても大丈夫
明る過ぎず、暗すぎない丁度良い明るさって、、、難しい
竹の骨組みに和紙を張ったら丁度いいかな?ってノム爺に行ったら夜までにキツネ獣人と狸獣人とやっておくと言われた。
その丁度帰り道畑が見えたので何となくハチミツポーションを薄めて撒いといた、、、MP回復ポーションだったかな持ってたのは。
あと火鶏の小屋から卵を貰う代わりに
ここにも余ったハチミツポーションを薄めた水をあげといた。
うん、、たくさん飲んで早く大きくなるんだぞー!
その頃広場の厨房では
「さあヤマト、君は卵が入ってる雑炊が好きだろ?最後の卵を入れて固める作業をやらせてあげよう、、」
「ちょっとイガーさん、、難しいからって俺にやらせないでよ」
「何だとこの野郎、、いいか、沸騰してる所にトロ〜ってやって待つだけだからな、、じゃあな」
「あ、逃げるなー、、もう、、」
昨夜残ったカニを雑炊にしようと言ってブーさんがどっか行ったから残りの皆んなで朝食作ってたら
最後の卵とじ失敗したくないからってイガーが逃げ出してしまった。
どうやらイガーは卵とじが苦手らしい。
イガーは何処に行こうか走りながら悩んだ、、
朝食を作ってないといけない時間、村をウロウロしてたらブーに怒られる!
それは困るので気配を消して森の中を散歩していた
散歩と言っても虎獣人なので陸ではない
木の上をぴょんぴょん飛び跳ねていたのだ
そんな時、何処からか鳴き声が聞こえる、、
「ん?なんだ?」
「ウワー、、ギャー、ミー、、!」
「ん?泣いてるのか?」
木から飛び降りて鳴き声の主を探す、、
「ウワー、、ギャー、、ミー、」
「オッ、、いた!アレかな、、」
大きな木の下に葉っぱに包まれた、、、縞模様の猫?ん?この子は俺と同じ虎か?
まだ産まれて何日位の♂の赤ちゃん
獣人ではなく動物の赤ちゃん
もう少し大きくなってみないと種族が分かり辛いな
「ウワー、、ギャー、ミー、」
「ウワー、、ギャー、ミー」
「おいおい、、3匹かよ!」
銀色の♀と黒と白の♂、最初に見つけたのが青っぽい♂
「何でこんな所に、ほっといたら食われるな!ヨシッお前たち来るか?」
「「「ウワー、ギャー、ミー」」」
「体温が低いな、どらっ火の魔石極小を、、」
ポンっと出して発動させ
急いで村へ戻った。
「あ、イガー、、逃げてたな」
「ちょっと待ってくれ、ちっこいの見つけたんだ」
「ん?ホントだ!やーめんこいね!」
「ああ、、めんこいってなんだ?」
「フフフ、母乳?トムさんに貰えるかな」
「ああ、行ってみる」
トントン、、「トムさーん」
「あら?イガーくん?うちのはもう広場へ行ったわよ?会わなかった?」
「ああ、いや、この子達にミルクが欲しくてさ」
「「「ウワーギャー、ミー」」」
「あらあら、、まぁまあ可愛い。ちょっと待ってね」
、、、
「ハイッお待たせ!うちの子の朝搾りたてよ!暖かいからきっとこのまま大丈夫」
「ありがとうおばちゃん」
「いいえ、、イガーくんの子じゃないわよね?」
「おばちゃん冗談キツイぜ。」
「ウフフ!」
哺乳瓶なんて無いので布にミルクを漬けて口に運ぶとチューチュー吸う3匹
独りで3匹は難しいのでトムさんの奥さんに2匹やってもらった
「やっぱり手慣れてるな、、」
「ウフフ、、懐かしいわ!うちのポムもたくさん飲む子でね、、」
「、、、」俺は母親をあまり覚えてないからな、、
「ありがとうおばちゃん、さあ朝食食べに行ってよ
俺この子達の揺り籠ノム爺に作ってもらうから」
「ハイハイ、ミルク必要ならまた取り来てね」
「うん」
3匹を抱き抱えたままノム爺のとこで丁度いい入れ物を貰い
布を敷いて火の魔石極小を入れて3匹を置いた
そしたらすぐ寝始めた。
「可愛いなお前達、、もしかしたらお前達のお母ちゃんが探してるかもな、、また後で見に行くからな」
イガーは飯も食わず赤ちゃん3匹を観ていた
きっと母親はいる、、見つけて会わせてあげよう、と
すると飯を食ったギンが来た
「あれ?イガーさん飯食いました?」
「丁度よかった、ちょっとこの子達見ててくれ」
「えっ、ちょっと」
イガーは居ても経ってもいられなかった
もしかしたら自分が連れてきたから母親がパニックになってるかもしれない
自分こそ酷いやつなのかも
自分があそこに行かなければ母親が戻って母乳をあげていたかもしれない、と
全速力で3匹を見つけた所に戻って待ったが
母親は現れなかった。
昼も過ぎ、夕方になる頃ブーが迎えにきた
「なあ、、あの子らの母親探せねえかな」
