青龍、潜入する。
「おい、出番だ。出てこい」
「はい」
潜入場所についてから早4時間。私は今から競りに出される。
6時間前、ブティックを出て、皆んなと別れた私と芹澤先生は殺し屋界の裏情報を取引している芹澤先生の知り合いのところに訪ねた。
そして、あらかじめ用意していた正攻法ルートで私は売り物として出品された。
オークションの方に、私の到着が送れることは裏ルートで連絡が行っていたらしいので、
本当の売り物じゃないことは察知されていないだろう。
悲劇のお姫様を想わせる儚い表情を考えて、そんなシチュエーションになったときのことを考えながら、組織の男についていく。
もし、私に今のような強さがなかったらシオンが助けてくれるのかな…。でも私が殺し屋をしようと思わなかったら、シオンと出会ってない、か。
決行の合図は私の値段がつけ始められた頃だ。
私のオークションが始められ、私が競られ始めると同時に組織を破壊する。
「じゃあ、番号が呼ばれたら出ていくんだぞ、わかったな」
「…はい」
小さな舞台袖にとどまり、順番を待つ。
ちょうど舞台では、私と同じくらいの銀髪の可愛らしい、より美しいという言葉が似合う女の子が競られていた。
女の子は始めこそ、生気を失ったような目をして大人しくしていたが、急に司会者に何かを囁かれ、
司会者や客を睨んで、暴れ出した。
けれど、一瞬にして組織の奴らが鞭でボロボロの彼女をはたいて大人しくさせた。
ああ、許せない。
命ある彼女を、ここにいる囚われた全ての者を「物」として扱い、お金で買うことが。
ああ、早く、壊してやりたい。
あいつらの未来も、今までの財産も、全部全部全部全部全部。
「皆様、長らくお待たせいたしました。今回の目玉商品となっておりますロットナンバー19」
私は、纏っていた空気をより一層厚いものにして、汚いものが蔓延るこの空間に脚を踏み入れた。