「、、イガー、、ちょっと待ってね、、森之王とハチミツ大好き複合スキル!森の捜索者」
ポンっと1匹のミツバチさんを召喚
「さっきの赤ちゃんの母親の所へ案内して」
「ビー」
そのままミツバチに付いていく事10分
小さい川があった
その川辺に無残な姿の母親虎
どうやら赤ちゃんを置いて水を飲みに来たときにやられたらしい
「ブー、見つけてくれてありがとう」
そう言って抱き抱えると
最初に赤ちゃん達を見つけた場所に運び
地面を掘って埋めてあげるイガー
「ウッ、、グスッ、、あの時すぐ母親探してたら助けられたかもしれねえな」
「イガー、、、」
ウッ、ウッ、、ウッと泣くイガーの背中を摩るブー
母親を見つけてくれた小さいミツバチさんに別れを告げて
村へ帰ると3匹がイガーに走り込んできた
「ヤウッ、アウッ。、ギャウッ!」
「ハハハッお前達ぃ、、もう歩けるのか、、ウゥックソッ」
「ヤウッ、ギャウッ、、アウッー」
一生懸命にイガーの腰布を引っ張る3匹
「フフフ、イガーをお母さんだと思ってるのかもね」
「そうか?、、そうか、、ヨシッお前達は俺が育てるからな」グッと袖で涙を拭くとそう宣言するイガー
またミルクをもらいにトムさんとこへ行くと
トムさんの奥さんが朝のミルクを少し温めて待っててくれた
「ありがとうおばちゃん」
「いいえ、懐かしくてついね、そろそろかなーって」
一生懸命吸う姿を観てまた涙が出てくるイガー
「そう。、お母さんいなかったのね」イガーの態度で察したおばちゃん
「大丈夫だぜ、、俺がコイツらのお母ちゃんだ」
「そう、、それなら大きく育ってくれるわね」
「ああ、美味い飯をたらふく食わせてやるんだ」
3匹にミルクをあげたらお腹いっぱいになったのか
また寝てしまった。
「あ、また寝た。」
「そりゃそうよ、赤ちゃんは寝て育つのよ」
抱っこして背中をポンポンとやると「ウゲッ」とゲップをさせるおばちゃん
「ウフフ、ホライガーくんもやって!ゲップさせないと吐いちゃうのよ」
「へー」青い子を抱き抱えポンポンと優しく叩くと同じように「ウゲッ」とゲップした
残りの1匹も同じようにゲップさせ
おばちゃんにまた明日も貰いにくるね、と約束した
3匹を揺り籠に乗せ村を歩いているとブーと獅子獣人のおっちゃんが話していた、そこへ近づくとイガーの持つものが気になる様子
「ホラ、可愛いだろ、俺がこの子達の母親なんだ」と言うと驚いていた。
「君は男なんだからせめて父親って言った方がいんじゃないか?」と笑われた
その後赤ちゃん虎を観て獅子獣人が驚いていた
「こんな毛並み見た事ない!とても珍しいね!お母さんは?」と聞かれたので
黒と白っぽい毛並みの母親で、もう亡くなってる事を告げるととても悲しそうに獅子獣人のおっちゃんは「そうか」と悲しんでくれた
「んで、そっちは何を話してたんだ?」とイガーが聞くと
「昨夜真っ暗なのにお風呂怖くなかった?ってブーが聞いてきたからな、私には精霊がいるから大丈夫と話してたんだよ」
精霊?精霊ってなんだろ、、、とイガーが不思議に思ってると突然
ピカピカと3人の周りを飛び回る小さな光り
「え?」「何これ?」ブーも知らないみたいだ
「ああ、まだ言ってなかったな、、私は精霊と契約してるんだ」
ピカッと光るとキラキラ輝く子供のような子に羽が付いてて
まるで獣王神様の横にいた天使のミカエル様のようだった
「獣王神様の横にいたミカエル様は精霊ではなく神様だからね、精霊とはちょっと違う!精霊とは自然界の何処にでもいる、だけどとても見え辛い生き物なんだよ!私は小さい頃から見えたので仲良くなれたのさ
今では契約して、困った時に助けて貰ってるのさ」
「へー」「精霊って、、凄い」ブーが凄いって言うなら凄いんだろな
指を伸ばして光の精霊を触ろうとするイガー
すると光の精霊が何か話し合ったあとに3匹ともイガーの元へ
あれ?ブーには見向きもしないのにこっちに来た
「ウフフ、やっと会えた」
「え?なんて?」
「やっと会えたわ、、次の、、」
「次の?」
「!!!まさかイガー精霊と喋れるの??」
「ああ、やっと会えた、次のって言ってるぞ」
「!!なにっ!!!この波動は、、まさか!!」
突然空に雲が集まり村中が暗くなる
すると一筋の光りが空から降ってくる
獅子獣人が膝まづく
???よく分からないイガーとブーはただ呆然と立ち尽くす
「フゥ、、暑いね」
光の中から現れたのは耳が横にピーんと伸びた、、
オッサンエルフだった。
何処かの部屋で寛いでる映像だけをこっちに送ってるみたいだ、、!
しかもメタボ。エルフというだけあって体毛は全くなさそうなんだけどとにかく下っ腹が服から出ちゃってて、しかも三頭身くらい!寝巻きなのかぴちぴちボディ
ホントにエルフ?っと疑うブーとイガー
「精霊王様はじめまして」
「えーっと君は、、ああそうか!」
獅子獣人とイガーと赤ちゃん達、それと村長宅から出てきた白虎、転生者のブー、獣王神、ポセイドンを順に見る精霊王と呼ばれる存在
「ようやく、、全てが揃ったね!お疲れ様
まだ何も分かってない人もいるけど、、そしてその中心人物が、、イガー、、君だ。」
「へ?」間抜けな顔で答えるイガー
すると横に小さな女の子が、、獅子獣人の娘?がやってきて跪く
目が虚で意識があるのか分からない不思議な状態に見える
「精霊王様の思し召しの通りに動いております」
「フフ、そうだね!、もう少し必要な物がある!早急に動くように。星読みの巫女よ」
「かしこまりました。」
「イガー、君にコレを授けよう」精霊王様が持ってる木の枝をポイポイッと振るとイガーの右腕に腕輪が着けられた。
木の枝がグルグルと巻かれて乾燥しただけのように見える
よく分からない
鑑定しても「??」しか出なかった
「あ、ありがとうございます」
「フフッ我が眷属を使いこなせるかな?」
「眷属?」
「じゃあまたね!あ、そこの転生者よ!」
「え?僕?」とパンケーキを持ちながら立ち尽くしてたら急に呼ばれてビックリしたブー
「ソレを寄こしなさい!」「えっ、あっ!」フワフワとパンケーキが浮いて精霊王様と一緒に消えてしまった
今の出来事は何だったのか、、
何故木の枝の腕輪を自分が貰ったのか
訳がわからないイガーだった
考えても分からないので考えるのを辞めた
そこがイガーの良いところ。赤ちゃん3匹が入ってる揺り籠を持ってノム爺の所へ行こうと思ってたのだ
「なあ、ブー、、一緒にこの子達の名前考えようぜ」
「え、!ちょっと待って、、僕も村長さん達とちょっと」
「ええー、、じゃあ今夜なら大丈夫か?」
「うんいいよ」
「ヨシッ!ノム爺のとこ行ってくる」
「はーい」
その後獅子獣人やブー達が村長宅へ入ってったけど
イガーはそんな事よく分からないし
赤ちゃんの方が気になってた
「なあノム爺ー」
「なんじゃ?」
「ミルクをもっと飲ませ易い道具ない?」
「ふむ、、お主から母乳が出ればよかったのう」
「はぁーふざけるならもう少し面白いのにしてくれよ」
「フォッフォッ、!後で何か作ってやるさ」
「ああ、頼むよ、、何か良い名前ないかなー
なあお前達!何が良い?」
「ヤウッ、ギャウッ、ミーミー」
「うーん、、俺がイガーだからな、、何か似てるのが良いかな」
すると腕輪が突然ピカッと光り何かが出てきた
「え?なんだ?、、うわっ眩しい」
真っ白?金色?に光る小さい天使みたいなのが雄の白と黒の虎に
青い天使みたいなのが青い毛の雄虎に
銀色っぽい天使が銀色の毛並みのメスの虎に
3匹の周りを飛んでたかと思ったら体の中に入ってしまった!!!
「えっ?おいっ!」
そんな事お構いなしに寝続ける赤ちゃん虎達
寝てるって事は大丈夫なのかな?
頭や身体を撫でると気持ちよさそうな顔をする虎の赤ちゃん
ビックリしたけどとりあえず大丈夫そうかな?!
「フー、焦った。何だよこの腕輪、、外そうかな!」
グギギギッ!イガーが本気でやっても外れなかった。
夕飯の時はトムさんの奥さんに子供を預けて
イガーは夕飯作りを手伝った。
そして作りながらチャッチャと食べてしまい
すぐ子供達を迎えに行った
別に早く迎えに来てなんて言われてない
イガーが早く会いたいのである
「おーよちよち、いっぱい飲みまちたか?」
抱っこしてトントンと背中を優しく叩くと「ゲプッ」とゲップをする
それを3匹順番に
明日からはこのノム爺特製哺乳瓶って奴があるからな
きっと飲みやすいぞー
自分の事のように喜ぶイガー
するとブーがやってきた
「さっきはごめんね。さあ家に行く?」
「ああ、おばちゃんありがとう!」
「はーい、また明日ね」
ポセイドン様はケモツー村のホテルの最上階に案内したので
もうブーの家には誰もいないので
ブーの家に向かうブーとイガーと3匹の子虎
食後にちょっと寝てたんだけど
ブーの家に着いたら起きてあっちこっち動き回ってる
「なあ、名前を考えたんだ。聞いてくれよ」
「フフフ、せっかちなお父さんだね」
先ほど一緒に考えられなかったので
もう自分で良い名前を考えてあると意気込むイガー
紅一点メスの銀色の毛並みの虎を「ギンイガー」
最初に見つけた青い毛の雄虎を「アオイガー」
背中側が黒それ以外が真っ白な雄虎を「クロイガー」
「、、、全部イガーって付くんだね」
「えっ、、いや、何となく」
「しかも色を付けただけ、、捻りがない」
「フンッ」
「んー、、、銀色の毛並みってダイアモンドみたいなんだよね、、、ダイガーってのは?」
「おお!」
「青い、、青い、、サファイヤ、、サファイガー!」
「うんうん」
「黒、、白、、真珠?、、パール、、パーリィガー!」
「オオッ!ヤッホー相談して良かったぜ
ヨーシお前達は今日から長女のダイガー
長男のサファイガー
次男で末っ子のパーリィガー」
頭を撫で撫でしながら名前を呼ぶと
「ヤウッ、ギャウッ、ミー」と泣く3匹
「フフフ、めんこいね」
「ああ、、めんこ?」
「可愛いって意味さ」
「ああ、、そうだな、、でもかっこよく育てたい」
「ハイハイ、じゃあ女の子は可愛くね」
「そうか、、うん、、とりあえず元気ならいいか」
「うん、それが1番さ、、ハイプレゼント」
「ん?あっコレ、、、いいのか」
「もちろん!何かあったら大変だからね」
「ああ、ありがとうブー」
「いいえ、、どういたしまして」
Sランクの魔物の魔法も一発だけ弾いた極小の白い魔石を付けたネックレス
それを3匹に付けてあげた
いつでも守れるとは限らない
自分達大人がそばに居なくても無事に育つように、、
2人で3匹を抱っこしながら話していると突然魔力が溢れてきて
首のネックレスに魔力が集まる
ダイガーのネックレスはまるで本当のダイアモンドのように美しく
サファイガーの魔石は白をベースに青い螺旋状の模様が
パーリィガーの魔石は白をベースに黒い螺旋状の模様が
「イガーなんかやったの?」
「へ?ブーだろ?」
「僕は何もやってないよ」
「じゃあ勝手になったのかな、、」
「フフフ。、さっきから次から次に色々おこるね」
「ああ、、嫌な感じじゃないから大丈夫だろう」
ネックレスをあげて抱っこして揺すってたら
いつの間にか寝てしまった3匹達
「グガー」
と、イガー
「フフフ、、また寝たね
この子達が無事に大人になるまで一緒に見守ってたいなー」
ブーの口から、まるで叶わない願望かのような
諦めにも似た言葉が漏れ出た
「スピー、、、プピー、、プヒュー、、」
「グガー」




